2024年3月29日、IEO(仮想通貨取引所が仲介するプレセール)を経て、国産NFTゲームに関連した仮想通貨「エルフトークン」が市場上場を果たした。
またエルフトークンは、X(旧Twitter)で一時トレンド入りするほど、投資家界隈で話題を呼んでいる。
本記事ではそんなエルフトークンについて、IEOの実績や主な特徴などを解説していく。
エルフトークンに興味を持っている方は、ぜひ最後まで目をとおしてもらいたい。
この記事からわかること
- エルフトークンの基本情報
- エルフトークンのIEO実績
- エルフトークンの主な特徴
- 購入の是非の判断材料(売上や今後の見通し)
エルフトークンを買えるのは現状、bitFlyerだけだ。
そのためエルフトークンへの投資に興味があるなら、この機会にbitFlyerの口座も用意しておこう。
bitFlyerの特長
- すべての取扱銘柄を1円から購入できる
- 流動性が高く、安定した取引が可能
- 他社にないユニークなサービスが揃っている
- Webブラウザ「Brave」と連携している
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目次
エルフトークンとは?
名称 | エルフトークン |
シンボル・通貨単位 | ELF |
ローンチ時期 | 2024年2月 |
価格* | 8.65円/ELF |
時価総額ランキング | 不明 |
公式サイト | https://theland.game/ |
上場先 | bitFlyer |
エルフトークン(ELF)は、株式会社HashPaletteが手がける国産のNFTゲーム「THE LAND エルフの森」のネイティブトークンだ。
また、同じくHashPaletteが手がけるプライベートチェーン「Palette」を基盤に発行されている。
エルフトークンは、2024年2月にbitFlyerのIEOをとおして、市場上場前に販売された。
IEOとは?
IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)とは、仮想通貨取引所の仲介によっておこなわれる新規銘柄のプレセールのこと。
新規銘柄の発行体である企業の資金調達を目的として、実施される。
また2024年3月29日に、同じくbitFlyerから市場上場を果たしている。
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IEOの実績
それでは、エルフトークンのIEOの実施概要とその結果を紹介しておこう。
まず、実施概要は以下のとおり。
IEOの実施概要
- 対象銘柄:エルフトークン
- 総発行数量:10億ELF
- 販売数量:1億ELF(全体の10%)
- 販売価格:12.50円/ELF
- 販売手数料率:8%(税込み)
- 販売方式:ランダム抽選
次に、その販売実績は以下のとおり。
IEOでの販売実績
- 実績の販売数量:1億ELF
- 販売総額:12億5,000万円
- 払込総額:13億5,000万円(販売総額+販売手数料)
IEOは非常に盛況だったようで、用意されていた1億ELFが完売した。
なおIEOの実施後は、利確のための売り注文が多数入ることによって、対象銘柄が市場に上場してすぐに値崩れを起こすケースがよく見られる。
そうした事態を軽減するためにエルフトークンでは、
- bitFlyerがIEO業務の報酬として取得するエルフトークン
- HashPort*がアドバイザリー業務の報酬として取得するエルフトークン
- 発行元のHashPaletteが保有するエルフトークン
*HashPaletteの親会社
これらの売却を部分的、かつ一時的に制限する「ロックアップ」が設定された。
エルフトークンのトークノミクス
続いて、エルフトークンのトークノミクスを確認しておこう。
まず、初期割り当ては以下のグラフのとおり。
初期割り当てでは、ゲーム(THE LAND エルフの森)のプレイヤーへのインセンティブが全体の約3割を占めている。
またプレイヤーへのインセンティブだけでなく、ステーキングや流動性提供などによっても、市場への流通量が増える仕様になっている。
ちなみに上のグラフの各項目には、短期間での過度な市場流通量の増加(≒通貨価値の急激な低下)を防ぐために、ロックアップの仕組みが設けられている。
エルフトークンの特徴
さてエルフトークンは、次のような特徴を有している。
主な特徴
- NFTゲームの基軸通貨
- ステーキングで特典を得られる
- NFTマーケットプレイスで決済に使える
- 価値をコントロールする仕組みがある
NFTゲームの基軸通貨
エルフトークンは、国産のNFTゲーム「THE LAND エルフの森(以下、THE LAND)」のネイティブトークンだ。
THE LAND エルフの森
HashPalette Inc.無料posted withアプリーチ
THE LANDは、いわゆるファーミングシミュレーションゲームであり、メタバースの中で農業や街づくりを楽しむことができる。
また、収穫した作物を売ってエルフトークンを稼げる「play to Earn」のゲームでもある。
そのTHE LANDにおいて、エルフトークンは次のようなユーティリティを付与されている。
主なユーティリティ
- ステーキング(スターシステムという)の手段
- ランド*NFTの稼働コストの支払い手段
- ゲームプレイで手に入れたNFTの換金手段
- ガバナンスへの参加権
*ゲーム内の土地のこと
ステーキングで特典を得られる
前述のとおりエルフトークンは、THE LANDにてステーキングに用いられている。
なおこのステーキングは、一般的なステーキング(ブロックチェーンのセキュリティを維持するためのステーキング)とは内容が異なる。
THE LANDでのステーキングの仕組みは「スターシステム」といい、エルフトークンをステーキングすることで、さまざまなゲーム内特典を獲得できる仕様になっている。
また、ステーキング量に基づくランキングの順位が高くなるほど、より多くの特典を得られるようになっている。
NFTマーケットプレイスで決済に使える
HashPaletteは、「PLT Place」というNFTマーケットプレイスも運営している。
PLT Placeでは、ゲームのプレイヤー同士で、THE LANDの各種NFTの売買が可能だ。
またエルフトークンは、NFTを売買する際の決済通貨の1つとして採用されている。
価値をコントロールする仕組みがある
先ほど紹介したようにエルフトークンは、市場への供給過多を防ぐための仕組みとして、ロックアップが設定されている。
またその他には、Buyback(バイバック)によっても、供給過多にならないようにコントロールされている。
Buybackとは?
THE LANDで発生した広告収益を用いて、HashPalette側が市場に流通しているエルフトークンを買い戻す行為のこと。
エルフトークンの値動き
ここで、エルフトークンのこれまでの値動きを確認しておこう。
次のチャートは、市場上場を果たした2024年3月29日から、本記事執筆時点(2024年4月4日)までの値動きを示している。
エルフトークンは2024年3月29日に、IEOでの販売価格(12.5円)とほとんど変わらない12.49円でbitFlyerに上場した。
上場から数時間で一時は13.99円まで高騰したが、すぐに下落に転じ、その後は緩やかな下落トレンドを形成している。
また下落トレンドによって、2024年4月4日時点では8円台まで下落している。
つまりIEOに参加した者のうち、13.5円(IEOでの販売価格+販売手数料)を超えていた数時間の間に利確できた者以外は皆、損失を被ったか、もしくは含み損を抱えていることなる。
エルフトークンに投資すべき?
それでは続いて、これからエルフトークンに投資すべきかを考察してみよう。
結論から言うと、エルフトークンへの投資はあまりおすすめしない。
また、その理由は以下の4つだ。
投資をおすすめしない理由
- 時価総額が小さ過ぎる
- ゲームの評判がかなり悪い
- ゲームの売上予測がイマイチ
- 運営元の業績が芳しくない
時価総額が小さ過ぎる
例えばもっともメジャーな銘柄であるビットコインの時価総額は、2024年4月時点で約200兆円に上る。
また時価総額が巨額であるため、日々の投資資金の流入・流出に対し、それほど大きな価格変動が起きないようになっている。
対してエルフトークンの時価総額はというと、アグリゲーターによるデータ追跡がなされていないため正確な数値はわからないのだが、記事執筆時点(2024年4月4日)だと多く見積もっても30億円程度だろう。
時価総額の概算
3億2,000万ELF×8.6円=27億5,200万円
- 記事執筆時の価格:8.6円
- IEOでの販売総数(≒市場流通量):1億ELF(総発行数量の10%)
- 流動性確保のための市場供給量:1億2,000万ELF(総発行数量の12%)
- その他要因の市場供給量:1億ELFと仮定(正確な数値がわからないため)
現状エルフトークンはあまりに時価総額が小さすぎるため、例えば短期的に売り圧力が強くなった際に、価格が暴落してしまう恐れがある。
もちろんその逆に暴騰する可能性もあるのだが、ギャンブル要素が強すぎるため、あまり投資をおすすめできない。
ゲームの評判がかなり悪い
繰り返しになるがエルフトークンは、NFTゲームである「THE LAND エルフの森」のネイティブトークンだ。
したがってTHE LANDの人気が、エルフトークンの実需に直結する。
ところがTHE LANDはこれまでのところ、プレイヤーからの評判がすこぶる悪い。
配信プラットフォームのGoogle PlayとAppStoreでの評価値はそれぞれ「☆2.1」と「☆2.4」となっており、どちらも散々な状況だ。
Google PlayとAppStoreには、多くの低評価レビューが書き込まれているのだが、それらを簡潔にまとめると以下のとおり。
低評価レビューのまとめ
- バグが多過ぎる
- バグのせいで、そもそもまともにゲームをプレイできない
- 操作性が悪く、ラグもある
- プレイヤーフレンドリーではない
低評価レビューの大半はバグに関するものであり、「そもそも正式リリースに値するクオリティではない」という声が多数上がっている。
また、ゲームのUIが快適にプレイできるレベルにないという意見も寄せられている。
THE LANDのこうした惨状を見ると、THE LANDのクオリティが大幅にアップしない限り、エルフトークンの実需が今後増えていくとは考えづらい。
ゲームの売上予測がイマイチ
スマホで遊べるゲームは、情報分析サイト「Game-i」にて、おおよその売上が推計されている。
記事執筆時点(2024年4月4日)におけるTHE LANDのiOSセールスランキングと、想定売上は以下のとおり。
またGame-iでは、サービスが終了したゲームの実績(ランキング・売上)が集計されており、どのくらいの順位だとサービス終了の可能性が出てくるのか予測できるようになっている。
例えば2024年3月にサービス終了したゲームの統計データは、以下のとおりだ。
一般的にサービスが終了するゲームは、時間の経過とともに人気が落ち込んでいき、終了せざるをえない状態に追い込まれてくものだ。
2024年3月にサービス終了したゲームの統計だと、サービス終了前の3か月前には、平均で300位台までセルランが落ち込んでいたとのこと。
一方で、初動の段階ですでにセルラン400位台や500位台にいるTHE LANDは、かなり厳しい状況に置かれていると言えるだろう。
ゲームのクオリティからしてTHE LANDは、開発コストやランニングコストがあまりかかっていないかもしれない。
それでも人気がなくて売上もまともに出なければ、運営を長く続けることは難しいはずだ。
運営元の業績が芳しくない
エルフトークンの発行元であるHashPaletteは、公式サイトにて業績を公開しているのだが、2023年度(2023年4月~2024年3月末)の業績は残念ながら赤字となっている。
具体的には2023年12月末時点で、赤字の額が4億円超にまで膨らんでいる。
また2024年3月末には、財務状況の立て直しのために、減資までおこなわれた。
減資とは?
減資とは、企業の資本金を減らすことを言う。
削った資本金は大抵の場合、企業の財務状況を改善するために使われる。
ゲームの売上が良ければ赤字も解消されるだろうが、先ほど紹介したように、現状のセールスランキングや推定売上を見るとかなり厳しいように感じられる。
以上、エルフトークンへの投資をおすすめしない理由を4つ紹介した。
筆者の主観的な意見としては、もしもゲームセクターの銘柄に投資したいのであれば、
といった、時価総額がそれなりにあり、プロダクトとしての実績も優れている銘柄から選んだ方がいいように思う。
エルフトークンに関するQ&A
最後に、エルフトークンに関してよくある質問を3つ紹介する。
よくある質問
- エルフトークンは海外取引所に上場していますか?
- IEOで調達した資金は、どのように使われていますか?
- エルフトークンは、PLTウォレットでのステーキングに使えますか?
エルフトークンは海外取引所に上場していますか?
2024年4月時点では、エルフトークンの取り扱いがある仮想通貨取引所は世界でbitFlyerだけだ。
またエルフトークンは、プライベートチェーンの「Palette」をベースに発行されている。
そのため今のところ、Uniswap*などのDEX(分散型取引所)での取り扱いもない。*イーサリアムチェーンなどで稼働しているDEX
IEOで調達した資金は、どのように使われていますか?
ホワイトペーパーによるとIEOで集められた資金は、以下のような用途で使われる計画となっている。
また、集めた資金のうち最大1億2,500万円分は、IEO実施前におこなわれたマーケティングやオペレーションの費用に充当されている。
エルフトークンを管理できるウォレットを教えてください。
2024年4月時点で、エルフトークンを管理できるウォレットは以下のようなものがある。
エルフトークンに対応したウォレット
- bitFlyerの取引アカウントのウォレット
- 「THE LAND エルフの森」の内蔵ウォレット
- PLTウォレット*
*HashPaletteが提供しているファーストパーティのウェブウォレット
エルフトークンとは?まとめ
今回は国産銘柄のエルフトークンについて、IEOの実績や特徴、値動きなどを解説した。
この記事のまとめ
- エルフトークンは、国産NFTゲームのネイティブトークン
- ゲーム内でステーキングやコストの支払いに使われている
- IEOにて、用意された1億枚が完売した
- 肝心のゲームの人気や売り上げがあまり思わしくない様子
エルフトークンはIEOを経て、2024年3月末にbitFlyerへと上場した。
またこれまでのところは、IEOでの販売価格よりも割安な状態で推移している。
将来性などを鑑みて、正直なところ購入はあまりおすすめしないが、割安な価格水準にあるため、万馬券と思って買ってみるのも1つの手かもしれない。
ちなみにNFTゲーム関連の銘柄に投資したいのであれば、グローバルな需要を獲得しているIMXやGALAトークンに投資した方が、より安定したリターンを見込めるはずだ。
それぞれ以下の記事で解説しているので、興味がある方はぜひチェックしてみてほしい。