仮想通貨への投資に関心がある方の中には、海外取引所の利用を検討している方もいるだろう。
しかし海外取引所は、
- 日本人を受け入れているのはどこか?
- 海外取引所各社でどんな違いがあるのか?
といったことが分かりにくい。
そこで今回は、日本人でも使える海外取引所の中からおすすめ5社をピックアップし、サービスの概要や他社との違いなどを解説していく。
海外取引所選びで迷っている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてもらいたい。
この記事からわかること
- おすすめの海外取引所5社の違い
- おすすめ海外取引所5社の魅力と難点
- 海外取引所を比較する際の注目ポイント
目次
日本人でも使える海外取引所一覧
まずは、これから紹介するおすすめ海外取引所5社を一覧に取りまとめた。
取扱銘柄数や手数料などをよく見比べて、自分に合った仮想通貨取引所を見つけるための手がかりにしてもらいたい。
Bybit | MEXC | Gate.io | Bitget | KuCoin | |
---|---|---|---|---|---|
取扱銘柄数*1 | 1,300種類以上 | 2,500種類以上 | 2,100種類以上 | 800種類以上 | 700種類以上 |
現物取引:手数料 | Maker:0.005~0.1% Taker:0.015~0.1% | Maker:0.0~0.1% Taker:0.0~0.1% | Maker:0.0~0.1% Taker:0.02~0.1% | Maker:0.0125~0.1% Taker:0.035~0.1% | Maker:-0.005~0.3% Taker:0.025~0.3% |
先物取引:手数料 | Maker:0.0~0.02% Taker:0.025~0.055% | Maker:0.0% Taker:0.01% | Maker:0.0~0.02% Taker:0.02~0.05% | Maker:0.008~0.014% Taker:0.032~0.042% | Maker:-0.01~0.02% Taker:0.03~0.06% |
日本語対応 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
自動売買(ボット) | 〇 | ✕ | 〇 | 〇 | 〇 |
コピートレード | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ✕ |
トラベルルール | ー | 通知対象国 (Sygna) | 通知対象国 | ー | ー |
評価スコア*2 | 7.6 | 6.7 | 6.9 | 6.7 | 6.8 |
公式サイト | Bybit公式サイト | MEXC公式サイト | Gate.io公式サイト | Bitget公式サイト | KuCoin公式サイト |
ちなみに今回紹介する5社は、いずれも言語表記に関しては日本語に対応しており、英語が不得手な方でも問題なく使える形になっている。
おすすめ海外取引所5選
続いては、先ほど一覧で紹介した海外取引所5社のサービス概要や特徴を個別に見ていこう。
Bybit(バイビット)
![Bybit](https://crypto-marker.net/wp-content/uploads/2024/06/Bybit-top.jpg)
取扱銘柄数* | 1,300種類以上 |
取引手数料 | 現物取引* ⇒ Maker 0.10% 、Taker0.10% 先物取引* ⇒ Maker 0.01% 、Taker0.06% *割引プログラムあり |
主なサービス | 現物取引(取引所) ワンクリック購入 先物取引 取引ボット コピートレード ステーキング レンディング ローンチパッド |
日本語表記 | 〇 |
公式サイト | Bybit公式サイト |
Bybitの特長・魅力
- 世界で累計3,800万人以上に選ばれている
- 日本語表記に完全対応
- 取扱銘柄は1,300種類以上*
- 取引手数料が0.1%以下と格安
- 先物取引のレバレッジは最大125倍
- デリバティブ取引の種類が豊富
*2024年7月時点
Bybitのデメリット
- 一部の競合と比べると取扱銘柄が少ない
Bybit(バイビット)は、世界160か所の国と地域でサービスを展開し、累計で3,800万人以上の登録者がいる人気の海外取引所だ。
1,300種類以上の仮想通貨がラインナップされており、それらを0.1%以下*のリーズナブルな手数料で売買することができる。*現物取引の場合
また現物取引だけでなく、
- レバレッジ取引
- 取引ボット(自動売買ツール)
- コピートレード
- ステーキング
- ローンチパッド(IEO)
など、多彩なサービスが用意されている。
競合他社と取扱銘柄数を比べると、MEXCやGate.ioなど、Bybitのラインナップを上回るところもある。
しかし他社に劣る部分と言えばその程度で、基本的には大きな落ち度が見当たらない、総合的に優れた事業者となっている。
MEXC(エムイーエックスシー)
![NEXC](https://crypto-marker.net/wp-content/uploads/2023/10/mexc-top-1024x457.jpg)
取扱銘柄数* | 2,500種類以上 |
取引手数料 | 現物取引* ⇒ Maker 0.00%、Taker0.00% 先物取引* ⇒ Maker 0.00%、Taker0.01% *割引プログラムあり |
主なサービス | 現物取引 先物取引 レバレッジETF コピートレード セービング |
日本語対応 | 〇 |
公式サイト | MEXC公式サイト |
MEXCの特長・魅力
- 2,500種類以上*の銘柄をラインナップ
- 新規登録時に本人確認書類が不要
- 現物取引の取引手数料が無料*
- 日本語表記に完全対応
- 裁量取引以外のサービスも充実
*2024年6月時点
MEXCのデメリット
- トラベルルールの通知対象国(シンガポール)にある
MEXCには、業界トップクラスとなる2,500種類以上*の仮想通貨が用意されている。*2024年6月旬時点
また取引手数料が現物取引・先物取引ともに非常にリーズナブルで、特にMaker*なら、手数料無料で取引を楽しめる。*マーケットに流動性を提供する注文のこと
唯一のデメリットとして、MEXCは「トラベルルール」の仕様上、多くの国内取引所から仮想通貨を直接送れない状態となっている。
トラベルルールに関して自身が使用している国内取引所との相性が悪い方は、いざ使ってみたときに、MEXCに不便さを感じるかもしれない。
Gate.io(ゲート・アイオー)
![](https://crypto-marker.net/wp-content/uploads/2024/06/gateio-top-1024x458.jpg)
取扱銘柄数* | 2,100種類以上 |
取引手数料 | 現物取引*: ⇒ Maker 0.20%、Taker0.20% 先物取引*: ⇒ Maker 0.020%、Taker0.050% *割引プログラムあり |
主なサービス | 現物取引 クレジットカード決済 信用取引(レバレッジ取引) 先物取引(期限付き、無期限) コピートレード ステーキング Lend&Earn(レンディング) 自動売買 |
日本語表記 | 〇 |
公式サイト | Gate.io公式サイト |
Gate.ioの特長・魅力
- 業界トップクラスの2,100種類以上*もの仮想通貨が揃う
- サービスのバリエーションが豊富
- 高い流動性の元、安定した取引が可能
- 顧客資産の安全性が高い
*2024年6月時点
Gate.ioのデメリット
- トラベルルールの通知対象国(ケイマン諸島)にある
Gate.io(ゲート・アイオー)の最大の魅力は、その取扱銘柄の豊富さだ。
本記事執筆時点(2024年6月)で、2,100種類以上もの仮想通貨がラインナップされている。
また、自動売買ツールやコピー取引など、海外取引所ならではのサービスもひと通り揃っている。
唯一のデメリットはMEXCと同じく、トラベルルールの通知対象国にあることによって、同ルールの弊害を被っていることだ。
トラベルルールに関して自身が使用している国内取引所との相性が悪いと、資金のやり取りをする際に、余計な手間やコストがかかる可能性がある。
Bitget(ビットゲット)
![Biotget](https://crypto-marker.net/wp-content/uploads/2024/01/bitget-top-1024x447.jpg.pagespeed.ce.JRCWieZAmI.jpg)
取扱銘柄数* | 800種類以上 |
取引手数料 | 現物取引*: Maker 0.1%、Taker0.1% 先物取引*: Maker 0.014%、Taker0.042% *割引プログラムあり |
主なサービス | 現物取引 先物取引 マージン(レバレッジ取引) 自動売買 コピートレード |
日本語表記 | 〇 |
公式サイト | Bitget公式サイト |
Bitgetの特長・魅力
- 取扱銘柄数は800種類以上*
- 現物取引の取引手数料は0.1%以下
- レバレッジ取引の最大倍率は125倍
- トラベルルールの対象外(通知対象国外)
*2024年6月時点
Bitgetのデメリット
- 一部の競合と比べると取扱銘柄が少ない
Bitget(ビットゲット)は、セーシェル共和国に本拠地を置く海外取引所だ。
プロサッカー選手のリオネル・メッシ氏をオフィシャルパートナーに据えて、グローバルにプロモーションをおこなっている。
サービスの内容に関しては、Bybitなどと同様、大きなデメリットは見られない。
割安な手数料で取引することができ、サービスのバリエーションも充実している。
ただ、あえて難点を挙げるとすれば、Bitgetは取扱銘柄数が競合他社と比べてやや少なめになっている。
KuCoin(クーコイン)
![Kucoin](https://crypto-marker.net/wp-content/uploads/2024/01/kucoin-top-1024x334.png)
取扱銘柄数* | 700種類以上 |
取引手数料 | 現物取引*: ⇒ Maker 0.10%、Taker0.10% 先物取引*: ⇒ Maker 0.02%、Taker0.06% *「トップ仮想通貨」、「VIPレベル0」の場合 |
主なサービス | 現物取引(取引所) 現物取引(クイック取引) P2P取引 レバレッジ取引(信用取引、先物取引) ボット取引 ステーキング レンディング NFTマーケットプレイス |
日本語表記 | 〇 |
公式サイト | KuCoin公式サイト |
KuCoinの特長・魅力
- 取扱通貨が700種類以上*
- 日本語表記に完全対応
- レバレッジ取引の最大倍率は125倍
- サービスのバリエーションが豊富
- トラベルルールの対象外(通知対象国外)
*2024年6月時点
KuCoinのデメリット
- 競合他社と比べて取引手数料がやや割高
- 一部の競合と比べると取扱銘柄が少ない
KuCoin(クーコイン)は、世界で3,000万人以上の投資家に選ばれている人気の海外取引所だ。
先にデメリットを挙げると、今回紹介する5社の中ではKuCoinが、ユーザーにとってもっともコスト的に不利となっている。
KuCoinの現物取引の手数料体系では取扱銘柄が、よりメジャーな「トップ仮想通貨」からよりマイナーな「クラスC」までの4段階に分類されている。
「トップ仮想通貨」と「クラスA」に含まれるものは、競合他社とほぼ変わらない手数料で取引できる。
しかし、マイナーな「クラスB」「クラスC」の銘柄を取引する際には、やや割高な手数料が徴収されてしまう。
![Kucoinの取引手数料](https://crypto-marker.net/wp-content/uploads/2024/05/kucoin-tesuryo.png)
一方で優位な点として、Kucoinは今のところトラベルルールの対象外*で、基本的に資産のやり取りを国内取引所と直接おこなえるようになっている。*拠点がセーシェル共和国
またKuCoinには、「Snowball」や「Shark Fin」といった独自の仕組投資商品が用意されている。
そうしたユニークな商品に触れてみたい方は、KuCoinを選ぶといいだろう。
海外取引所の比較ポイント
さてあらためて整理すると、自分に合った海外取引所を探す際は、以下の点にぜひ着目してみてほしい。
海外取引所の比較ポイント
- 取扱銘柄数
- 取引手数料
- トラベルルールの仕様
- サービスのバリエーション
- 客観的な評価スコア
取扱銘柄数
![イメージ画像](https://crypto-marker.net/wp-content/uploads/2024/04/art-rachen-yJpjLD3c9bU-unsplash-1024x662.jpg)
国内取引所があるにも関わらず、わざわざ海外取引所に手を伸ばす方は、その多くが国内にはない銘柄へ投資することを目的としていることだろう。
最初は目星を付けていた銘柄さえ取引できればいいかもしれないが、先々いろいろな銘柄への投資にチャレンジしていく可能性を考えると、その選択肢はできるだけ多いところの方がいいはずだ。
取引手数料
ここまで紹介してきたとおり、海外取引所の取引手数料にはそれぞれ差が見られる。
許容値には投資家それぞれに差があるだろうが、投資益の最大化を徹底的に追及するのであれば、よりコストを抑えられるところを選ぶべきだ。
トラベルルールの仕様(国内取引所との相性)
トラベルルールとは、犯罪者やテロリストによる仮想通貨の悪用を防止するためにつくられた、仮想通貨取引所間における情報共有のルールだ。
このルールの弊害として、一部の仮想通貨取引所同士では、仮想通貨を相互に送金できない状況が生まれている。
そのため海外取引所を探す際には、トラベルルールへの対応状況もよく調べて、見比べておきたい。
サービスのバリエーション
海外取引所の多くは、国内取引所とは比べ物にならない、多彩なサービスを取り揃えている。
またその中には、国内取引所にはないサービスもある。
具体例は以下のとおり。
海外取引所ならではのサービス
- コピートレード
- 取引ボット(自動売買)
- ローンチパッド/エアドロップ
- レバレッジトークン/ETF
- 仕組商品
- DeFiでの資産運用の仲介
また、海外取引所をよくよく見ていくと、各社でサービスのバリエーションに違いがあることがわかる。
そのため余裕があれば、現物取引以外の各社のサービスも、よく見比べておくといいだろう。
また、使いたいサービスが具体的に定まっている場合は、それが提供されているかどうかをあらかじめ確認しておこう。
客観的な評価スコア
海外取引所で何をしたいか定まっていない場合は、メディアによる客観的な評価スコアをもとに、利用先を選ぶのも1つの手だ。
例えばデータアグリゲーターの「CoinMarketCap」では、10点満点で、世界中の仮想通貨取引所のスコア付けがなされている。
日本人が利用できない海外取引所も含まれているが、興味がある方はぜひ、CoinMarketCapを覗いてみるとよいだろう。
CoinMarketCap:仮想通貨取引所ランキング
海外取引所に関するよくある質問
それでは最後に、海外取引所に関してよくある質問を3つ紹介しておく。
よくある質問
- 2社以上の併用は可能ですか?
- 年齢制限はありますか?
- 海外取引所を使った場合の税金はどうなりますか?
2社以上の併用は可能ですか?
海外取引所は、2社以上を同時に使うこともできる。
また海外取引所の口座は無料でつくることができ、維持コストもかからない。
そのためどこを使うべきか迷った場合は、とりあえず気になる海外取引所の口座を複数開設し、実際に使ってみてから利用先を決めるのも1つの手だ。
年齢制限はありますか?
大半の海外取引所は、国内取引所と同じように年齢制限が設定されている。
気になる海外取引所があれば、事前に利用規約をチェックしておくとよいだろう。
![Bybitの利用規約](https://crypto-marker.net/wp-content/uploads/2024/01/bybit-seigen-1024x274.png)
海外取引所を使った場合の税金はどうなりますか?
海外取引所を利用したとしても、日本居住者に対しては、日本の税制に従って税金の支払いが課される。
海外の税制で課税されたり、日本と海外で重複して課税されたりすることはない。
日本人でも使える海外取引所まとめ
今回は、日本人の利用を受け入れている海外取引所の中からおすすめ5社をピックアップして紹介した。
この記事のまとめ
海外取引所は基本的にいずれも、豊富な銘柄をリーズナブルな手数料で取引できるようになっている。
しかし今回紹介したように、それぞれ取扱銘柄数やサービスの内容などに少しずつ違いがある。
そうした違いをよく確認し、自分に合ったところを見つけられたら、ぜひ口座をつくり、実際に取引をするところまでチャレンジしてみてほしい。
ちなみに今回取り上げた5社の中でも、特にサービスのバランスが良いのはBybitだろう。
まだ口座をお持ちでない方は、ぜひこの機会にBybitの利用を検討してみてほしい。