今回取り上げる「eCash(イーキャッシュ)」は、2020年にビットコインキャッシュから分岐して生まれた仮想通貨だ。
また、eCashは2023年6月末に突如として高騰し、仮想通貨市場で一時、大きな注目を浴びた。
今回はそんなeCashについて、特徴やこれまでの値動き、2023年6月に高騰した理由や将来性など、事細かに解説していく。
この記事からわかること
- eCashの基本情報と主な特徴
- eCashのこれまでの値動き
- 2023年6月末に起きたeCashの急騰の理由
- eCashの将来性
- eCashの価格予想
- eCashの取り扱いがある仮想通貨取引所
eCashは残念ながら国内市場へは上場しておらず、購入するには海外取引所を利用する必要がある。
eCashの取り扱いがあり、なおかつ日本人でも使える海外取引所はいくつかあるが、その中でもおすすめは「MEXC(エムイーエックスシー)」だ。
MEXCは1,500種類以上の仮想通貨を取り揃えており、その品揃えの良さは業界屈指だ。
また、多言語に対応していて日本語表記でも使えるため、日本人投資家にもやさしい。
気になる方はぜひ、この機会にMEXC公式サイトをチェックしてみてほしい。
MEXCの特長
- 国内取引所と比べて取扱銘柄数がケタ違い(1,700種以上)
- 取引手数料がリーズナブル
- 日本語表記に完全対応
- 新規登録時に本人確認書類が不要
目次
eCash(XEC/イーキャッシュ)とは?
名称 | eCash(イーキャッシュ) |
ティッカーシンボル・通貨単位 | XEC |
ローンチ時期 | 2020年11月 (2021年にBCHAからリブランディングされた) |
価格* | 0.000036ドル/XEC |
時価総額ランキング* | 62位 |
サイトURL | https://e.cash |
eCash(イーキャッシュ)は、2020年11月にビットコインキャッシュのハードフォークによって生まれた仮想通貨だ。
ハードフォークとは?
ブロックチェーンの「ハードフォーク」とは、ブロックチェーンのルールやプロトコルを変更することにより、ブロックチェーンが分岐する現象のことだ。
ハードフォークは、ブロックチェーンのコミュニティ内で意見が分かれたり、技術的な問題が発生したりした場合などに発生する。
またハードフォークによって、元のブロックチェーンと互換性のない新しいブロックチェーンおよび仮想通貨が誕生することがある。
また、元々はビットコインキャッシュABC(BCHA)と呼ばれていたが、2021年に現在のeCash(ティッカーシンボルはXEC)へとリブランディングされた。
eCashはトランザクションの処理スピードが速く、その性能を活かし、決済手段としての普及を目指している。
なお今のところ国内での取り扱いがなく、eCashを購入したい場合は、MEXCやBybitなどの海外取引所を利用する必要がある。
eCash(XEC)の特徴
eCashは、主に次のような特徴を有している。
主な特徴
- ビットコインキャッシュのハードフォークで生まれた
- アバランチ・コンセンサスを採用
- ステーキングができる
- だれでも独自トークンの発行が可能
ビットコインキャッシュのハードフォークで生まれた
前述のとおりeCash(旧ビットコインキャッシュABC)は、2020年11月にビットコインキャッシュのハードフォークによって誕生した。
当時、ビットコインキャッシュの主要な開発コミュニティであった「ビットコインキャッシュABC」は、マイニング報酬の8%を開発資金として徴収するという「マイナー税」の導入を提案していた。
しかし、この提案はマイナーからの支持を得られずにコミュニティの分裂を招き、ハードフォークによってビットコインキャッシュは「ビットコインキャッシュABC(BCHA)」と「ビットコインキャッシュノード(BCHN)」へと分岐する。
その後はビットコインキャッシュノードの方が支持を集め、ビットコインキャッシュの地位を引き続くこととなった。
一方でビットコインキャッシュABCは、ハードフォークの翌年に“ビットコインキャッシュ”の名を冠することをやめ、現在の「eCash」へとリブランディングされた。
アバランチ・コンセンサスを採用
ビットコインキャッシュと違ってeCashは、コンセンサスアルゴリズム(トランザクションを検証し、合意形成を図る仕組み)に「アバランチ・コンセンサス」を採用している。
アバランチ・コンセンサスは、ネットワーク内のノード(ネットワークを構成するコンピュータ)がランダムに他のノードと通信し、投票をおこなうことで、グローバルな合意を高速かつ効率的に達成することができる。
従来のコンセンサスアルゴリズム(プルーフ・オブ・ワークやプルーフ・オブ・ステーク)と比べてアバランチ・コンセンサスは、よりスケーラブルで、かつ安全性に優れている。
また、アバランチ・コンセンサスの採用によりeCashは、ビットコインキャッシュと違ってアップデートなどの際に、ハードフォークを必要としなくなった。
ステーキングができる
アバランチ・コンセンサスを採用しているeCashでは、ステーキングによるマネタイズが可能だ。
eCashの保有者は、その保有量に応じたステーキング報酬を獲得することができる。
なお、ステーキングについては別途以下の記事で詳しく解説しているので、ステーキングそのものがよく分からないという方は、そちらをまず参照してもらいたい。
だれでも独自トークンの発行が可能
eCash のブロックチェーンでは、「eToken」という機能を使い、だれでも独自のトークンの新規発行をおこなうことができる。
eTokenでは、通貨の名称やアイコン、供給量や小数点以下の桁数などを自由に決められる。
また、eTokenで発行された独自トークンは言わずもがな、eCashのブロックチェーンにおける高速・低コストでのトランザクションを享受できるようになっている。
eCash(XEC)の値動き
ここで、eCashのこれまでの値動きを確認しておこう。
2023年の値動き
まずはXEC/USDチャートで、2023年に入ってから本記事執筆時点(2023年7月)までの値動きをチェックしていこう。
冒頭に述べたようにeCashは、2023年6月末に大きく高騰している。
また、この高騰の主要因は、分岐元であるビットコインキャッシュにあると見られている。
ビットコインキャッシュは、大手金融機関の支援の元、6月20日に運営が開始された新設の仮想通貨取引所「EDX Markets」が扱う、最初の4つの仮想通貨の1つに選定された。
すると、その出来事が投資家に好感されることとなり、特に韓国の仮想通貨市場でビットコインキャッシュに対する熱狂を招いた。
またこうした一連の動きから、ビットコインキャッシュから分岐したeCashにも注目が集まり、チャートで示したような急騰につながった。
2022年末までの値動き
次に、2021年7月から2022年末までの値動きも振り返っておこう。
eCashは、2021年8月中旬から9月初頭にかけて一時大きく高騰したが、勢いが長続きせずに9月中旬からは一転して急落。
以降は長らく低迷が続いている。
ちなみに2021年9月に付けた史上最高値と、前述の2023年6月の急騰時の高値はそれぞれ以下のとおり。
- 史上最高値:0.00059ドル(2021年9月10日)
- 2023年6月の急騰時の高値:0.00004ドル(史上最高値の約1/15の水準)
上記の数値の比較から、eCashは2023年6月末に急騰を見せたものの、マクロな視点で見ればその急騰も些末な値動きだと言える。
ただ見方を変えれば、現状は多少の急騰が起きようがまだまだ割安な価格でeCashに投資できる状態だと、ポジティブに捉えることもできるだろう。
現状を投資のチャンスと見て、今後の値上がりに期待する方は、ぜひMEXCを使ってeCashを買ってみてはいかがだろうか。
eCash(XEC)の将来性に関わるポイント
続いて、以下の5つの要素からeCashの将来性を考察してみよう。
今後に関わる注目要素
- ロードマップに沿って開発が進められている
- 本当に決済用通貨として普及するかどうか不透明
- ビットコインキャッシュとの連動性が高い
- ステーキング需要がある
- リブランディングの中長期的な影響が不透明
ロードマップに沿って開発が進められている
eCashの目標は、世界中の誰もが使える通貨として普及することだ。
その目標の達成に向けて設計されたロードマップの元、eCashは開発が進められている。
ロードマップで示された今後の主要な改善点は、以下のとおりだ。
① トランザクションのスループットの向上
⇒1秒あたり100件から、1秒あたり500万件を処理できるように改善
② 支払い時のエクスペリエンスの向上
⇒トランザクションを3秒以内に処理しつつ、安全性も維持する
③ 未来の経済のサポートのためにプロトコルを拡張
今後のアップデートによって性能が向上していけば、実需・投資対象としての需要ともに、増えていくはずだ。
本当に決済用通貨として普及するかどうか不透明
繰り返しになるがeCashは、決済通貨としての普及を目指している。
だが、必ずしもその目標が達成されるとは限らない。
現にこれまでビットコインをはじめとする仮想通貨は、法定通貨の電子決済などに押し負け、決済手段としてほとんど広まっていない。
その背景には、トランザクションの処理速度や手数料の問題だけでなく、仮想通貨特有のボラティリティの粗さや法体制の問題も横たわっている。
いくらeCashが高速・低コストで使える通貨だったとしても、ボラティリティなどのその他諸々の問題も解消できなければ、世界中で広く普及することは難しいだろう。
ビットコインキャッシュとの連動性が高い
eCashはビットコインキャッシュから分岐した仮想通貨であり、その値動きにはビットコインキャッシュとの高い連動性が見られる。
2023年6月に起きた急騰も、まさにビットコインキャッシュに牽引されて引き起こされたものだ。
そのためもしもeCashに投資するなら、ビットコインキャッシュの動向も同時に監視しておきたい。
ステーキング需要がある
特徴で述べたように、eCashはステーキングをおこなうことができる。
ステーキングは継続して報酬を得られるため、eCashの中長期的な需要を生み、市場価格の下支えとなっている。
リブランディングの中長期的な影響が不透明
eCashは、2021年にビットコインキャッシュABCからリブランディングされて、現在の名称となった。
つまり、「ビットコイン」や「ビットコインキャッシュ」という誰しもが知るベンチマークを自ら失ったのだ。
リブランディングには、ハードフォーク時のコミュニティの衝突などでビットコインキャッシュABCについていたマイナスのイメージを払拭する意図があったが、中長期的に見てプラスにはたらくかどうかはあやしいところだ。
eCash(XEC)の価格予想
仮想通貨のデータアグリゲーターの中には、各銘柄の価格予想を発信しているところもいくつかある。
ここでは「PricePrediction」と「DigitalCoinPrice」という2つのプラットフォームをピックアップし、eCashの価格予想を紹介する。
まず、PricePredictionにおけるeCashの価格予想は以下のとおりだ。
年 | 予想最低価格 | 予想平均価格 | 予想最高価格 |
---|---|---|---|
2023 | $0.00004217 | $0.00004402 | $0.00004964 |
2024 | $0.00006668 | $0.00006844 | $0.00007516 |
2025 | $0.00009574 | $0.00009847 | $0.00011539 |
2026 | $0.00013641 | $0.00014035 | $0.00016508 |
2027 | $0.00020703 | $0.00021404 | $0.00023578 |
2028 | $0.00030553 | $0.00031409 | $0.00036668 |
2029 | $0.00043182 | $0.00044752 | $0.00053054 |
2030 | $0.00064708 | $0.00066946 | $0.00076296 |
2031 | $0.00095834 | $0.00099182 | $0.001 |
2032 | $0.001 | $0.001 | $0.002 |
またDigitalCoinPriceでは、次のような価格予想が発信されている。
年 | 予想最低価格 | 予想平均価格 | 予想最高価格 |
---|---|---|---|
2023 | $0.0000309 | $0.0000722 | $0.0000757 |
2024 | $0.0000740 | $0.0000836 | $0.0000886 |
2025 | $0.000101 | $0.000117 | $0.000123 |
2026 | $0.000132 | $0.000155 | $0.000157 |
2027 | $0.000132 | $0.000155 | $0.000157 |
2028 | $0.000163 | $0.000182 | $0.000186 |
2029 | $0.000232 | $0.000254 | $0.000256 |
2030 | $0.000335 | $0.000350 | $0.000358 |
2031 | $0.000473 | $0.000485 | $0.000495 |
2032 | $0.000645 | $0.000665 | $0.000671 |
おさらいとして、2021年9月に付けた史上最高値と、前述の2023年6月の急騰時の高値はそれぞれ以下のとおり。
- 史上最高値:0.00059ドル(2021年9月10日)
- 2023年6月の急騰時の高値:0.00004ドル(史上最高値の約1/15の水準)
両者の予想を見比べると予想価格に開きが見られるものの、“将来的に史上最高値を更新していくだろう”という見解は一致している。
もちろんこの2者が似たような予想をしているからと言って、未来が確約されたわけではない。
しかし、eCashへの投資を検討する際には、プラスの判断材料の1つとなってくれるだろう。
eCash(XEC)を購入できる仮想通貨取引所
eCashは今のところ、国内取引所での取り扱いがない。
そのため購入の際には、eCashの取り扱いがあり、なおかつ日本人投資家を受け入れている海外取引所を利用する必要がある。
それら2つの条件を満たす海外取引所の代表例は、以下のとおりだ。
これらの中でも、おすすめの海外取引所は「MEXC(エムイーエックスシー)」だ。
MEXCの特長
- 取り扱い通貨が1,500種類以上
- 取引手数料が安い(現物取引は無料)
- 日本語表記に完全対応
- 新規登録時に本人確認書類の提出が不要
MEXCでは、日本の仮想通貨取引所とはケタ違いの1,500種類を超える銘柄がラインナップされている。
また、現物取引では取引手数料がかからない仕様になっており、ほとんどコストをかけずにeCashの売買が可能だ。
さらに、日本語表記に対応しているため、英語が苦手な方でも問題なく利用することができる。
本人確認不要で手軽に取引を始められるので、興味がある方はぜひMEXC公式サイトを覗いてみはいかがだろうか。
eCash(XEC)に関するよくある質問
最後に、eCashに関してよくある質問を3つ紹介する。
よくある質問
- eCashのSNS公式アカウントはありますか?
- eCashは、アバランチチェーンでも使えますか?
- eCashはMetaMaskに対応していますか?
eCashのSNS公式アカウントはありますか?
eCashの主要なSNS公式アカウントは、以下のとおりだ。
eCashは、アバランチチェーンでも使えますか?
eCashのブロックチェーンは、コンセンサスアルゴリズムにアバランチ・コンセンサスを採用しているものの、アバランチチェーンと互換性があるわけではない。
そのためeCashをアバランチチェーン上で使うことはできない。
eCashはMetaMaskに対応していますか?
MetaMaskは、イーサリアムおよびイーサリアムチェーンの各種規格を用いたトークン(NFTを含む)をサポートしているウェブウォレットだ。
eCashは、イーサリアムチェーン基盤のトークンではないため、MetaMaskで保管することはできない。
なお、eCashを保管できるウォレットは、eCash公式サイトのウォレット紹介ページで確認することができる。
eCash(XEC/イーキャッシュ)とは?まとめ
今回は仮想通貨「eCash」について、その特徴やこれまでの値動き、将来性などを解説した。
この記事のまとめ
- eCashは、ビットコインキャッシュのハードフォークで生まれた仮想通貨
- トランザクションの処理性能に優れ、決済通貨としての普及を目指している
- コンセンサスアルゴリズムは「アバランチ・コンセンサス」を採用
- ビットコインキャッシュと連動するように、2023年6月末に急騰した
eCashはビットコインキャッシュのハードフォークで生まれた仮想通貨であり、もともとはビットコインキャッシュABCという名前だったのが、2021年に現在の名称へと変更された。
分岐元のビットコインキャッシュと価格の連動性が高く、2023年6月末にビットコインキャッシュと同様に急騰を見せている。
ただ、急騰したと言っても、史上最高値と比べればまだまだ買い付けやすい価格水準にある。
そのため、この記事をとおして興味を持った方は、今の内にeCashへの投資にトライしてみてはいかがだろうか。
ちなみにMEXCなら、手数料無料(現物取引の場合)でeCashの売買をおこなうことができる。
口座も無料でつくれるので、eCashに興味があるならぜひ、MEXCの利用を検討してみてほしい。