2024年3月末、国内取引所の1つであるBitTradeに新しく「SXPコイン」が上場した。
またSXPコインはそれが国内市場への初上場であり、同銘柄がどういったものなのかと気になっている方も多くいることだろう。
そこで今回は、そのSXPコインと発行基盤であるL1チェーン「Solar」について、主な特徴や将来性などを解説していく。
この記事からわかること
- Solar/SXPコインの基本情報
- Solar/SXPコインの5つの特徴
- SXPコインの値動き
- Solar/SXPコインの現状と将来性
- SXPコインを買える仮想通貨取引所
2024年4月時点でSXPコインの取り扱いがあるのは、国内だとBitTradeだけだ。
無料で口座をつくれるので、まだ使ったことがない方は、この機会にBitTradeの口座をつくっておこう。
BitTradeの特長
- 取扱銘柄数が国内トップクラス
- わずか2円から取引を始められる
- 現物取引(取引所)の取引手数料が無料
- レンディングによる資産運用も可能
目次
Solar/SXPコインとは?
名称 | SXPコイン |
シンボル・通貨単位 | SXP |
ローンチ時期 | 2019年 |
サイトURL | https://solar.org/ |
Solar(ソーラー)は、イーサリアムチェーンのようにDApps(分散型アプリ)の開発基盤となっているパブリックブロックチェーンだ。
また、開発プラットフォームとしてだけでなく、フィンテック*の分野でも活躍している。*金融分野にITの技術を組み合わせた事業領域のこと
ネイティブトークンは「SXPコイン」といい、エコシステム内での各種決済やステーキングなどに用いられている。
またSXPコインは、2024年3月にBitTradeから、国内市場への初上場を果たしている。
Solar/SXPコインの特徴
さてSolarおよびSXPコインは、次のような特徴を有している。
主な特徴
- DAppsを開発できるL1チェーン
- フィンテック分野のサービスも展開
- SXPが複数のユーティリティを持つ
- コンセンサスアルゴリズムはDPoS
- 価値をコントロールする仕組みがある
DAppsを開発できるL1チェーン
Solarは、イーサリアムチェーンやSolanaチェーンのように、DAppsの開発基盤となっているレイヤー1(L1)ブロックチェーンだ。
エンジニアは専用のSDK(ソフトウェア開発キット)を使うことで、Solarを利用したDAppsをつくることができる。
また、DAppsのジャンルは限定されておらず、NFTゲームやDeFi(分散型金融プロトコル)など多種多様なアプリの構築が可能だ。
フィンテック分野のサービスも展開
Solarは単なる開発プラットフォームではなく、フィンテック分野でのサービスの展開も独自におこなっている。
またそのフィンテック分野のサービスには、別途「Solar Network」という名前が付けられている。
Solar Networkは、仮想通貨と既存の金融(銀行)のシームレスな統合の実現を目指しており、その目的にために以下のようなプロダクト開発を進めている。
Solar Networkのプロダクト
- Solarカード:仮想通貨で決済できるデビットカード
- Solarバンキング*:従来の金融と仮想通貨による金融を融合したサービス
- Solar POS*:法定通貨と仮想通貨の両方に対応したPOS(販売管理)システム
*2024年中にローンチ予定
なお2024年4月時点でローンチされているのは、上記の3つのプロダクトの内でSolarカードのみであり、またそれもまだベータ版の状態だ。
Solarカードの正規版は、公式サイトにて「近日公開」と記されている。
またSolarバンキングとSolar POSは、2024年中にローンチされる予定だ。
SXPが複数のユーティリティを持つ
ネイティブトークンであるSXPコインは、エコシステムの中でさまざまなユーティリティを付与されている。
具体的には以下のとおり。
主なユーティリティ
- ネットワーク手数料の支払い手段
- DApps内での決済手段
- 独自トークンやNFTの発行コスト
- ステーキング
- ガバナンスへの参加権
コンセンサスアルゴリズムはDPoS
Solarは、コンセンサスアルゴリズム(取引を検証し、記録するための仕組み)に、「DPoS(デリゲート・プルーフ・オブ・ステーク)」を採用している。
DPoSでは、ネットワークの参加者が投票(ステーキング)によって、信用できるブロック生成者(バリデーターという)を選出する。
投票でバリデーターの数が絞られるため、他のコンセンサスアルゴリズムと比べてDPoSは、トランザクションの処理効率が優れている。
価値をコントロールする仕組みがある
SXPコインには、発行上限が設けられていない。
またステーキング報酬などによって、常に新規発行がなされている。
ただ、ひたすら数量が増えるだけでは、供給過多となって通貨価値が下がっていってしまう。
そこでSXPコインは、常時発行される一方で、ネットワーク上で支払われた取引手数料の90%をバーン(焼却)することにより、需要と供給のバランスを保っている。
バーン(焼却)とは?
対象となる仮想通貨の一部を、永久に流通から取り除く行為のこと。
SXPコインの値動き
ここで、SXPコインの値動きを確認しておこう。
リアルタイムの値動き
まず、リアルタイムの値動きは以下のチャートのとおりだ。
2023年末までの値動き
次にSXP/USDチャートで、SXPコインが市場に上場した2019年8月から、2023年末までの値動きを振り返っていこう。
2019年8月に市場に上場したSXPコインは、2020年から2021年の前半にかけて、乱高下しつつも幾度もの高値更新を見せていた。
特に2021年のいわゆる「コロナバブル」の下で、大きく高騰している。
ところがバブルが崩壊すると瞬く間に暴落していき、2022年の中頃には、2019年の市場上場時と変わらない価格水準まで値下がりしてしまった。
2022年中頃から2023年末まで、市場上場時の価格から見て、マイナス圏に沈むことは何とか避けられているようだ。
だが、一方で2020~2021年頃と比べると、最近は値動きそのものが大幅に小さくなってしまっている。
将来性に関わる注目ポイント
続いて以下の2つの要素から、SolarおよびSXPコインの将来性を考察していこう。
今後に関わる注目要素
- 競合チェーンに押され気味
- 活況な市場の波に乗れていない
- フィンテック分野のサービスの展開に要注目
競合チェーンに押され気味
Solarのようなプラットフォーム系のブロックチェーンは、
などなど、数多くの種類がある。
また、より優れた性能を持つ新しいブロックチェーンも、次々に開発されている。
そうした競合ひしめく中でSolarは、年々少しずつ存在感が薄れてきている。
何らかの優位性を打ち出せなければ、将来的に自然淘汰されてしまう可能性も十分にあるだろう。
活況な市場の波に乗れていない
先ほど紹介したようにSXPコインは、コロナバブルの崩壊以降、長らく思わしくない値動きが続いている。
一方で仮想通貨市場全体の動向を見てみると、実は2023年後半から非常に活況となっている。
次のチャートは市場全体の時価総額の推移を表しているのだが、2024年4月時点でその金額は、コロナバブル時に付けた高値に迫りつつある。
このような活況な市場の中でSXPコインの価格が上がっていないということは、コロナバブルの頃と違い、同銘柄に投資家の関心があまり集まっていないことを意味する。
また、今後Solarが投資家の関心を呼び込める魅力を創出できなければ、状況は時を経るごとに悪化していくはずだ。
フィンテック分野のサービスの展開に要注目
正直なところSolarは、開発プラットフォームとして強力な先行者利益を持つブロックチェーン(イーサリアムチェーンなど)や、高性能な新興チェーンとまともに戦えそうにない。
そこで頼みの綱となるのが、先ほど取り上げたフィンテック分野のサービス「Solar Network」だろう。
Solar Networkでローンチされるサービスが一定の実需を獲得できれば、Solarは生き残っていけるかもしれない。
ただ、Solar Networkが目指す「仮想通貨と従来の金融の統合」は、私達の実生活に仮想通貨が浸透していないことからもわかるように、今のところは実現および普及が非常に難しい状況にある。
サービスをローンチしたとして、必ずしも成功するとは限らないので、その点は留意しておかなればならないだろう。
SXPコインを買える仮想通貨取引所
記事執筆時点(2024年4月)でSXPコインの取り扱いがあるのは、国内だとBitTradeの1社だけだ。
取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) レバレッジ取引(販売所) |
取扱銘柄* | ADA、APT、ASTR、ATOM、AXS、BAT、BCH、BNB、BOBA、BSV、BTC、COT、DAI、DEP、DOGE、DOT、ETH、ETC、EOS、FLR、LTC、LSK、MATIC、MKR、MONA、ONT、XRP、XEM、XLM、TRX、QTUM、XYM、IOST、JMY、XTZ、PLT、SHIB、SAND、SUI、SXP、SOL、TON 【全42種類】 |
取引コスト (BTC/JPYの場合) | 現物取引(販売所) ⇒ 無料、スプレッドあり 現物取引(取引所) ⇒ 無料 レバレッジ取引(販売所) ⇒ 無料、スプレッドあり |
仮想通貨の入出金手数料 | 入金:無料、ガス代は自己負担 出金:銘柄ごとで異なる |
その他サービス | 貸暗号資産 積立暗号資産 |
BitTradeの特長
- 取扱銘柄数が国内トップクラス
- わずか2円から取引を始められる
- 現物取引(取引所)の取引手数料が無料
- レンディングによる資産運用も可能
SXPコインは、2024年3月26日にBitTradeから、国内市場への初上場を果たした。
BitTradeの現物取引では、「販売所」と「取引所」の2種類の取引形式があるのだが、今のところSXPコインは「販売所」のみでの取り扱いとなっている。
また現物取引以外だと、自動積立やレンディングでも、SXPコインを運用することができる。
まだ使ったことがない方は、ぜひこの機会にBitTrade公式サイトをチェックしてみてほしい。
Solar/SXPコインに関するQ&A
最後に、SolarおよびSXPコインに関してよくある質問を3つ、紹介しておく。
よくある質問
- SXPコインを管理できるウォレットを教えてください。
- Solarのロードマップはありますか?
- SolarのSNSはありますか?
SXPコインを管理できるウォレットを教えてください。
SXPコインは、ファーストパーティのウォレットである「Solarウォレット」で管理することができる。
Solarウォレットは、デスクトップアプリ版とスマホアプリ版があり、どちらも無料で使える。
Solar Mobile Wallet
Dokdo無料posted withアプリーチ
Solarのロードマップはありますか?
Solarのロードマップは、同ネットワークの公式サイト内で公開されている。
興味がある方は、ぜひ一度覗いてみるといいだろう。
SolarのSNSはありますか?
Solarの主要なSNSアカウントは、以下のとおり。
最新情報をいち早く手に入れたい方は、フォロー必須だ。
- X(旧Twitter):@SolarNetwork
- Telegram:Solar Announcements
- Instagram:solarnetworkofficial
Solar/SXPコインとは?まとめ
今回は、ブロックチェーン「Solar」とそのネイティブトークン「SXPコイン」について解説した。
この記事のまとめ
- SolarはDAppsの開発基盤となっているブロックチェーン
- フィンテック分野でのサービス展開も進めている
- エコシステム内でSXPコインがさまざま役割を持っている
- 昨今の活況な市場の中で、SXPコインの値動きはあまり思わしくない
Solarは、2024年3月末にBitTradeから、国内市場への初上場を果たした。
だがさまざまなデータを見ると、昨今のSolarは競合プロダクトに対し、大きくおくれを取っているように感じられる。
そのため、筆者の率直な意見を言わせてもらうと、
BitTradeはなぜ今さらSXPコインのような、半端な立ち位置の銘柄を取り扱い始めたのか?
と、BitTradeの意図を訝しむ思いがある。
今回は筆者の主観も含めて、SXPコインに関してネガティブな情報を多く取り上げたが、一方で同銘柄の将来性に強く期待している方もいるかもしれない。
そういった方は、ぜひご自身でも投資判断のための情報を集め、よく精査した上でSXPコインへの投資にトライしてみてほしい。