DAppsの取引データなどは、基本的にそのDAppsの基盤となっているブロックチェーンへと保存される。
だがブロックチェーンは従来、その保存済みのデータを活用することを苦手としていた。
そんなブロックチェーンの難点に着目して2020年に誕生したプロトコルが、今回取り上げる「The Graph」だ。
The Graphは、ブロックチェーン上のデータを整理し、そのデータを必要とするアプリケーションへと提供することができる。
この記事では、そんなThe Graphとネイティブトークンの「GRPトークン(GRT)」について、主な特徴や過去の値動き、将来の見込みなどを紹介していく。
この記事からわかること
- The GraphとGRPトークンの基本情報・特徴
- GRPトークンのこれまでの値動き
- The GraphとGRPトークンの将来性
- GRPトークンの価格予想
- GRPトークンの購入方法
2023年6月、The Graphのネイティブトークン「GRPトークン(GRT)」は、bitbankから国内市場への初上場を果たした。
また本記事執筆時点(2023年11月上旬)においても、GRPトークンの取り扱いがあるのは、国内でbitbankのみとなっている。
そのためGRPトークンに投資してみたいなら、bitbankの取引口座を用意しよう。
bitbankの特長
- 取扱銘柄数が国内トップクラス
- 「販売所」と「取引所」から、自分に合った取引形式を選べる
- 取引コストが割安な「取引所」の取扱銘柄が充実
- 取引ツールが高性能(TradingViewを搭載)
目次
The GraphのGRPトークン(GRT)とは?
名称 | GRPトークン(GRP Token) |
ティッカーシンボル・通貨単位 | GRT |
メインネットのローンチ | 2020年12月 |
価格* | 0.12ドル/GRT |
時価総額ランキング* | 42位 |
サイトURL | https://thegraph.com |
The Graphは、ブロックチェーン上にあるデータを効率的にクエリするためのプロトコルだ。
その用途からThe Graphは、「ブロックチェーンのGoogle」と呼ばれることもある。
データの「クエリ」とは?
データの「クエリ」とは、データベースや検索エンジンなどに対しておこなう、特定の条件や目的に合ったデータを取得するための要求や命令のことだ。
例えば、ある商品の在庫数や価格を調べる場合、データベースに対して「商品名〇〇の在庫数と価格を返せ」というクエリを送ると、そのクエリのとおりのデータを得ることができる。
また、The Graphのネイティブトークンは「GRPトークン(GRT)」といい、The Graphのネットワークにおけるインセンティブなどに用いられている。
The Graph/GRPトークンの特徴
The GraphとそのネイティブトークンであるGRPトークンには、主に次のような特徴がある。
主な特徴
- オープンAPIでさまざまなデータをDAppsなどに提供する
- ネットワーク参加者は4つの役割に分けられる
- GRPトークンがインセンティブに用いられている
オープンAPIでさまざまなデータをDAppsなどに提供する
The Graphは、ブロックチェーンのデータを整理してアプリケーションに提供するオープンAPI「Subgraphs」を手がけている。
APIとは?
APIとは「アプリケーション・プログラミング・インターフェース」の略で、ソフトウェアやサービスの機能を外部から利用できるようにする仕組みを指す。
APIを使うと、開発者が自分で一からシステムを構築しなくても、他のソフトウェアやサービスが提供する機能を呼び出して使うことができる。
例えばGoogleマップのAPIを使ったならば、自分のウェブサイトやアプリに地図を表示したり、ルート検索や位置情報を取得したりすることが可能だ。
The GraphのSubgraphsを使うと、アプリケーションの開発者やデータ利用者は、インデックス化されたブロックチェーンのデータに高速でアクセスできる。
またそのデータを活用し、データに裏打ちされた信用のおけるサービスを展開していくことができる。
ネットワーク参加者は4つの役割に分けられる
The Graphにおいてネットワーク参加者の役割は、次の4種類に分けられる。
ネットワーク参加者の役割
デベロッパー(Developer):
オープンAPIの「Subgraphs」を開発して、公開する者
インデクサー(Indexer):
インデックス作成とクエリ処理のサービスを提供するために、Graphトークン(GRT)をステーキングするノード運営者
キュレーター(Curator):
インデックス化する価値のあるSubgraphsを見つけ、GRTトークンを用いて評価する者
デリゲーター(Delegator):
ネットワークのセキュリティと分散化に貢献するために、インデクサーに自身の権利を委任(ステーク)する者
やや難解かもしれないが、The Graphはこれらの役割を持つ不特定多数のネットワーク参加者によって支えられている、非中央集権型(分散型)のプロトコルだということを覚えておいてほしい。
AIの分野で活躍している
昨今、AIの分野の発展が目覚ましいのはだれもが知るところだが、そこでThe GraphはAIへのデータ提供に用いられている。
AIは学習のために大量のデータを必要とするが、The Graphはインデックス付けされたデータを効率よく、AI学習のために提供することができる。
また、The Graphのデータは検証が可能であり、より正確なデータをAIに提供できる点が高く評価されている。
GRPトークンがインセンティブに用いられている
先ほど紹介した4つの役割を持つネットワーク参加者は、当然ながら無償で作業をおこなっているわけではない。
The Graphのネットワーク参加者には、各作業の対価として、GRPトークンが付与される仕様になっている。
また特別な知識がない人でも、先ほど示した4つの役割の内の1つ「デリゲーター」としてGRPトークンをステークすれば、報酬の分配を受けることが可能だ。
GRPトークン(GRT)の値動き
それではここで、GRPトークン(GRT)のこれまでの値動きをチェックしておこう。
2022年末までの値動き
GRPトークンは、2020年12月に海外市場への上場を果たした。
市場初上場から2022年末までの値動き(GRT/米ドルの値動き)は、以下のとおりだ。
チャートを見てわかるようにGRPトークンは、2021年の前半に一時、大きく高騰している。
この高騰の要因としては、仮想通貨市場全体が当時、活況だったことが大きい。
2020年から2021年前半は、コロナ禍での経済活動を下支えするために、各国で大規模な金融緩和政策が取られていた。
金融緩和によって生まれた余剰資金によって仮想通貨市場は潤い、投資対象が物色される中で上場したばかりのGRPトークンもターゲットに挙がり、高騰につながった。
ところが、金融政策が緩和から引き締めに転じると仮想通貨市場のバブルもはじけ、GRPトークンも例に漏れず、2021年2月をピークに値下がりしていくこととなった。
2023年の値動き
続いて、2023年に入ってから本記事執筆時点(2023年5月中旬)までの値動きも押さえておこう。
2023年は短期的な乱高下はあるものの、年始からの動きを長期目線で見れば、今のところゆるやかな上昇トレンドを形成していることがわかる。
ただし、復調の気配があるといっても2021年2月に付けた史上最高値と比べれば、現状はまだはるかに割安な価格水準にある。
現状を安く買い付けられるチャンスと見るなら、bitbankを使い、GRPトークンへの長期投資にチャレンジしてみるのも面白いだろう。
The Graph/GRPトークン(GRT)の将来性
これからGRPトークンへの投資にチャレンジするなら、その将来性も気にかかるところだろう。
ここではThe GraphとGRPトークンの今後に影響を与える注目ポイントを3つ、紹介しておく。
今後に関わる注目ポイント
- すでに多くのプロダクトで採用されている
- 巨額の資金調達に成功している
- マクロ経済の動向にも要注目
すでに多くのプロダクトで採用されている
ブロックチェーンの各種データをアプリケーションへと提供できるThe Graphは、すでに多くのアプリケーションで、データを効率よく利用するための欠かせないツールとなっている。
例えば、分散型取引所のUniswapの取引ペアや流動性プールなどの情報が、Subgraphsをとおして他のアプリケーションで活用されている。
類似のサービスが今後登場することは十分に考えられるが、一方でThe Graphの先行者利益が大きく損なわれるような事態は、現状あまり想像できない。
巨額の資金調達に成功している
2020年にThe Graphは、仮想通貨取引所のCoinbaseやベンチャーキャピタルなどから500万ドル(約5億円)もの出資を受けている。
それだけの出資を受けられたということは、ベンチャーキャピタルなどがThe Graphのことを、リターンを見込める有望なプロジェクトと捉えている証左だと言えるだろう。
またThe Graphは、GRPトークンの先行販売でも1,200万ドル(約12億円)を調達している。
そうして集めた資金でThe Graphのアップデートが進み、利便性が向上していけば、GRPトークンの投資対象としての評価もより上がっていくだろう。
マクロ経済の動向にも要注目
先ほど価格動向の解説で述べたように、GRPトークンの価格はマクロ経済の動向を色濃く反映している。
2022年は、各国の金融引き締め政策(主に利上げ)の影響で、年間をとおして下落トレンドを形成した。
しかし逆に考えれば、金融引き締め政策が減速もしくは停止するフェーズになると、そのことを契機に大きく復調していくかもしれない。
GRPトークンにこれから投資するのであれば、そうしたマクロ経済の動向にもアンテナを張っておくと、より多くのチャンスを掴めるはずだ。
GRPトークン(GRT)の価格予想
ここで、海外のデータアグリゲーター「DigitalCoinPrice」におけるGRPトークンの価格予想も紹介しておく。
年 | 予想最低価格 | 予想平均価格 | 予想最高価格 |
---|---|---|---|
2023 | $0.11 | $0.25 | $0.27 |
2024 | $0.26 | $0.30 | $0.31 |
2025 | $0.36 | $0.40 | $0.42 |
2026 | $0.47 | $0.55 | $0.56 |
2027 | $0.47 | $0.55 | $0.56 |
2028 | $0.58 | $0.64 | $0.66 |
2029 | $0.82 | $0.87 | $0.91 |
2030 | $1.19 | $1.25 | $1.27 |
2031 | $1.68 | $1.72 | $1.75 |
2032 | $2.28 | $2.34 | $2.36 |
本記事執筆時点(2023年5月中旬)のGRPトークンは、0.12ドル前後で推移している。
DigitalCoinPriceは、その現在の価格に対し、10年後にはその約20倍となる2.28~2.36ドルまで値上がりしていくとの見立てを示している。
現在の価格から勘案すると非常に強気な予想に思えるかもしれないが、一方でGRPトークンは2021年に2.88ドルを付けていることから、実はそれほど非現実的な見立てではない。
過去に付けた高値やDigitalCoinPriceの価格予想、The Graphの将来性などを総合的に勘案し、現状をチャンスと見るなら、ぜひbitbankを使い、GRPトークンへの投資にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
GRPトークンを購入できる仮想通貨取引所
冒頭にも述べたように、GRPトークンの取り扱いがある国内取引所は今のところ、bitbankの1社のみだ。
取引の種類 | 現物取引(販売所) 現物取引(取引所) |
取扱銘柄* | BTC、XRP、LTC、ETH、MONA、BCH、XLM、QTUM、BAT、OMG、XYM、LINK、MKR、BOBA、ENJ、MATIC、DOT、DOGE、ASTR、ADA、AVAX、AXS、FLR、SAND、APE、GALA、CHZ、OAS、MANA、GRT、RNDR、BNB、ARB、OP、DAI、KLAY、IMX、MASK 【全38種類】 |
取引コスト (BTC/JPYの場合) | 現物取引(販売所) ⇒ 無料、スプレッドあり 現物取引(取引所) ⇒ Maker-0.02%、Taker0.12% |
仮想通貨の入金手数料 | 無料、ガス代は自己負担 |
仮想通貨の出金手数料 | 銘柄ごとで異なる |
その他のサービス | 貸して増やす(レンディング) |
bitbankの特長
- 取扱銘柄数が国内トップクラス
- 「販売所」と「取引所」から、自分に合った取引形式を選べる
- 取引コストが割安な「取引所」の銘柄ラインナップが充実している
- 取引ツールが高性能(TradingViewを搭載)
bitbankは、国内で屈指の人気を誇る仮想通貨取引所の1つで、取引高で国内No.1*を獲得したこともある。*2021年2月14日 CoinMarketCap調べ
国内最多クラスとなる30種類以上もの仮想通貨が揃い、販売所と取引所のどちらでも、その豊富な銘柄を用いて取引することが可能だ。
またbitbankは取引ツールにも特徴があり、PC版・アプリ版ともに高性能チャートの「TradingView」が搭載されている。
TradingViewの多彩な描画機能や分析機能を使い、本格的な値動きの分析ができるため、bitbankなら取引のタイミングを逃さずに済む。
口座開設は無料でできるので、まだ口座をお持ちでないなら、ぜひこの機会にbitbankの利用を検討してみてほしい。
The GraphのGRPトークン(GRT)とは?まとめ
今回はThe GraphとそのネイティブトークンであるGRPトークン(GRT)について、主な特徴や過去の値動き、将来性などを解説した。
この記事のまとめ
- The Graphは、ブロックチェーン上にあるデータを効率的にクエリするためのプロトコル
- オープンソースのAPIであり、さまざまなアプリケーションですでに用いられている
- GRPトークンは、ネットワーク内でのインセンティブなどに用いられている
- GRPトークンは、2021年2月をピークに価格を下げ、割安な水準にある
The Graphは、ブロックチェーン上にあるデータを効率的にクエリすることを目的として生まれたプロトコルだ。
ブロックチェーンの各種カテゴリーの中では比較的ニッチな存在で、先行者利益を獲得しているだけでなく、将来性も十分に見込める。
一方で、マクロ経済の影響を受けてネイティブトークンのGRPトークン(GRT)は、2021年2月から長らく下落トレンドを形成していたため、過去の価格と見比べると現状は非常に割安な水準にあると言える。
将来性や現状の価格水準を鑑みて、GRPトークンを魅力的な投資対象だと考える方は、現状で国内唯一の上場先であるbitbankのこともぜひチェックしてみてほしい。