大手IT企業の一角であるMeta社(旧Facebook社)は、過去にブロックチェーンの開発を手がけていたものの、各国金融当局の反発に遭い、途中で開発を断念した過去を持つ。
しかし、Meta社でブロックチェーン開発に携わっていたエンジニアたちはそこで投げ出さず、Meta社を離れていくつかの新たなプロジェクトを立ち上げた。
今回紹介するのはそんなプロジェクトの1つ、「Aptos(アプトス)」だ。
この記事ではAptosとそのネイティブトークンである「Aptosコイン(APT)」について、主な特徴やこれまでの値動き、将来性などを解説していく。
この記事からわかること
- AptosとAptosコインの主な特徴
- Aptosコインのこれまでの値動き
- AptosとAptosコインの将来性
- Aptosコインの価格予想
- Aptosコインを買える仮想通貨取引所
AptosのネイティブトークンであるAptosコイン(APT)は、残念ながら国内取引所の取り扱いがない。
購入の際は海外取引所を使うこととなるが、Bybitなら、口座開設を申し込んだその日にAptosコインの取引を始められる。
まだ口座をお持ちでないなら、ぜひBybit公式サイトをチェックしてみてほしい。
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- デリバティブ取引の種類が豊富
目次
Aptos(APT/アプトス)とは?
名称 | Aptosコイン |
ティッカーシンボル・通貨単位 | APT |
ローンチ時期 | 2022年10月 |
価格* | 8.96ドル/APT |
時価総額ランキング* | 31位 |
サイトURL | https://aptoslabs.com |
Aptos(アプトス)は、2022年10月にメインネットがローンチされた、比較的新しいL1(レイヤー1)ブロックチェーンだ。
イーサリアムチェーンやSolanaチェーンと同様に、DAppsやNFTの開発基盤となっている。
ネイティブトークンは「Aptosコイン(APT)」で、これまたイーサリアム(ETH)などと同様に、DApps内での決済やネットワーク手数料(ガス代)の支払い、ステーキング報酬の支払いなどに用いられている。
なお、Aptosコインは残念ながら、今のところは国内での取り扱いがない。
そのため購入するには例えばBybitのように、Aptosコインを取り扱っていて、かつ日本人投資家を受け入れている海外取引所を利用する必要がある。
Aptos(APT/アプトス)の特徴
さて、L1ブロックチェーンのAptosとそのネイティブトークンであるAptosコインは、主に次のような特徴を有している。
主な特徴
- Diem系L1チェーンの1つ
- トランザクションの並列処理が可能
- プログラミング言語に「Move」を採用
- 複数のコンセンサスアルゴリズムを採用
Diem系L1チェーンの1つ
Diem(ディエム)は、Meta社(旧Facebook社)がかつて開発を進めていたブロックチェーン、およびステーブルコインの名だ。
Diemは法定通貨に裏付けられたステーブルコインのローンチを目指していたのだが、世界各国の金融規制当局からたびたびの反発を受け、プロジェクトが頓挫してしまった。
しかし、Diemの開発に携わっていたエンジニアたちはそこで投げ出さず、Meta社を離れてから、Diemの特徴を受け継いだ別のプロジェクトを立ち上げた。
そうしたDiemの後継プロジェクトの1つが、Aptos(アプトス)である。
ちなみに、Diemの後継プロジェクトはAptos以外にも、「Sui(スイ)」と「Linera(リネラ)」の2種類がある。
これらの内、2024年2月時点でメインネットがローンチされているのはAptosとSuiの2つで、Lineraはローンチのスケジュールもまだ具体的に示されていない。
トランザクションの並列処理が可能
Aptosは、スケーラビリティ(≒ブロックチェーンにおけるトランザクションの処理性能)に強みを持つ。
またその強みは、トランザクションの並列処理ができることによって生じている。
従来のブロックチェーンは、トランザクションを1つずつ順番に処理する設計になっているものが多い。
一方でAptosでは、トランザクションは”それぞれ互いに関連性がないだろう”という楽観的な過程に基づき、トランザクションの並列処理がおこなわれる。
ちなみに、もし複数のトランザクションの間に関連性が発見された場合は、その関連性があったものに限り、再処理がなされる。
こうした仕組みによってAptosでは、従来型の多くのブロックチェーンよりも高速でトランザクションを処理することができ、なおかつ処理にかかる手数料(ガス代)も安く抑えることに成功している。
プログラミング言語に「Move」を採用
Aptosは、「Move」というプログラミング言語によって、セキュリティ性も優れている。
専門的な解説は省くが、Moveはリソースのコピーや紛失が起こらない設計が組み込まれており、ひいてはトークンの二重支払いや、所有権のコピーによる重複などが起こり得ない。
ちなみにMoveは、Diemの時代に開発されたプログラミング言語であり、同じDiemの後継プロジェクトであるSuiでも採用されている。
複数のコンセンサスアルゴリズムを採用
Aptosは、コンセンサスアルゴリズム(トランザクションを検証し、合意形成を図るためのアルゴリズム)に、2種類のプロトコルを採用している。
1つ目は、イーサリアムチェーンをはじめとした多くのブロックチェーンで採用されているプロトコル「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」だ。
そしてもう1つは、Diemで開発されたプロトコルをベースにした「Aptos BFT」である。
BFTは“Byzantine Fault Tolerant”の略で、日本語に訳すと“ビザンチン障害に耐性がある”となる。
ビザンチン障害とはアルゴリズムの実行中に発生し得る合意形成上の障害のことを指し、それに耐性があるということは、“ユーザーの不正行為などによって障害が発生しても、問題なく稼働し続けられる”ということを意味する。
Aptos BFTの場合、万が一ノード(ネットワーク参加者)のうち3分の1で不正行為による障害が発生しても、正常に稼働し続けられるように設計されている。
Aptos(APT/アプトス)の値動き
ここで、Aptosコイン(APT)の値動きを確認しておこう。
リアルタイムの値動き
まず、リアルタイムの値動きは以下のとおりだ。
2023年末までの値動き
次に、市場上場から2023年末までの値動きをおさらいしておこう。
Aptosコインは、2022年10月に海外市場への上場を果たした。
2023年初頭に大きく高騰したのものの、勢いが続かずにゆるやかに低迷していく。
また、しばらく低迷していたが2023年後半にようやく、復調の兆しを見せ始めている。
なお復調してきていると言っても、2023年初頭に付けた史上最高値にはまだまだ及ばない。
現状を安く買えるチャンスと見る方は、ぜひBybitをとおしてAptosコインを買ってみてはいかがだろうか。
Aptosの将来性に関わるポイント
Aptosコインへの投資を考えるなら、その将来性も分析しておきたいところだ。
ここでは、Aptosコインの今後に関わる注目ポイントを3つ、紹介していく。
今後に関わる注目ポイント
- 巨額の資金調達に成功している
- 他のDiem系チェーンと比べて先行者利益がある
- L1チェーンの競合との位置関係に要注目
巨額の資金調達に成功している
Aptosは、大手仮想通貨取引所のBinanceやベンチャーキャピタルのa16zなどから出資を受けており、その調達資金の総額は500億円を超える。
開発資金が潤沢にあることは、Aptosの今後にとって大きなプラスだと言えるだろう。
また、資金調達の情報は投資家の間にも知れ渡っており、Aptosの評価要因の1つとなっている。
他のDiem系チェーンと比べて先行者利益がある
先ほど述べたように、Diem系のL1チェーンの中でLineraは、まだメインネットのローンチにすら到達できていない。
また、Suiのメインネットのローンチは2023年5月で、こちらもAptosよりも遅い。
つまり、もっとも近しい競合となり得るDiem系L1チェーンの中で、Aptosは先行者利益を獲得していると言える。
他のブロックチェーンの傾向を見ても、先行者利益はよほどの不測の事態がない限り、Aptosを下支えし続けるだろう。
ちなみに2024年2月時点のAptosコインとSUIトークンの時価総額は、以下のとおり。
Aptosコインの時価総額が約30億ドル、SUIトークンの時価総額が約20億ドルで、約10億ドル(1,400億円)ほどリードしている。
L1チェーンの競合との位置関係に要注目
同じDiem系のL1チェーンの中で一歩先んじていると言っても、Aptosには、イーサリアムチェーンやSolanaチェーンをはじめとしてまだまだ数多くの競合が存在する。
後発のプロダクトであるAptosは現状、そうした主要な競合L1チェーンに対し、DApps(分散型アプリ)の数などあらゆる要素で劣っている。
今後それらの競合を超える魅力を打ち出し、市場シェアを奪っていくことができるのか要注目だ。
Aptos(APT/アプトス)の価格予想
海外のデータアグリゲーターには、さまざまな銘柄の価格予想を発信しているものもある。
今回は数ある中からDigitalCoinPriceをピックアップし、Aptosコインの価格予想を紹介しよう。
DigitalCoinPriceにおけるAptosコインの今後10年の価格予想は、以下のとおり。
年 | 予想最低価格 | 予想平均価格 | 予想最高価格 |
---|---|---|---|
2024 | $7.85 | $18.79 | $19.71 |
2025 | $19.27 | $22.63 | $22.95 |
2026 | $26.43 | $30.83 | $32.15 |
2027 | $34.51 | $39.64 | $41.17 |
2028 | $34.51 | $39.64 | $41.17 |
2029 | $42.51 | $46.48 | $48.99 |
2030 | $60.45 | $65.09 | $67.19 |
2031 | $87.41 | $92.82 | $93.83 |
2032 | $123.33 | $127.28 | $129.12 |
2033 | $168.18 | $173.38 | $174.62 |
参考
- 史上最高値:19.90ドル(2023年1月30日)
- 記事執筆時の価格:8.96ドル(2024年2月12日)
2024年2月中旬時点においてAptosコインは、1APTあたり9.0ドル前後で推移している。
それに対してDigitalCoinPriceは、10年後にAptosコインの価格が170ドルを超えるという見立てを示している。
非常に強気な予想ではあるが、他の仮想通貨における過去の価格動向と照らし合わせてみれば、必ずしも非現実的なものだとは言い切れない。
こうした予想も踏まえて、現状を安く買い付けられるチャンスだと考えるなら、ぜひAptosコインへの投資を検討してみるとよいだろう。
Aptos(APT/アプトス)を購入できる仮想通貨取引所
冒頭に述べたように、Aptosコインは残念ながら、今のところは国内での取り扱いがない。
そのため購入するには、
- Aptosコインの取り扱いがある
- 日本人の利用を受け入れている
この2つの条件をクリアする海外取引所で、口座を持たなければならない。
具体的には、例えば以下のような海外取引所がその条件を満たしている。
なお、これらの中でもイチオシは「Bybit(バイビット)」だ。
取扱銘柄数* | 1,000種類以上 |
取引手数料 | 現物取引* ⇒ Maker 0.10%、Taker0.10% 先物取引* ⇒ Maker 0.01%、Taker0.06% *割引プログラムあり |
仮想通貨の出金手数料 | 銘柄ごとで異なる |
主要なサービス | 現物取引(取引所) ワンクリック購入 マージン取引 取引ボット コピートレード ステーキング レンディング |
日本語表記 | 〇 |
公式サイト | Bybit公式サイト |
Bybitの特長
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Bybitでは、ユーザー同士で取引をおこなう板取引を使い、取引コストを抑えつつAptosコインを購入することができる。
また日本語表記に対応しているので、英語が不得手でも直感的に使える。
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ちなみにBybitのより詳しい特徴や口コミ、口座開設の方法などは、以下の記事で別途紹介している。
Bybitに興味があるなら、ぜひそちらも参考にしてみてもらいたい。
Aptos(APT/アプトス)に関するよくある質問
最後に、Aptosに関してよくある質問を3つ紹介しておく。
よくある質問
- Aptosコインのステーキングは可能ですか?
- AptosでMetaMaskは使えますか?
- Aptosの主要なDappsは何ですか?
Aptosコインのステーキングは可能ですか?
特徴として述べたように、Aptosはコンセンサスアルゴリズムの1つにPoSを採用していることから、ステーキングが可能だ。
また2023年4月には、ステーキングの権利を委任する機能も追加された。
バリデーター(トランザクションの検証・承認者)に対し、自身のステーキングの権利を委任すれば、自身が保有するAptosが少量であったとしても、委任先のバリデーターからステーキング報酬の分配を受けられる。
なおステーキングの権利の委任は、ステーキング用のプラットフォーム「Nodes Guru」などからおこなうことができる。
AptosでMetaMaskは使えますか?
MetaMaskはイーサリアムチェーン、およびそのレイヤー2チェーンの各種トークンに対応したウォレットだ。
Aptosの規格には対応していないため、残念ながらAptosでMetaMaskを使用することは現状できない。
AptosのDAppsなどを利用する際には、別途Aptosに対応したウォレット(Petraなど)を用意する必要がある。
Aptosの主要なDAppsは何ですか?
Aptosは誕生から日が浅いL1ブロックチェーンだが、すでにいくつものDAppsが稼働している。
各カテゴリーでの主要なDAppsは以下のとおりだ。
Aptosの主要なDApps
- DEX:Liquid Swap(リキッド・スワップ)
- NFTマーケットプレイス:Topaz(トパーズ)
- ウォレット:Martian(マーシアン)
Aptosに興味がある方は、これらのDAppsも覗いてみるとよいだろう。
Aptos(APT/アプトス)とは?まとめ
今回はL1ブロックチェーンのAptosと、そのネイティブトークンであるAptosコインについて、主な特徴やこれまでの値動き、将来性などを紹介した。
この記事のまとめ
- Aptosは、Meta社が開発を手がけた「Diem」の特徴を引き継ぐL1ブロックチェーン
- トランザクションの並列処理が可能であり、高速かつ低コストで利用できる
- PoSとAptos BFTという2種類のコンセンサスアルゴリズムを採用
- Diem系L1チェーンの中でAptosのローンチがもっとも早く、先行者利益を持つ
Aptosは、Meta社が開発を手がけていたDiemの系譜に連なる、L1ブロックチェーンの1つだ。
Diem系L1ブロックチェーンの中で、もっとも早くメインネットがローンチされており、先行者利益を有している。
また2024年2月時点でAptosコインは、多くの有望株を押しのけて、時価総額ランキングで30位台と上位につけている。
したがってAptosは、Diem系以外のL1ブロックチェーンと見比べても、投資家から相応の高い期待を持たれていると言えるだろう。
この記事をとおしてAptosに興味を持ったなら、先ほど取り上げたBybitなどの海外取引所を使い、実際にAptosコインへの投資にチャレンジしてみてはいかがだろうか。