昨今のブロックチェーン業界では、異なるブロックチェーン同士による相互運用が進んでおり、DApps(分散型アプリ)のユーザー側にも時折、仮想通貨をブリッジすることが求められる。
そんな時に重宝するのが、40種類ものブロックチェーンをサポートしているブリッジサービス「cBridge(シーブリッジ)」だ。
ブリッジとは?
仮想通貨における「ブリッジ」とは、異なるブロックチェーンの間で、資産を移動させることを指す。
分散型(非中央集権型)のブリッジのサービスを使うと、仮想通貨取引所などの第三者を介することなく、手持ちの資産を移し替えることができる。
本記事ではcBridgeについて、特徴や使い方をわかりやすく解説していくので、仮想通貨のブリッジで困っている方はぜひ参考にしてもらいたい。
この記事からわかること
- cBridgeの基本情報
- cBridgeの4つの特徴
- cBridgeを利用する際の注意点
- cBridgeの使い方
ブリッジをおこなうには、元手となる仮想通貨と、ガス代(ネットワーク手数料)用の仮想通貨をそれぞれ用意する必要がある。
それらの調達先にうってつけの仮想通貨取引所は、「Coincheck」だ。
Coincheckなら、ガス代として使用されることが多いイーサリアムやMATICを含めた27種類*もの仮想通貨が揃っており、どの銘柄もわずか500円から買える。*2023年11月時点
cBridgeに限らずDEX(分散型取引所)との相性はバッチリなので、この機会にCoincheckのこともチェックしてみてほしい。
Coincheck の特長
- 500円から仮想通貨を買える
- ビットコインの取引手数料が無料*
- 裁量取引以外のサービスも充実
- NFTの取引も可能(Coincheck NFT)
- 新規NFTを優先的に買える(Coincheck INO)
*取引形式で「取引所」を選択した場合
cBridge(シーブリッジ)とは?
名称 | cBridge |
基盤のブロックチェーン | Celer Network |
サービス内容 | 仮想通貨のブリッジ NFT*のブリッジ *クロスチェーンに対応しているNFTに限る |
対応チェーンの数 | 40種類(2023年11月時点) |
サイトURL | https://cbridge.celer.network/ |
cBridge(シーブリッジ)は、仮想通貨のブリッジのサービスを提供しているクロスチェーンDEX(分散型取引所)だ。
後ほど詳しく紹介するがcBridgeは対応チェーンが非常に多く、イーサリアムチェーンやBNBチェーンをはじめとした40種類*ものブロックチェーンの間で、ブリッジをおこなうことができる。*2023年11月時点
また、仮想通貨だけでなくNFTのブリッジにも対応している。
cBridgeの特徴
cBridgeは、次のような特徴を有している。
主な特徴
- 多数のブロックチェーン間でブリッジができる
- 2種類のブリッジモデルを採用
- 流動性を提供して稼ぐこともできる
- NFTのブリッジも可能
多数のブロックチェーン間でブリッジができる
先ほども述べたようにcBridgeは、40種類もの*ブロックチェーンで、相互に仮想通貨のブリッジができる。*2023年11月時点
具体的なラインナップは以下のとおりだ。
対応チェーン
- イーサリアム
- Astar Network
- アバランチ
- Arbitrum
- Aptos
- Flow
- Oasis
- Aurora
- Moonriver
- Gnosisチェーン
- Apeチェーン
- Baseメインネット
- Conflux
- Injective
- Klaytn
- Manta Pacificメインネット
- Nervos Godwaoken
- Oasys Hub-Layer
- Polygon xkEVM
- Suiメインネット
- Scrollメインネット
- BNBチェーン
- Polygon PoS
- OPメインネット
- Fantom
- Metisメインネット
- Evmos
- Moonbeam
- Boba Network
- Antimatter B2
- Aura Mainnet
- Canto
- Filecoin
- Kava EVM Co-Chain
- Linea Mainnet
- Milkomeda C1
- Oasis Sapphire
- PlatON
- Shiden
- zkSync Era Mainnet
2種類のブリッジモデルを採用
cBridgeは、「xAsset」と「xLiquidity」という、2種類の代替可能なブリッジモデルを採用している。
まず「xAsset」では、ユーザーがチェーンAからチェーンBに仮想通貨をブリッジしようとすると、元の仮想通貨はチェーンA側でロックされる。
そして別途、チェーンBで使える仮想通貨が元の仮想通貨に対して 1:1 の固定比率で鋳造され、ユーザーに送信される仕組みになっている。
一方で「xLiquiditiy」は、Liquiditiy(流動性)の名のとおり、”流動性プール”を使う。
流動性プールとは、仮想通貨のスワップ(交換)やブリッジに必要な資産を確保する仕組みのことで、大半のDEX(分散型取引所)で採用されている。
cBridgeの「xLiquiditiy」においても、あらかじめユーザー同士でさまざまな仮想通貨をプールしておき、そのプールを用いて仮想通貨のブリッジがおこなわれている。
流動性を提供して稼ぐこともできる
前述のとおりcBridgeでは、xLiquidityのブリッジのために、流動性プールが設けられている。
流動性プールへの資産の預け入れ(流動性の提供)はだれでもおこなうことができ、投資家は流動性提供の見返りとして、インセンティブを得ることができる。
ちなみに流動性提供の利回りは、銘柄ごと、かつ基盤となっているブロックチェーンごとで異なる。
NFTのブリッジも可能
cBridgeは、仮想通貨だけでなく、NFTをブリッジするサービスも提供している。
ただしNFTの場合、ブリッジが可能なのはNFT側の仕様としてブリッジに対応しているもののみであり、すべてのNFTをブリッジできるわけではない。
cBridge利用時の注意点
さてcBridgeを利用する際には、以下のポイントに注意しておく必要がある。
注意すべきポイント
- 利用手数料とは別にガス代がかかる
- ブリッジ完了までに時間がかかる
- すべてのブロックチェーンを網羅しているわけではない
利用手数料とは別にガス代がかかる
cBridgeでは、利用手数料とは別に、ガス代の支払いを必要とする。
また、利用手数料はブリッジする通貨で支払うが、ガス代はブリッジ元のブロックチェーンのネイティブトークンで支払わなければならない。
例えば、イーサリアムチェーンを基盤としたテザー(USDT)をブリッジする場合、cBridgeへの手数料はテザーで払うが、ガス代は別途イーサリアムで払う形になるということだ。
こうした仕組みがあるのでcBridgeを利用する際には、ブリッジしたい通貨だけでなく、ガス代用の仮想通貨を用意することも忘れないようにしよう。
ブリッジ完了までに時間がかかる
cBridgeでは、ブリッジが完了するまでに5~20分かかるとされている。
また、ネットワークが混雑している場合はこの限りではなく、場合によっては数時間を要することもあるようだ。
そのため、もしもなかなかブリッジが完了しなくても、まずは焦らずに様子を見るべきだろう。
すべてのブロックチェーンを網羅しているわけではない
cBridgeは、40種類ものブロックチェーンに対応している便利なプラットフォームだ。
だが言うまでもなく、cBridgeでブリッジできないブロックチェーンや仮想通貨もある。
例えば、cBridgeでビットコインをブリッジすることはできない。
ビットコインのように、もしも自身がブリッジしたいと思っている銘柄がcBridgeのサポート外だった場合は、他のプラットフォームを探す必要がある。
cBridgeの使い方
それではここで、cBridgeの使い方を紹介しておこう。
cBridgeの使い方
- ブリッジしたい仮想通貨を用意する
- ウォレットを用意する
- ウォレットとcBridgeをつなぐ
- 銘柄などを指定してブリッジを実行する
ブリッジしたい仮想通貨を用意する
まずは、ブリッジしたい仮想通貨を用意しよう。
また、前述のとおりcBridgeを利用する際には、手数料だけでなく、ブリッジ元のブロックチェーンでのガス代もかかる。
ブリッジしたい仮想通貨と、ブリッジ元のブロックチェーンのネイティブトークンが異なる場合は、別途そのネイティブトークンも用意しておこう。
ウォレットを用意する
DEXであるcBridgeは、ウェブウォレットを接続することで利用可能な状態になる。
そこで次は、ウェブウォレットを用意しよう。
なおウォレットは、ブリッジ元とブリッジ先のブロックチェーン、双方に対応しているものでなければならない。
またウォレットを用意できたら、そのウォレットに、ブリッジしたい仮想通貨とガス代用の仮想通貨を送金しておこう。
ウォレットとcBridgeをつなぐ
仮想通貨とウォレットが揃ったら、cBridgeのサイトにアクセスし、「Connect Wallet」をクリックしよう。
ウォレットの選択肢が表示されるので、自身が利用しているウォレットを選択する。
するとウォレットが起動し、接続許可を求められるので、その要求に応じれば接続手続きは完了だ。
銘柄などを指定する
次はcBridgeで、以下の項目をそれぞれ指定しよう。
設定する項目
- ブリッジ元のブロックチェーン
- ブリッジ先のブロックチェーン
- ブリッジしたい銘柄
- ブリッジしたい数量
また上記の項目を設定すると、ブリッジのレートと手数料、ブリッジに要する時間がそれぞれ算出されるので、よく確認しておこう。
許容スリッページを設定する
ブリッジをおこなう際には、いくらかのスリッページ(注文レートとブリッジ成立時のレートの差のこと)が発生する。
cBridgeでは、このスリッページの許容値をあらかじめ調整しておくことができる。
スリッページが設定した許容値をオーバーし、ユーザーに不利にはたらく場合には、ブリッジは実行されない。
ロスが大きくなろうともブリッジの成立を優先する場合は、スリッページ許容値を広めに、逆にブリッジが失敗することがあってもロスを抑えたい場合は、スリッページ許容値を小さめに設定しておこう。
ブリッジを実行する
ひととおりの設定と確認を終えたら、「Transfer(移行)」のボタンをクリックしよう。
するとウォレットが起動し、ブリッジの内容とガス代の確認を求められる。
内容に問題がなければ、トランザクションを承認し、ブリッジを実行しよう。
cBridgeに関するよくある質問
最後に、cBridgeに関してよくある質問を3つ紹介する。
よくある質問
- cBridgeの基盤のブロックチェーンは何ですか?
- cBridgeは安全ですか?
- cBridgeでのブリッジが、MetaMaskに反映されないのはなぜですか?
cBridgeの基盤のブロックチェーンは何ですか?
cBridgeは、Celer Network(セーラーネットワーク)をベースにつくられたDEXだ。
そのため、「Celer cBridge」と表記されることもある。
Celer Networkは、イーサリアムチェーンのレイヤー2ブロックチェーンの1種であり、異なるブロックチェーン同士における相互運用の実現を目的として開発された。
cBridgeは安全ですか?
cBridgeは、Celer Networkのコンセンサスアルゴリズム(トランザクションを検証する仕組みのこと)によって保護されている。
またcBridgeのスマートコントラクトは、CertiKなどの外部機関からの監査をとおして、一定の安全性が担保されている。
cBridgeでのブリッジがウォレットに反映されないのはなぜですか?
cBridgeでのブリッジが完了しても、ブリッジ先のブロックチェーンにおける仮想通貨の情報(コントラクトアドレス)がウォレット側に認識されていないと、ウォレットにブリッジ後の仮想通貨は反映されない。
ウォレットへのコントラクトアドレスの追加方法は、以下の記事で解説しているので、参考にしてみてほしい。
cBridge(cブリッジ)とは?まとめ
今回は、ブリッジのサービスを提供しているDEX「cBridge」について、特徴や使い方を解説した。
この記事のまとめ
- cBridgeでは、40種類ものブロックチェーンで仮想通貨のブリッジができる
- ブリッジの方法は、「xAsset」と「xLiquidity」の2種類を採用
- cBridgeに流動性を提供し、インセンティブを得ることもできる
- NFTのブリッジにも対応している
cBridgeでは、イーサリアムチェーンやBNBチェーンをはじめとして、40種類ものブロックチェーンで仮想通貨をブリッジすることができる。
他のDEXと同じく、ウォレットを接続するだけで使えるので、興味がある方は実際に使い勝手を試してみてはいかがだろうか。
余談になるがCoincheckでは、ガス代として使用されることが多いイーサリアムやMATICを含めた27種類*もの仮想通貨が揃っており、cBridgeとの相性もばっちりだ。*2023年11月時点
cBridgeに関心があるなら、ぜひCoincheckのことも合わせてチェックしてみてほしい。
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