Binance(バイナンス)は、世界中で1億5,000万人以上が利用している、業界最大手の仮想通貨取引所だ。
そのBinanceが2023年8月、日本人向けの仮想通貨取引所「Binance Japan」を立ち上げ、話題を呼んでいる。
本記事ではそんなBinance Japanについて、利用のメリット・デメリットや、投資家からの評判などをわかりやすく解説していく。
Binance Japanに興味を持っている方は、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
この記事からわかること
- Binance Japanの基本情報
- Binance Japanのメリット・デメリット
- Binance Japanが向いている人・向いていない人
- Binance Japanへの評判・口コミ
- Binance Japanでの口座開設手順
Binance Japanでは、国内最多となる52種類*もの仮想通貨を取引することができる。*2024年5月時点
口座開設は無料でできるので、まだ口座をお持ちでないなら、ぜひこの機会にBinance Japan公式サイトをチェックしてみてほしい。
目次
Binance Japanとは?
取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) |
取扱銘柄* | ADA、ALGO、APE、APT、ARB、ASTR、ATOM、AVAX、AXS、BAT、BCH、BNB、BTC、CHZ、DAI、DOGE、DOT、ENJ、EOS、ETC、ETH、FIL、GALA、GRT、HBAR、IMX、IOST、JASMY、KLAY、LINK、LSK、LTC、MANA、MATIC、MKR、NEAR、ONT、OP、QTUM、RNDR、SAND、SHIB、SOL、SUI、TRX、WBTC、XLM、XRP、XTZ、ZIL、MASK、CYBER 【52種類】 |
取引コスト (取引所) | Maker 0.0090~0.100% Taker 0.0180~0.100% |
仮想通貨の入出金手数料 | 入金:無料、ガス代は自己負担 出金:銘柄ごとで異なる |
その他のサービス | 自動積立 レンディング(Simple Earn) 取引ボット Binance NFT |
Binance Japan(バイナンスジャパン)は、業界最大手のBinanceが日本人向けに展開している仮想通貨取引所だ。
Binanceは長らく日本の法律を無視し、いわゆる「無登録業者」として、日本人へのサービス提供をおこなっていた。
しかし、Binanceはそうした姿勢をあらためて日本法人「Binance Japan株式会社」を設立し、日本の法律に基づいたサービス提供を2023年8月1日にスタートした。
Binance Japanは国内最多となる52銘柄(2024年5月時点)を取り揃えており、その品揃えの良さから、多くの投資家から好評を得ている。
Binance Japanのメリット
さて、Binance Japanは、次のようなメリットを有している。
主なメリット
- 取扱銘柄数が国内最多
- 取引の形式を選べる
- 自動積立とレンディングが可能
- 取引ボット(自動取引ツール)を使える
- VIPレベルに応じて取引手数料を割引
- NFTも買える
取扱銘柄数が国内最多
本記事執筆時点(2024年5月)でのBinance Japanの取扱銘柄は、以下のとおり。
Binance Japanの取扱銘柄
- ADA(カルダノ)
- ALGO(アルゴランド)
- APE(エイプコイン)
- ARB(アービトラム)
- ASTR(アスターネットワーク)
- ATOM(コスモス)
- AVAX(アバランチ)
- AXS(アクシーインフィニティ)
- BAT(ベーシックアテンショントークン)
- BCH(ビットコインキャッシュ)
- BNB(ビルドアンドビルド)
- BTC(ビットコイン)
- CHZ(チリーズ)
- DAI(ダイ)
- DOGE(ドージコイン)
- DOT(ポルカドット)
- ENJ(エンジンコイン)
- EOS(イオス)
- ETC(イーサリアムクラシック)
- ETH(イーサリアム)
- FIL(ファイルコイン)
- GALA(ガラゲームズ)
- GRT(ザ・グラフ)
- HBAR(ヘデラ)
- IMX(イミュータブル)
- IOST(アイオーエスティー)
- JASMY(ジャスミー)
- KLAY(クレイ)
- LINK(チェーンリンク)
- LSK(リスク)
- LTC(ライトコイン)
- MANA(ディセントラランド)
- MATIC(ポリゴン)
- MKR(メイカー)
- NEAR(ニアプロトコル)
- ONT(オントロジー)
- OP(オプティミズム)
- QTUM(クアンタム)
- RNDR(レンダー)
- SAND(サンド)
- SHIB(シバイヌ)
- SOL(ソラナ)
- SUI(スイ)
- TRX(トロン)
- WBTC(ラップドビットコイン)
- XEM(ネム)
- XLM(ステラルーメン)
- XRP(リップル)
- XTZ(テゾス)
- ZIL(ジリカ)
- MASK(マスクネットワーク)
- CYBER(サイバーコネクト)
Binance Japanは、国内最多となる52種類もの仮想通貨を取り揃えている。
また、これの中にはBNB(ビルドアンドビルド)やALGO(アルゴランド)など、Binance Japanから国内市場への初上場を果たしたものも含まれる。
特にBNB(ビルドアンドビルド)は、BNBチェーンのネイティブトークンで豊富な使い道がありながら、これまでは海外取引所やDEX(分散型取引所)を使わないと入手が不可能だった。
そのためBinance Japanへの上場は、多くの日本人投資家に歓迎されている。
取引の形式を選べる
Binance Japanでは、Binance Japanとユーザーの間で取引をする「販売所」と、ユーザー同士で取引をする「取引所」の2種類から、取引の形式を選択することができる。
それぞれのメリット・デメリットは以下のとおり。
販売所 | 取引所 | |
---|---|---|
概要 | 仮想通貨取引所とユーザーの間で取引 | 仮想通貨取引所のユーザー同士で取引 |
メリット | 仕組みがシンプル 約定力が高い | 取引コストが割安 |
デメリット | 取引コスト(スプレッド)が割高 | 思いどおりに約定するとは限らない 仕組みがやや難解 |
Binance Japanが提示する価格でお手軽に売買したい場合は「販売所」、取引コストを安く抑えたい場合は「取引所」を選んで、取引することができる。
自動積立とレンディングが可能
Binance Japanは、現物取引だけでなく自動積立とレンディングのサービスも提供している。
自動積立(自動購入/定期購入)サービスでは、あらかじめ指定した銘柄・数量を、定期的に自動で積み立てていくことができる。
積み立てのサイクルは、1時間から毎月までの8パターンから選べる。
また、積み立てる銘柄は複数選択することも可能だ。
複数の銘柄で積み立てる場合は、Binance Japanが用意した「ポートフォリオプラン」から選べる他、自分でオリジナルのポートフォリオを組むこともできる。
次にレンディングサービス「Simple Earn」では、手持ちの銘柄をBinance Japanに貸し出し、利息収入を得ることができる。
また、Simple Earnは自動積立サービスと組み合わせることも可能だ。
2つを組み合わせた場合は、購入した仮想通貨が自動的にSimple Earnで貸し出されるようになり、手間いらずでインカムゲインを得られる。
取引ボット(自動取引ツール)を使える
取引ボットは、あらかじめ指定した条件で「安く買って高く売る」を自動的に繰り返してくれるツールだ。
自分でパラメータを設定できるだけでなく、ROI(投資利益率)などを比べつつ、他のユーザーが作成した設定を真似して利用することもできる。
取引ボットは、海外だと比較的ポピュラーだが、国内では非常に珍しいサービスとなっている。
VIPレベルが上がると取引手数料を割引
Binance Japanには「VIPプログラム」があり、日々の取引高とBNB残高に応じて、VIPレベルが上がっていく仕組みになっている。
VIPレベルは、一般ユーザーからVIP9までの10段階があり、レベルが上がるほど取引取引手数料が割引される他、1日あたりの出金額の制限が緩和されていく。
NFTも買える
BinanceはNFTマーケットプレイス「Binance NFT」も手がけており、Binance Japanで口座を持つと、それを使用することができる。
Binance NFTでは、複数のブロックチェーン*を基盤としたNFTが取り扱われており、アイテムの充実度が高い。*BNBチェーン・イーサリアムチェーン・Polygonチェーン・ビットコインチェーン
Binance Japanのデメリット
一方でBinance Japanには、次のようなデメリットもある。
主なデメリット
- 現時点でレバレッジ取引はなし
- トラベルルールでは国内で孤立状態
現時点でレバレッジ取引はなし
グローバル版のBinanceでは、レバレッジ取引が提供されている。
一方でBinance Japanでは、現状レバレッジ取引は用意されておらず、現物取引のみの提供となっている。
なお、将来的には先物取引を含めてレバレッジ取引が追加されるとのことだが、今のところ具体的な内容やスケジュールは明かされていない。
トラベルルールでは国内で孤立状態
トラベルルールは、マネーロンダリングなどの不正行為への対策のために生まれた顧客情報の共有に関するルールだ。
トラベルルールへの対応のため、各仮想通貨取引所は専用のシステムを導入しているのだが、そのシステムにはいくつかの種類があり、なおかつシステム間に今のところ互換性がない。
また互換性がないことの弊害で、異なるシステムを用いた仮想通貨取引所同士では、相互に仮想通貨のやり取りができなくなってしまっている。
さて、Binance Japanが導入したトラベルルールのシステムは「GTR(グローバル・トラベル・ルール)」といい、国内でGTRを用いている仮想通貨取引所はBinance Japan以外にない。
したがってBinance Japanは現状、国内他社との間で仮想通貨の送金・受け取りができない状態となっている。
Binance Japanが向いている人
前述のメリットとデメリットを踏まえて、Binance Japanは次のような人に向いていると言えるだろう。
Binance Japanが向いている人
- より多くの銘柄から選んで投資したい人
- 実用的な銘柄を手軽に買いたい人
繰り返しなるがBinance Japanでは、50種類以上もの仮想通貨がラインナップされている。
そのため、できるだけ多くの中から投資対象を選びたい人に、Binance Japanは適しているだろう。
またBinance Japanでは、DApps(分散型アプリ)の利用に欠かせないイーサリアムやポリゴン、ソラナやビルドアンドビルドなどの銘柄が充実している。
したがって、投資目的だけでなく実用目的で仮想通貨を欲している方に、Binance Japanはうってつけの存在だ。
Binance Japanが向かない人
一方で次のような人には、Binance Japanは適さない。
Binance Japanが向かない人
- レバレッジ取引にチャレンジしてみたい人
- ステーキングサービスを利用したい人
前述のとおりBinance Japanは現状、レバレッジ取引を提供していない。
そのためレバレッジ取引にチャレンジしてみたい人や、レバレッジ取引をメインに取り組みたい人には適さない。
また、Binance Japanにはステーキングサービスもない。
グローバル版のBinance はステーキングサービスを手がけているので、いずれはBinance Japanにも導入されるかもしれない。
しかし、今のところはステーキング目当ての人にも、Binance Japanは不適だ。
Binance Japanの評判・口コミ
それではここで、SNSに上がっているBinance Japanへの評判・口コミをいくつか紹介しよう。
Binance Japanへの良い評判・口コミ
まず、Binance Japanへの好意的な意見として、以下のようなものが上がっている。
Binance Japanは多分積極的に色々なトークンを上場してくれるので、グリーリスト入りするトークンが増えるんじゃないかな?
登録されたトークンは上場を希望する新規の会員が自社による調査・評価を行えば、JVCEA協会による審査は無しで上場可能らしいです。
日本の暗号資産業界が加速するかも?
X(旧Twitter)
ついにバイナンスジャパンのサービス開始に関する発表が正式にリリースされましたね。
取り扱い銘柄数は現時点で国内最多ですが、その数は今後加速度的に増えていくことでしょう。
まずは今年いっぱいまでにどのような動きがあるのか、注目ですね。
X(旧Twitter)
国内BNB上場は大きい。
そして、バイナンスジャパン一強になる可能性高い。
システム、歴史、規模全てに置いて国内最強でしょ。
X(旧Twitter)
バイナンスジャパン、BNBも入ってんのか。
STEPN勢にとっては便利。
X(旧Twitter)
グローバル版のBinanceは業界最大手であり、SNSでは「将来的にBinance Japanも国内取引所の中で頂点に立つのではないか」と予測する声が数多く上がっている。
また、Binance Japanの国内市場への参入に対し、国内市場への起爆剤となることを期待する声も散見される。
さらに、Binance Japanから国内市場への初上場を果たしたBNB(ビルドアンドビルド)が、多くの投資家に歓迎されている。
Binance Japanへの悪い評判・口コミ
一方でBinance Japanに対し、次のようなネガティブな意見もある。
バイナンスジャパンになってしまったので、レバレッジを考えると個人的には使う意味が無くなってしまいます…。
ただ、今後トラベルルールも考えると、海外仮想通貨取引所の使い勝手も悪くなりそうですね。
X(旧Twitter)
結局バイナンスジャパンはレバレッジを認められてないので、他の取引所でショートするか。
X(旧Twitter)
これまで日本人投資家は、資金決済法に反する状態ではあったものの、グローバル版のBinanceを使用することができた。
ところがBinance Japanの登場によって、グローバル版のBinanceで日本人の新規利用は停止され、既存ユーザーも2023年11月末には締め出されることとなった。
グローバル版のBinanceを使っていた日本人ユーザーにとっては、レバレッジ取引ができなくなるなどBinance Japanはグローバル版からの劣化であり、言わずもがなその変化は歓迎されていない。
Binance Japanでのサービスの拡充によって、グローバル版のBinanceを好んでいた投資家からの悪印象を好転させられるのか、今後の動向に注目していきたいところだ。
以上、Binance Japanへの評判・口コミを紹介した。
Binance Japanの利用を検討している方は、ぜひこうした他の投資家の生の声も、参考にしてみるとよいだろう。
Binance Japanでの口座開設の流れ
続いては、Binance Japanでの口座開設方法を紹介しておく。
Binance Japanでの口座開設手順
- アカウントを作成
- 個人情報を登録
- 本人確認をおこなう
- 審査完了を待つ
アカウントを作成
まずはBinance Japan公式サイトにアクセスし、メールアドレスもしくは電話番号を登録して、アカウントを作成しよう。
また、画面の案内文にあるとおり、GoogleもしくはAppleの既存アカウントを流用してBinance Japanのアカウントを作成することも可能だ。
メールアドレス・電話番号を登録するか、Googleなどの既存アカウントを提示すると、以下のようにアカウント作成画面に遷移する。
そこで利用規約およびプライバシーポリシーを確認したのち、確定ボタンをクリックすると、アカウントを作成することができる。
個人情報を登録する
アカウントが作成されると、個人情報の入力画面に遷移する。
そこで氏名や住所などを入力していこう。
本人確認をおこなう
個人情報の入力が完了したら、次は自身の顔と本人確認書類の撮影によって、本人確認をおこなう。
なお本記事の筆者は、個人情報の入力までをPCで、カメラ撮影が必要なKYC(本人確認)はBinance のスマホアプリでおこなっている。
だが、PCのカメラを使えるならすべての手続きをPCで完結させることも可能で、もちろんその逆にスマホですべての手続きをおこなうこともできる。
個人情報の入力までをPC、KYC(本人確認)をスマホアプリでおこなう場合の流れは以下のとおり。
- PCで個人情報を入力
- スマホアプリを無料ダウンロード
- 作成したアカウントでアプリにログイン
- 自身の顔と本人確認書類を撮影・アップロード
- 投資実績などに関する調査に回答
PCで入力した個人情報は自身のアカウントに保存されているため、スマホアプリで口座開設手続きの途中のKYC(本人確認)から、問題なくおこなうことができる。
審査完了を待つ
ひと通りの手続きを終えると、あとはBinance Japanによる審査の完了を待つだけだ。
また、大抵の場合は申し込みをしたその日の内に審査が完了し、すぐに取引を始められる。
以上、Binance Japanでの口座開設手順を紹介した。
ネットから手軽に申し込めるので、興味がある方はぜひこの機会にBinance Japanの利用を検討してみてほしい。
Binance Japanに関するよくある質問
それでは最後に、Binance Japanに関してよくある質問を3つ紹介しておく。
よくある質問
- Binance Japanは誰でも使えますか?
- Binance Japanのスマホアプリはありますか?
- Binance Japanのサポート体制はどのようになっていますか?
Binance Japanは誰でも使えますか?
Binance Japanの利用条件は以下のとおりで、未成年者(18歳未満)は利用することができない。
Binance Japanの利用対象者
- 日本国内居住者のうち、満18歳以上の方
- Binance Japanの口座登録をおこなった方
- Binance Japanの利用規約に同意した方
- 本人確認(eKYC)の審査を通過した方
Binance Japanのスマホアプリはありますか?
Binance Japanのサービスは、スマホアプリで利用することも可能だ。
スマホアプリはiOS版とAndroid版があり、いずれも無料でダウンロードすることができる。
バイナンス: Bitcoinと暗号資産の取引所
Binance LTD無料posted withアプリーチ
Binance Japanのサポート体制はどのようになっていますか?
Binance Japanの利用に関して不明な点があれば、まずは「よくある質問」のページを使い、自分で解決策を調べることができる。
また、チャットボットを使い、解決策を教えてもらうこともできる。
Binance Japanの評判・口コミまとめ
今回は、2023年8月1日にサービスが開始された国内取引所「Binance Japan」について、その特徴や投資家からの評判などを紹介した。
この記事のまとめ
- Binance Japanは、業界最大手のBinanceが手がける日本の仮想通貨取引所
- 国内最多の52種類もの銘柄を揃えている
- 自動積立では、複数の銘柄への積立プランを組むことも可能
- 自動積立とレンディングを組み合わせた長期投資ができる
- 取引ボットによる自動売買ができる
- グローバル版と違い、レバレッジ取引やステーキングサービスは未実装
グローバル版のBinanceは、1日の取引高が1兆円を超えることもある業界最大手だ。
そのBinanceが日本に参入してきたとあって、Binance Japanは「日本の仮想通貨市場に大きな変革をもたらすのではないか」と期待を寄せされている。
本記事をとおして興味を持った方は、ぜひこの機会にBinance Japanの利用を検討してみてはいかがだろうか。