今回取り上げるパレットトークン(PLT)は、NFT特化のブロックチェーン「Palette(パレット)」のネイティブトークンだ。
日本発祥の仮想通貨であり、CoincheckのIEO(仮想通貨取引所の仲介によるプレセール)で販売されたため、一時パレットトークンは大きな話題を呼んでいた。
ところが昨今の動向はあまり芳しくなく、一部では「オワコンだ」という声も上がるようになっている。
今回はそんなパレットトークンについて、特徴や値動きを紹介したのち、オワコンだと言われる理由も考察していく。
この記事からわかること
- Paletteとパレットトークンの基本情報・主な特徴
- パレットトークンのこれまでの値動き
- Paletteとパレットトークンの将来性(⇒オワコンと言われる理由)
- パレットトークンを取り扱う仮想通貨取引所
パレットトークンは、IEOを経てCoincheckへと上場した。
パレットトークンへの投資に興味がある方は、この機会にCoincheckの利用も検討してみるとよいだろう。
Coincheck の特長
- 500円から仮想通貨を買える
- ビットコインの取引手数料が無料*
- 裁量取引以外のサービスも充実
- NFTの取引も可能(Coincheck NFT)
- 新規NFTを優先的に買える(Coincheck INO)
*取引形式で「取引所」を選択した場合
目次
パレットトークン(PLT)とは?
名称 | パレットトークン |
ティッカーシンボル・通貨単位 | PLT |
ローンチ時期 | 2021年7月 |
価格* | 7.7円/PLT |
時価総額ランキング* | 5,454位 |
取り扱いのある仮想通貨取引所 | Coincheck BitTrade bitFlyer OKCoin Japan CoinTrade |
サイトURL | https://hashpalette.com |
パレットトークン(PLT、Palette Token)は、日本のブロックチェーン企業Hash Paletteが開発したブロックチェーン「Palette(パレット)」のネイティブトークンだ。
PaletteはNFTに特化したブロックチェーンプラットフォームであり、独自のNFTが発行され、流通している。
また、ネイティブトークンのパレットトークンは、PaletteでのNFTの決済やステーキングなどに用いられている。
パレットトークンは、日本初のIEO銘柄としても知られており、2021年7月にIEOを経てCoincheckへの上場を果たした。
IEOとは?
「IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)」とは、仮想通貨取引所の仲介によっておこなわれる、新しい仮想通貨のプレセールのこと。
市場に上場する前に仮想通貨を購入することができ、上場後にその仮想通貨が値上がりしてくれれば、通常の売買をおこなった場合よりも大きなリターンを得られることがある。
パレットトークン(PLT)の特徴
ブロックチェーンプラットフォームの「Palette」と、そのネイティブトークンである「パレットトークン」は、次のような特徴を有している。
主な特徴
- NFTに特化したブロックチェーン
- コンソーシアム型のプライベートチェーン
- 利用時にガス代がかからない
- 他のブロックチェーンとの相互運用が可能
- パレットトークンをステーキングできる
- IEOで販売された
NFTに特化したブロックチェーン
ブロックチェーンには例えばイーサリアムのように、DeFi(分散型金融)やゲーム、NFTマーケットプレイスなどのアプリケーションを自由に開発できる、汎用性が高いプラットフォームも存在する。
一方でPaletteは、NFTおよびエンターテイメント(NFTゲームなど)の領域に特化したブロックチェーンプラットフォームとなっている。
用途を限定したことにより、NFTからの要求スペックを高度に満たすプラットフォームを実現した。
コンソーシアム型のプライベートチェーン
「コンソーシアム」とは、複数の企業や団体から成る組織のことだ。
Paletteは、一定の条件を満たした複数の企業で構成される「パレットコンソーシアム」によって運営されている。
パレットコンソーシアムのメンバー(構成企業)は、Paletteのノード運営やブロック生成などに貢献し、ネットワークの安全性や信頼性の確保に努めている。
またPaletteは、イーサリアムのような誰でもDApps開発ができるパブリックブロックチェーンではなく、運営側に認められた企業などがDAppsを開発する「プライベートチェーン」となっている。
利用時にガス代がかからない
他の多くのブロックチェーンでは、トランザクション(取引)の内容をブロックチェーンへと記録する際に、ユーザーに対して手数料(ガス代)の支払いが求められる。
一方でPaletteは、一般ユーザーに対してガス代の支払いを求めない「ガスレス設計」がなされている。
NFTゲームを遊ぶときなどにもガス代の支払いが発生しないため、よりライト層のプレイヤーでも参入しやすい。
他のブロックチェーンとの相互運用が可能
Paletteは、イーサリアムをはじめとする複数のパブリックブロックチェーンとの相互運⽤が可能で、異なるブロックチェーンのとの間でNFTを行き来させられる。
またPaletteで発行したNFTを、イーサリアムなどをベースにしたDAppsで使用することもできる。
パレットトークンをステーキングできる
パレットトークンの保有者は、自身のステーキングの権利を「コンセンサスノード」に委任することにより、ステーキング報酬の分配を受けることができる。
なおステーキングは、Paletteの専用ウォレット「PLT ウォレット」でおこなうことができる。
ちなみに、PLTウォレットの作成方法や基本的な使い方は、別途以下の記事で解説している。
ステーキングに関心がある方はぜひ、参考にしてもらいたい。
IEOで販売された
前述のとおりパレットトークンは、日本初のIEO銘柄として、2021年7月にCoincheckで先行販売された。
IEOの実績は上々で、1枚あたり4.05円で販売されたパレットトークンは、上場初日に46.12円まで急騰、さらに2021年8月には一時、IEOでの販売価格の約24.4倍となる98.89円まで高騰した。
つまりIEOの参加者は、だれも損をすることなく、利益を得られたということだ。
パレットトークン(PLT)の値動き
さて、ここでパレットトークンの値動きを紹介しておこう。
リアルタイムの値動き
まず、対ドル(正確にはUSDT)でのリアルタイムの値動きは以下のとおりだ。
2023年末までの値動き
次に対日本円のチャートで、過去の値動きも振り返っておこう。
下のPLT/円チャートは、2021年12月から2023年末までの値動きを表している。
ごらんのとおり2021年12月以降のパレットトークンの価格は、ひたすら右肩下がりとなっている。
IEO時の販売価格(4.05円)はまだ下抜いていないものの、それも時間の問題かもしれない。
またこうした低調な値動きは、パレットトークンがオワコンだと囁かれる一因となっている。
将来性に関わる注目ポイント
続いて以下の5つの要素から、Paletteとパレットトークンの将来性を考察してみよう。
今後に関わる注目要素
- ローカルな存在で終始する公算が大きい
- コンテンツが少ない
- パレットトークンの実用性が低い
- 開発会社が赤字状態になっている
- ゲームの評判がすこぶる悪い
ローカルな存在で終始する公算が大きい
前述のとおりPaletteは、日本企業のHash Paletteが開発したプライベートチェーンだ。
そのためターゲットのマーケットも日本が中心となっているのだが、グローバルな展開をしているブロックチェーンと比べると、言わずもがな競争力に乏しい。
その競争力の違いは、ネイティブトークンの日々の取引高を見比べても明らかだ。
CoinMarketCapでパレットトークンの1日の取引高を見てみると、2023年6月時点でわずか300万円ほどしかない。
一方で、例えば同じNFT特化のブロックチェーン「WAX」のネイティブトークン「WAXトークン」の取引高はどうかというと、1日に20億円分以上も活発に取引されている。
こうした競争力の弱さから、Paletteとパレットトークンは、日本のローカルな存在で終始してしまう可能性が大いにあると言える。
コンテンツが少ない
特徴で述べたようにPaletteは、コンソーシアムによって運営されるプライベートチェーンとなっている。
NFTの開発企業などが気ままに参入できないため、ローンチから1年以上がたった現在も、Paletteはコンテンツが非常に少ない。
NFTマーケットプレイス「PLT Place」でリリースされているNFTは8タイトルしかなく、NFTゲームにいたってはわずか2種類しかない。
これでは、需要の拡大は難しいと言わざるを得ない。
リリース済みのNFTタイトル*
- エルフマスターズ
- THE LAND-エルフの森-
- CryptoNinja Party!
- LAGARt 3D AR NFT
- The Ancient Magus' Bride
- TOKYO MONGZ HILLS CLUB
- NISEKO Powder Token by東急不動産
- EN RESORT Grandeco Hotel NFT
*2024年1月時点
パレットトークンの実用性が低い
Paletteの各コンテンツは、ガスレスで利用することができる。
また、NFTマーケットプレイス「PLT Place」においてNFTは、パレットトークンで買えるだけでなく、クレジットカード決済により日本円で購入することもできる。
つまり、Paletteのコンテンツを利用する際に、必ずしもパレットトークンを用意する必要はないということだ。
ちなみに、パレットトークンは海外市場にほとんど上場していないため、投資対象としての需要も乏しい。
こうした状況では、パレットトークンの需要はなかなか増えていかないだろう。
開発会社が赤字状態になっている
Paletteの開発元であるHash Paletteは、公式サイトで業績を開示している。
まず2023年3月期の決算だが、次に示すとおり、経常利益・当期純利益ともに赤字となっている。
また翌2024年3月期(2023年4月~2024年3月)の決算についても、第3四半期報告(2023年12月末)の段階だとやはり赤字となっている。
今後もあまりに赤字が続くようなら、paletteの存続自体が危うくなっていくかもしれない。
ゲームの評判がすこぶる悪い
Paletteを運営するHash Paletteは、2022年9月にNFTゲーム「エルフマスターズ」をリリースしたが、このゲームの評判がすこぶる悪かった。
ちなみに同タイトルは、2024年4月末にサービス終了することが決まっている。
また、2024年2月に後継タイトルの「THE LAND エルフの森」がリリースされたのだが、こちらの評判も同じように思わしくない。
配信プラットフォームのGoogle PlayとAppStoreでの評価値はそれぞれ「☆2.1」と「☆2.4」となっており、どちらも散々な状況だ。
筆者も実際に少しプレイしてみたが、そもそもバグが多く、遊ぶこと自体に強いストレスを感じた。
このようにPaletteは、コンテンツが少ないだけでなく、各コンテンツのクオリティもお世辞にも良いとは言い難い。
将来性についてもあまり芳しくなく、オワコンという声が上がるのも無理からぬ状態だと言えるだろう。
パレットトークンを買える仮想通貨取引所
今からパレットトークンを購入することは、正直に言ってあまりおすすめはしないのだが、念のため購入できる仮想通貨取引所を紹介しておこう。
パレットトークンは、以下の国内5社で取り扱いがある。
PLTを扱う国内取引所
- Coincheck
- BitTrade
- bitFlyer
- OKCoin Japan
- CoinTrade
今回はその中から、「Coincheck」と「BitTrade」をピックアップして、詳しい情報を紹介する。
Coincheck
取引の種類 | 現物取引(販売所) 現物取引(取引所) |
取扱銘柄* | BTC、ETH、ETC、LSK、XRP、XEM、LTC、BCH、MONA、XLM、QTUM、BAT、IOST、ENJ、PLT、SAND、DOT、FNCT 、CHZ、LINK、MKR、DAI、MATIC、APE、AXS、IMX、WBTC、AVAX、SHIB 【全29種類】 |
取引コスト (BTC/JPYの場合) | 現物取引(販売所) ⇒ 無料、スプレッドあり 現物取引(取引所) ⇒ Maker・Takerともに無料 |
仮想通貨の入金手数料 | 無料、ガス代は自己負担 |
仮想通貨の出金手数料 (BTCの場合) | 0.0005~0.016BTC* *ガス代の変動に合わせて変動 |
その他のサービス | Coincheckつみたて(自動積立) 貸暗号資産サービス ステーキングサービス* Coincheck IEO Coincheck INO Coincheck NFT Coincheckでんき Coincheckガス *β版、一時停止中 |
Coincheck の特長
- ワンコイン(500円)から仮想通貨を購入できる
- ビットコインの取引手数料が無料*
- 裁量取引以外のサービスも充実(自動積立、レンディング他)
- 口座を持てばNFTの取引も可能(Coincheck NFT)
- 初めて販売されるNFTを優先的に買える(Coincheck INO)
*取引形式で「取引所」を選択した場合
Coincheckは、IEOでパレットトークンを販売した仮想通貨取引所だ。
現在は、ユーザー同士で取引できる「取引所」でパレットトークンを取り扱っており、ワンコイン(500円)から買うことができる。
またCoincheckにはレンディングサービスがあり、募集がかかればパレットトークンをCoincheckに貸し付けることによって、利息収入を得ることも可能だ。
BitTrade
取引の種類 | 現物取引(販売所) 現物取引(取引所) レバレッジ取引(販売所) |
取扱銘柄* | BTC、ETH、XRP、LTC、BCH、XEM、XLM、MONA、ETC、EOS、ONT、TRX、QTUM、XYM、LSK、ADA、DOT、IOST、BSV、JMY、COT、HT、XTZ、DEP、PLT、FLR、ASTR、BOBA、ATOM、DOGE、SHIB、BAT、SAND、AXS、MKR、DAI、MATIC、SXP 【全38種類】 |
取引コスト (BTC/JPYの場合) | 現物取引(販売所) ⇒ 無料、スプレッドあり 現物取引(取引所) ⇒ 無料 レバレッジ取引(販売所) ⇒ 無料、スプレッドあり |
仮想通貨の入金手数料 | 無料、ガス代は自己負担 |
仮想通貨の出金手数料 (BTCの場合) | 0.0005BTC |
その他のサービス | 貸暗号資産 積立暗号資産 |
BitTradeの特長
- 取扱銘柄数が国内トップクラス
- わずか2円から取引を始められる
- ビットコイン・イーサリアム・リップルの取引手数料が無料*
- フォビトークンを保有すると手数料の割引を受けられる
- レンディングによる資産運用も可能
*現物取引(取引所)の場合
BitTradeは、世界中でサービスを展開するHuobiグループに属している。
Coincheckと同じくBitTradeも、ユーザー同士で取引できる「取引所」でパレットトークンを取り扱っている。
取引所でのパレットトークンの取引手数料は、以下のとおりだ。
パレットトークンの取引手数料
- Maker:0.012~0.150%
- Taker:0.036~0.150%
取引手数料は変動する仕様で、日々の取引量と取引所トークンである「フォビトークン(HT)」の保有量が多いほど割引のランクが上がり、より割安な手数料で取引できるようになっている。
パレットトークンに関するQ&A
それでは最後に、パレットトークンに関してよくある質問を3つ紹介する。
よくある質問
- パレットトークンの価値はどのように決まりますか?
- PLTウォレットはスマホで使えますか?
- Paletteにロードマップはありますか?
パレットトークンの価値はどのように決まりますか?
パレットトークンの価値は、市場の需給やプラットフォームの利用状況などによって変動する。
なお、先ほど示したようにパレットトークンは今、長期的な下落トレンドを形成している。
つまり現状は、供給が需要を上回っている(≒需要が乏しい)状態だと言えるだろう。
PLTウォレットはスマホで使えますか?
PLTウォレットは、スマホやタブレットで使えるアプリであり、iOSとAndroidの両方で使用することができる。
また、PLTウォレットは無料で使える。
PLTウォレット
HashPalette Inc.無料posted withアプリーチ
Paletteにロードマップはありますか?
Paletteのロードマップは、ホワイトペーパーの中で2021年までのものが記載されている。
だが、それ以降のロードマップは公けに示されていない。
パレットトークンはオワコン?まとめ
今回は、日本発祥のプライベートチェーン「Palette」とそのネイティブトークンである「パレットトークン」について、特徴や将来性を解説した。
この記事のまとめ
- パレットトークンは、日本発祥のブロックチェーン「Palette」のネイティブトークン
- 発行元は(株)Hash Paletteで、コンソーシアムによって運営されている
- Paletteのアプリユーザーは、ガス代を支払わなくてOK
- Paletteは提供コンテンツが少なく、各コンテンツの評判もイマイチ
- 2022年以降、パレットトークンの価格は右肩下がりの状態が続いている
パレットトークンは一部で「オワコンだ」という声が上がっているが、実際に現状や将来性を考察していくと、そう言われても致し方ない部分もあるようだ。
今からの購入はあまりおすすめはしないが、Coincheckなどを使い、万馬券狙いのつもりで買ってみるのも1つの手かもしれない。
ちなみにNFTやNFTゲーム関連の銘柄に投資したいのであれば、グローバルな需要を獲得している「WAXトークン」や「MAGIC」に投資した方が、より安定したリターンを見込めるはずだ。
それぞれ以下の記事で解説しているので、興味がある方はぜひチェックしてみてほしい。