2023年8月1日、新しい国内取引所「Binance Japan 」がサービスを開始した。
またBinance Japan の登場によって、国内市場への初上場を果たした銘柄が2種類あり、その内の1つが今回取り上げる「ALGO(アルゴ)」だ。
本記事ではALGOとその発行基盤であるブロックチェーン「アルゴランド」について、主な特徴や将来性などをわかりやすく解説していく。
Binance JapanからALGOを知り、投資してみたいと考えている方は、ぜひ最後まで読んで今後の参考にしてもらいたい。
この記事からわかること
- アルゴランド/ALGOの基本情報、主な特徴
- ALGOのこれまでの値動き
- アルゴランド/ALGOの将来性
- ALGOの価格予想
- ALGOを取り扱う仮想通貨取引所
本記事執筆時点(2023年8月中旬)でALGOの取り扱いがある国内取引所は、Binance Japanの1社のみだ。
Binance Japanでは、ALGOを含めて国内最多となる34種類もの仮想通貨がラインナップされている。
まだ口座をお持ちでないなら、ぜひこの機会にBinance Japan公式サイトをチェックしてみてほしい。
Binance Japanの特長
- 取扱銘柄数が国内最多
- 取引形式を販売所と取引所から選べる
- 自動積立とレンディングが可能
- 取引ボット(自動取引ツール)を使える
- VIPレベルが上がると取引手数料が安くなる
- NFTも買える
目次
ALGO/アルゴランドとは?
名称 | ALGO |
ティッカーシンボル・通貨単位 | ALGO |
ローンチ時期 | 2019年 |
価格* | 0.09ドル |
時価総額ランキング* | 46位 |
サイトURL | https://algorand.com |
購入できる仮想通貨取引所 | Binance Japan |
アルゴランド(Algorand)は、イーサリアムチェーンやSolanaチェーンのように、DAppsの開発基盤となっているブロックチェーンプラットフォームだ。
ネイティブトークンは「ALGO(アルゴ)」であり、DAppsでの決済手段やネットワーク手数料の支払い手段など、アルゴランドのエコシステム内でさまざまなユーティリティを与えられている。
ALGOは、2023年8月1日にサービスが開始された国内取引所「Binance Japan」が最初に取り扱う銘柄の1つに選ばれた。
また今のところ(2023年8月中旬)、ALGOの取り扱いがあるのは、国内だとBinance Japanの1社のみである。
ALGO/アルゴランドの特徴
ブロックチェーンのアルゴランド、およびそのネイティブトークンのALGOは、次のような特徴を有している。
主な特徴
- DAppsなどの基盤となるブロックチェーンプラットフォーム
- 持続可能性を重視している
- コンセンサスアルゴリズムはPPoS
- スケーラブルである
- ブロックチェーンのフォーク(分岐)を必要としない
- DAOが設けられている
DAppsなどの基盤となるブロックチェーンプラットフォーム
アルゴランドは、スマートコントラクトとそれを稼働させるためのAVM(アルゴランド仮想マシン)を利用することができる、レイヤー1ブロックチェーンだ。
すなわち、イーサリアムチェーンなどと同じく、DAppsの開発基盤として用いられているということだ。
ジャンルは限定されておらず、DeFi(分散型プロトコル)やコレクタブルNFT、NFTゲームなど、多種多様なDAppsがアルゴランド上で稼働している。
なおエコシステム内の各種DAppsは、アルゴランド財団のサイトにおいて、ジャンルごとで確認することができる。
持続可能性を重視している
ビットコインなどの一部のブロックチェーンは、トランザクション(取引)の検証の際に、膨大な電力を消費する仕様になっており、それによる環境負荷を問題視されている。
そうしたブロックチェーンとは対照的に、アルゴランドは誕生当初から環境負荷の軽減に焦点を当てており、自らを「グリーンブロックチェーン」とも呼んでいる。
具体的には、高効率な独自のコンセンサスアルゴリズム(取引の内容を検証し、合意形成を図るための仕組み)を採用することによって、環境負荷が抑えられている。
コンセンサスアルゴリズムはPPoS
アルゴランドのコンセンサスアルゴリズムには、PoSから派生した「PPoS(ピュア・プルーフ・オブ・ステーク)」が採用されている。
PPoSでは、ネットワークに参加するすべてのユーザーが、自分の持つALGOの量に比例してトランザクション検証し、ブロックを生成する権利を持つ。
また、トランザクションの検証者(ブロックの生成者)はランダムに選出され、一時的に検証者としての権利を持てる仕様になっている。
そうした仕組みで、ネットワークが効率的に分散化されることにより、アルゴランドはハッキングのリスクが大幅に低減されている。
さらにアルゴランドのPPoSは、トランザクションの検証およびブロック生成に必要な計算量(≒電力消費)が少なくて済み、前述のとおり環境にやさしいという性質も持ち合わせている。
スケーラブルである
コンセンサスアルゴリズムにPPoSを採用しているアルゴランドでは、トランザクションを高速で処理することができる。
例えばビットコインのブロックチェーンは、理論上1秒間に7件ほどしかトランザクションを処理できないのに対し、アルゴランドは1秒で1,000件ものトランザクションを処理できるとされている。
利用者が集中したとしても、過度に処理スピードが低下することはない。
さらに1回のトランザクションにかかる手数料は、わずか0.0001ドル(0.01円)程度と非常に安く抑えられている。
ブロックチェーンのフォーク(分岐)を必要としない
フォーク(ハードフォーク)とは、仮想通貨の基盤であるブロックチェーンが永久に分岐し、仮想通貨も2種類に分かれてしまうことを言う。
古くからあるブロックチェーンの中には、その仕組み上、時にフォークが発生してしまうものもあり、例えばビットコインからは過去に「ビットコインキャッシュ」や「ビットコインゴールド」が生まれた。
ただ、フォークはネットワーク参加者や資産価値の分散化につながり、決して望ましいことではない。
そこでアルゴランドではあらかじめ、フォークが発生し得ない設計がなされている。
DAOが設けられている
DAO(分散型自律組織)とは、特定の統率者や管理者が存在せずとも、事業やプロジェクトを推進できる組織のことを言う。
アルゴランドでは「AlgoDAO」が設けられており、コミュニティ主導で新たなプロジェクトの立ち上げなどが進められている。
また、アルゴランドのネットワーク参加者は、AlgoDAOをとおしてアルゴランドの運営の一部に関わることができる。
ALGOの値動き
ここで、ALGOのこれまでの値動きをおさらいしておこう。
2022年末までの値動き
まずはALGO/USDチャートで、ALGOがローンチされた2019年6月末から2022年末までの値動きを見ていこう。
チャートを見てわかるようにALGOは、ローンチされて市場上場を果たしたその日に暴落し、ひとしきり値下がりしたあとはしばらくの間、目ぼしい値動きすらなかった。
その後、2021年に仮想通貨市場が活況となる中で復調していくこととなるが、ローンチ時に付けた史上最高値にはまったく及んでいない。
また2021年末以降は、市場の低迷と沿うように、再び下落基調に陥っている。
2023年の値動き
次に、2023年に入ってから本記事執筆時点(2023年8月中旬)までの値動きも押さえておこう。
2023年のALGOは、序盤こそ堅調に推移していたものの、2月末からは下落に転じてしまった。
5月には年初来マイナスとなり、その後も現在まで値下がりし続けている。
このようにALGOは、短期的に見ても長期的に見ても、思わしくない値動きが続いている。
しかし見方を変えると今のALGOは、割安な価格で買い付けられる状態にあるとも言える。
後ほど紹介する将来性や価格予想なども勘案し、現状をチャンスだと見る方は、Binance Japanを使ってALGOへの投資にトライしてみてはいかがだろうか。
ALGO/アルゴランドの将来性に関わるポイント
続いては以下の3つの要素から、アルゴランドとALGOの将来性を考察してみよう。
将来性に関わる注目要素
- ブロックチェーンプラットフォームの競合が多い
- 相互運用性(インターオペラビリティ)の改善を進めている
- 仮想通貨市場全体の動向にも要注目
ブロックチェーンプラットフォームの競合が多い
イーサリアムチェーンやアルゴランドのような、プラットフォームとしての機能を持つブロックチェーンは、今や200種類を優に超えている。
近年ではそうしたプラットフォームの間で相互運用を図る動きが盛んだが、かといって競合関係でなくなったわけではない。
したがってこれからALGOに投資するのであれば、数々の競合との相対的な位置関係の変遷も、注視していくべきだろう。
相互運用性(インターオペラビリティ)の改善を進めている
他のブロックチェーンに負けず劣らず、アルゴランドも相互運用性(インターオペラビリティ)の向上に努めている。
例えば2022年5月には、異なる仮想通貨の相互運用を可能にするプロトコル「Wormhole(ワームホール)」の対応チェーンの1つに、アルゴランドが追加された。
また同年9月には、新プロトコル「アルゴランド3.9」において、トラストレスな相互運用を可能にするアルゴリズムが実装された。
こうした取り組みは他のブロックチェーンプラットフォームも積極的におこなっており、決してアルゴランドに優位性をもたらしているわけではないのだが、遅れを取らないために重要なことだと言えるだろう。
仮想通貨市場全体の動向にも要注目
先ほどALGOの価格動向を紹介した際に、“ALGOは2021年末以降、市場の低迷と沿うように下落基調となった”と述べた。
2021年末以降の仮想通貨市場は、マクロ経済(主にアメリカなどでの金融引き締め政策)の煽りを受けて、いわゆる冬の時代に陥っている。
しかし逆に考えると、マクロ経済に転換期が来れば、仮想通貨市場全体が復調し、ALGOも値上がりしていく可能性があると言える。
そのため、ALGOに限らず今から仮想通貨に投資するなら、マクロ経済の監視が必要不可欠だろう。
ALGOの価格予想
仮想通貨のデータアグリゲーターの中には、さまざまな銘柄の価格予想を発信しているところもある。
今回はその中から、「PricePrediction」と「DigitalCoinPrice」という2つのプラットフォームをピックアップし、ALGOの価格予想を紹介する。
まず、PricePredictionにおけるALGOの今後10年の価格予想は、以下のとおりだ。
年 | 予想最低価格 | 予想平均価格 | 予想最高価格 |
---|---|---|---|
2023 | $0.12 | $0.12 | $0.13 |
2024 | $0.17 | $0.18 | $0.21 |
2025 | $0.25 | $0.26 | $0.30 |
2026 | $0.36 | $0.37 | $0.44 |
2027 | $0.53 | $0.55 | $0.62 |
2028 | $0.79 | $0.82 | $0.93 |
2029 | $1.12 | $1.16 | $1.36 |
2030 | $1.61 | $1.67 | $1.97 |
2031 | $2.25 | $2.34 | $2.77 |
2032 | $3.15 | $3.26 | $3.93 |
またDigitalCoinPriceでは、次のような価格予想がなされている。
年 | 予想最低価格 | 予想平均価格 | 予想最高価格 |
---|---|---|---|
2023 | $0.0866 | $0.19 | $0.21 |
2024 | $0.21 | $0.24 | $0.25 |
2025 | $0.28 | $0.33 | $0.34 |
2026 | $0.37 | $0.41 | $0.43 |
2027 | $0.37 | $0.41 | $0.43 |
2028 | $0.46 | $0.52 | $0.53 |
2029 | $0.65 | $0.71 | $0.72 |
2030 | $0.94 | $0.97 | $1.00 |
2031 | $1.33 | $1.38 | $1.39 |
2032 | $1.81 | $1.86 | $1.87 |
参考としてALGOの本記事執筆時点での価格と、史上最高値も示しておく。
- 本記事執筆時点での価格:0.09ドル(2023年8月19日)
- 史上最高値:3.28ドル(2021年5月10日)
PricePredictionとDigitalCoinPriceはどちらも、今後10年でALGOが着実に値上がりしていくと予想している。
この予想のように一定のペースで値上がりし続けるとは限らないが、10年後の予想価格を見ると、上昇幅としては十分に起こり得る範疇だと言えるだろう。
今後の値上がりを期待する方は、割安な水準にある今の内に、ALGOへの投資を始めてみてはいかがだろうか。
ALGOを購入できる仮想通貨取引所
冒頭で述べたように、本記事執筆時点(2023年8月中旬)でALGOの取り扱いがある国内の仮想通貨取引所は、「Binance Japan」の1社のみだ。
名称 | Binance Japan(バイナンスジャパン) |
サービス開始 | 2023年8月1日 |
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) |
取扱銘柄 | BTC、ETH、BCH、XRP、LTC、CHZ、SOL、ETC、ADA、BNB、BAT、DAI、DOGE、TRX、DOT、ENJ、MATIC、MKR、IOST、JASMY、ONT、QTUM、SAND、XLM、XLM、XTZ、XEM、LINK、ZIL、ALGO、ASTR、ATOM、AVAX、AXS、SHIB 【34種類】 |
取引コスト (現物取引/取引所) | Maker 0.0090~0.1000% Taker 0.0180~0.1000% |
仮想通貨の入金手数料 | 無料、ネットワーク手数料は自己負担 |
仮想通貨の出金手数料 | 銘柄ごとで異なる |
その他のサービス | 自動積立 レンディング(Simple Earn) 取引ボット |
Binance Japanの特長
- 取扱銘柄数が国内最多
- 取引形式を販売所と取引所から選べる
- 自動積立とレンディングが可能
- 取引ボット(自動取引ツール)を使える
- VIPレベルが上がると取引手数料が安くなる
- NFTも買える
Binance Japanは、2023年8月1日にサービスが開始された、新しい国内取引所だ。
サービスの開始時点から、国内最多となる34銘柄がラインナップされており、その内のALGOとBNBは、Binance Japanから国内市場への初上場を果たしている。
Binance Japan では現物取引ができる他、自動積立やレンディングなどの関連サービスが充実している。
また、Binanceが手がける仮想通貨BNBを一定数以上保有すれば、VIPプログラムによって割安な手数料で取引ができるようになる。
ALGOに興味を持った方は、国内で現状唯一の上場先であるBinance Japanの利用をぜひ検討してみてほしい。
ALGO/アルゴランドに関するよくある質問
最後に、アルゴランドおよびALGOに関してよくある質問を3つ、紹介しておく。
よくある質問
- アルゴランドを基盤としたNFTゲームはありますか?
- ALGOの公式ウォレットはありますか?
- ALGOのトークノミクスを教えてください。
アルゴランドを基盤としたNFTゲームはありますか?
アルゴランド上には、カードゲームの「Aeger Tactics」やモンスター育成ゲームの「Fracctal Monsters」などがある。
また、NFTゲームの一覧は、以下のリンクから確認することができる。
ALGOの公式ウォレットはありますか?
ALGOは、公式ウォレット「Pera」で管理することができる。
PeraはWebブラウザ版とアプリ版(iOS/Android)があり、どちらも無料で使える。
ALGOのトークノミクスを教えてください。
ALGOは、アルゴランドの誕生時に100億枚が発行された。
アルゴランド財団の公式発表によると、2022年9月時点での循環供給量は約69億枚であり、その一部は財団が以下の配分で保管・分配しているとのことだ。
財団が保有するALGO*
- コミュニティとガバナンスの報酬:17億5,726万枚
- エコシステムのサポート:11億7,605万枚
- 財団寄付金:3億6,300万枚
*2022年9月時点
ALGO/アルゴランドとは?まとめ
今回はブロックチェーンプラットフォームのアルゴランドと、そのネイティブトークンであるALGOについて、主な特徴や過去の値動き、将来性などを解説した。
この記事のまとめ
- アルゴランドは、DAppsなどの開発ができるプロックチェーンプラットフォーム
- 独自のコンセンサスアルゴリズムPPoSによって、高速・低コストで利用できる
- PPoSはエネルギー効率に優れており、持続可能性が高い
- DAOがエコシステム運営の一部を担っている
アルゴランドは、DeFiプロトコルやNFTゲームなど、さまざまなジャンルのDAppsの基盤となっているブロックチェーンプラットフォームだ。
そのネイティブトークンであるALGOは、2023年8月1日にBinance Japanから国内市場への初上場を果たし、Binance Japanで口座をつくりさえすれば手軽に買えるようになっている。
本記事をとおして興味を持った方は、ぜひBinance Japanを使い、ALGOへの投資にトライしてみてはいかがだろうか。