Dappsの開発プラットフォームとして現状、市場シェアでトップに立つのはイーサリアムチェーンだ。
一方でそのイーサリアムチェーンを脅かし得ると期待されているブロックチェーンは、まとめて「イーサリアムキラー」と呼ばれることがある。
今回取り上げる「NEAR Protocol」も、イーサリアムキラーに数えられるブロックチェーンの1つであり、将来に期待が寄せられている。
本記事ではそんなNEAR Protocolと、ネイティブトークンの「NEARトークン」について、主な特徴や過去の値動き、将来性などを解説していく。
この記事からわかること
- NEAR Protocol / NEARトークンの基本情報・特徴
- NEARトークンの値動き
- NEAR Protocol / NEARトークンの将来性
- NEARトークンの価格予想
- NEARトークンを扱う仮想通貨取引所
2024年5月時点でNEARトークンは、国内だと「Binance Japan」と「CoinTrade」の2社に上場している。
またBinance Japanは、NEARトークンを含めて約50種類もの銘柄を取引することができる。
まだ口座をお持ちでないなら、ぜひこの機会にBinance Japan公式サイトをチェックしてみてほしい。
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- 自動積立とレンディングが可能
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- NFTも買える
*現物取引(取引所)を使った場合
目次
NEAR Protocol/NEARトークンとは?
名称 | NEARトークン |
シンボル・通貨単位 | NEAR |
ローンチ時期 | 2020年10月 |
サイトURL | https://near.org |
上場先 | Binance Japan CoinTrade |
NEAR Protocolは、DAppsやNFTなどの開発基盤となっているレイヤー1ブロックチェーンの1つだ。
“高速処理が可能で、利用コストも安い”という特徴を持っていることから、Solanaチェーンやポルカドットチェーンと並んで「イーサリアムキラー」や「第三世代ブロックチェーン」と呼ばれることも多い。
ネイティブトークンはNEARトークン(NEAR)で、DApps内での決済やネットワーク手数料(ガス代)の支払いをはじめとしたさまざまな用途に用いられている。
またNEARトークンは、2023年8月末に「CoinTrade」、2023年11月には「Binance Japan」への上場を果たしている。
NEAR Protocol/NEARトークンの特徴
ブロックチェーンのNEAR Protocolと、そのネイティブトークンであるNEARトークンには、主に次のような特徴がある。
主な特徴
- DAppsなどの開発基盤となるL1チェーン
- シャーディングを導入している
- コンセンサスアルゴリズムにTPoSを採用
- プログラミング言語にJavaScriptを採用
- イーサリアムチェーンとの互換性がある
DAppsなどの開発基盤となるL1チェーン
前述のとおりNEAR Protocolは、DAppsなどの開発基盤となっているレイヤー1ブロックチェーンだ。
カテゴリーの限定はされておらず、DeFi(分散型金融)プロトコルや、ブロックチェーンゲーム、NFTマーケットプレイスなど多種多様なDAppsがNEAR Protocol上で稼働している。
なお現在稼働中のDAppsは、NEAR Protocolのサイト内にまとめられているので、気になる方は覗いてみるとよいだろう。
シャーディングを導入している
先ほど紹介したようにNEAR Protocolは、高速・低コストで利用できることが特徴の1つとなっている。
その性能の実現に寄与している技術が、「シャーディング」だ。
シャーディングとは、シャードという単位の複数のブロックチェーンをつくり、それらのブロックチェーンでトランザクション(取引)を並列処理する技術のことを指す。
従来のブロックチェーンのように、1つのブロックチェーンで順番にトランザクション(取引)を処理する必要がないため、トランザクションの高速処理を実現している。
また並列処理によって、ブロックチェーン全体の負担を抑えられるため、利用コストも割安となっている。
コンセンサスアルゴリズムにTPoSを採用
NEAR Protocolのコンセンサスアルゴリズム(トランザクションを検証し、合意形成を図るための仕組み)は、PoSから派生した「Thresholded Proof of Stake(TPoS)」だ。
さて派生元であるPoS(プルーフ・オブ・ステーク)は、対象の仮想通貨をより多く保有している者がバリデーター(トランザクションの検証・承認者)に選ばれる仕組みとなっている。
イーサリアムチェーンをはじめとした多くのブロックチェーンに採用されていて、安全上の問題は少ないのだが、PoSの場合はどうしても、すでに多くの資産を持っている者に対し、さらなる富と権力が集まるという弊害が発生しがちだ。
そこでTPoSでは、派生元のPoSと違って、富と権力が上手く分散させられる改善策が組み込まれている。
プログラミング言語にJavaScriptを採用
NEAR Protocolは、JavaScriptやRustといったプログラミング言語で、DApps(分散型アプリ)を開発できる仕様になっている。
JavaScriptなどはいずれもかなりポピュラーなプログラミング言語であり、ブロックチェーン以外の一般的なアプリケーション開発でも使われる。
そのためNEAR Protocolにおいてエンジニアは、新しいプログラミング言語を覚える必要がなく、スムーズに開発に参入することが可能だ。
イーサリアムチェーンとの互換性がある
NEAR Protocolは、レイヤー1ブロックチェーンとしてイーサリアムチェーンと競合する立場にあるが、一方でイーサリアムチェーンとの互換性も有している。
まずNEAR Protocolには、イーサリアムチェーンとのブリッジ機能があり、相互に仮想通貨をラップ、もしくはアンラップする(元に戻す)ことができる。
ブリッジ/ラップとは?
仮想通貨のブリッジとは、あるブロックチェーンから別のブロックチェーンに、仮想通貨を移動させる仕組みのことを指す。
また、別のブロックチェーンで使えるように仮想通貨を変換することを「ラップ」という。
さらにNEAR Protocolには、同ブロックチェーンを基盤としたEVMチェーン「Aurora(オーロラ)」があり、Auroraにはイーサリアムチェーンで生まれたDAppsがいくつもコピー移植されている。
NEARトークンの値動き
それではここで、NEARトークンの値動きをチェックしておこう。
リアルタイムの値動き
まず、リアルタイムの値動きは以下のとおりだ。
2022年末までの値動き
次に、過去の値動きも振り返っておこう。
ここではNEAR/USDチャートで、2020年10月の市場上場から2022年末までの値動きを紹介していく。
チャートから読み取れるとおりNEARトークンは、2021年中頃から2022年初頭にかけて、大きく値上がりしている。
この高騰の主要因は、コロナ禍において各国政府が金融緩和政策を取ったことだ。
コロナの感染が世界中で広まると、各国政府は経済の下支えのために、大規模な金融緩和政策を実施した。
すると、投資に回せるだけの余剰資金が生まれ、NEARトークンに限らず仮想通貨市場全体がいわゆる"金余り相場(過剰流動性相場)"になった。
ところが、コロナの感染が収束していくと、市場の様子が一変する。
コロナ禍が去ると、経済活動の活性化やロシア・ウクライナ戦争などの影響から急速にインフレが進み、今度は一転して各国で金融引き締め政策(主に利上げ)がおこなわれるようになる。
その結果、仮想通貨市場は一気に冷え込んでいき、NEARトークンも高騰前とほぼ変わらない水準まで値下がりしていった。
2023年の値動き
それでは、2023年の1年間の値動きも紹介しておこう。
2023年のNEARトークンは、2月後半以降長らく、ゆるやかな下落基調が続いていた。
しかし11月頃から活気づき、結果的には年初来で大きくプラスで終えている。
ただ、年初来プラスになったと言っても、2021年~2022年前半までのコロナバブルで付けた高値と比べれば、遠く及ばない価格水準にある。
現状をまだまだ割安で買える状態だと見る方は、ぜひBinance Japanをとおして、NEARトークンへの投資に挑戦してみてはいかがだろうか。
将来性に関わる注目ポイント
もしもこれからNEARトークンに投資するなら、その将来性も気になるところだろう。
ここではNEAR ProtocolとNEARトークンの今後に関わる重要なポイントを3つ、紹介していく。
今後に関わる重要ポイント
- VCなどから繰り返し出資を受けている
- 参加ベンチャーを金銭的に支援している
- 類似L1チェーンとの競争に注目
VCなどから繰り返し出資を受けている
NEAR Protocolは、これまで幾度も、著名なベンチャーキャピタル(VC)などから出資を受けている。
例えば2022年1月には、シンガポールの大手ヘッジファンド「Three Arrows Capital」の主導の元、約170億円の資金調達に成功している。
開発資金が潤沢にあるということは、ブロックチェーンのプロジェクトにとって大きな強みだ。
豊富な資金によって開発が進み、ユーザビリティも向上していけば、自ずとNEAR Protocolのエコシステムは拡大していくだろう。
参加ベンチャーを金銭的に支援している
前述のとおりNEAR Protocolは、ポピュラーなプログラミング言語の採用により、参入ハードルの低い開発環境を実現している。
さらに、NEAR Protocolには助成金プログラムがあり、金銭面でも参入してくる開発者を支えている。
そうした開発環境において、性能面で優れるDAppsが多数リリースされれば、そのDAppsを求めて多くのユーザーが集まってくることだろう。
類似L1チェーンとの競争に注目
DAppsの開発プラットフォームとなっているブロックチェーンは数多あるが、現状ではイーサリアムチェーンが圧倒的な市場シェアトップに立っている。
またネイティブトークンの時価総額などを見比べると、SolanaチェーンやBNBチェーンなども現状、NEAR Protocolよりも市場シェア上位に位置していることがうかがえる。
NEARトークンに投資するのであれば、そうした競合がいる中で、今後どれだけNEAR Protocolが市場シェアを伸ばせるかどうかに注目しておきたいところだ。
NEARトークンの価格予想
仮想通貨のデータアグリゲーターの中には、各銘柄の価格予想を発信しているところもある。
今回はその中から、DigitalCoinPriceをピックアップし、NEARトークンの価格予想を紹介しよう。
DigitalCoinPriceにおけるNEARトークンの今後10年の価格予想は、以下のとおり。
年 | 予想最低価格 | 予想平均価格 | 予想最高価格 |
---|---|---|---|
2024 | $2.47 | $5.55 | $5.98 |
2025 | $5.90 | $6.76 | $6.95 |
2026 | $8.08 | $9.78 | $10.02 |
2027 | $10.56 | $12.06 | $12.60 |
2028 | $10.56 | $12.06 | $12.60 |
2029 | $13.03 | $14.77 | $15.10 |
2030 | $18.51 | $20.05 | $20.56 |
2031 | $26.77 | $28.46 | $28.83 |
2032 | $37.76 | $39.26 | $39.55 |
2033 | $51.50 | $52.82 | $53.49 |
参考に、NEARトークンの記事執筆時の価格と史上最高値は、以下のとおり。
- 記事執筆時の価格:7.93ドル(2024年5月25日)
- 史上最高値:20.42ドル(2023年5月3日)
DigitalCoinPriceは、今後10年でNEARトークンが堅調に値上がりしていくと予想を示している。
あくまで予想なので、もちろん今後の値上がりが確約されているわけではない。
しかしこの予想を参考にするのであれば、現状は安く買い付けられるチャンスだと言えるだろう。
NEARトークンを買える仮想通貨取引所
冒頭に述べたようにNEARトークンは、2024年2月時点で、CoinTradeとBinance Japanの国内2社に上場している。
この2社を見比べると、Binance Japanの方をおすすめしたい。
取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) |
取扱銘柄* | ADA、ALGO、APE、APT、ARB、ASTR、ATOM、AVAX、AXS、BAT、BCH、BNB、BTC、CHZ、CYBER、DAI、DOGE、DOT、ENJ、EOS、ETC、ETH、FIL、GALA、GRT、HBAR、IMX、IOST、JASMY、KLAY、LINK、LSK、LTC、MANA、MASK、MATIC、MKR、NEAR、NEO、ONT、OP、QTUM、RENDER、SAND、SHIB、SOL、SUI、SXP、THETA、TON、TRX、WBTC、XLM、XRP、XTZ、ZIL 【56種類】 |
取引コスト (取引所) | Maker 0.0090~0.100% Taker 0.0180~0.100% |
仮想通貨の入出金手数料 | 入金:無料、ガス代は自己負担 出金:銘柄ごとで異なる |
自動積立 | 〇 |
レンディング | 〇 |
ステーキング | ✕ |
その他のサービス | 取引ボット Binance NFT |
Binance Japan の特長
- 取扱銘柄数が国内最多
- 取引手数料がリーズナブル*
- 自動積立とレンディングが可能
- 取引ボット(自動取引ツール)を使える
- VIPレベルに応じて取引手数料を割引
- NFTも買える
*取引形式で「取引所」を選択した場合
2024年5月時点でBinance Japanには、国内最多となる52種類もの銘柄がラインナップされている。
また、ユーザー同士で取引できる「取引所」を使うと、0.1%以下のリーズナブルな手数料で取引を楽しめる。
NEARトークンに興味がある方は、ぜひこの機会にBinance Japanの利用を検討してみてはどうだろうか。
ちなみにBinance Japanのメリット・デメリットや、ユーザーからの評判などは、以下の記事で別途紹介している。
Binance Japanのことをもっと詳しく知りたい方は、ぜひ覗いてみてほしい。
NEAR Protocol/NEARトークンに関するQ&A
最後に、NEAR Protocolに関してよくある質問を3つ紹介しておく。
よくある質問
- ステーキングは可能ですか?
- NEAR ProtocolでMetaMaskは使えますか?
- NEAR Protocolの創設者はだれですか?
ステーキングは可能ですか?
特徴で述べたように、NEAR ProtocolのコンセンサスアルゴリズムはPoSの派生であり、NEARトークンのステーキングが可能だ。
ステーキングの方法はいくつかあるが、例えばDeFiプロトコルの「LiNEAR Protocol」で、NEARトークンのステーキングができるようになっている。
NEAR ProtocolでMetaMaskは使えますか?
NEAR Protocolには、EVMチェーンのAuroraがある。
そのためDAppsによっては、イーサリアムチェーンのトークンに対応したウォレット「MetaMask」を使えるものもある。
NEAR Protocolの創設者はだれですか?
NEARトークンの創設者は、起業家のエリック・トラウトマン氏だ。
また開発チームには、ICPC(国際大学対抗プログラミングコンテスト)の金メダリストなど、優秀な人材が集まっている。
NEAR Protocol(NEAR)とは?まとめ
今回は、NEAR ProtocolとそのネイティブトークンのNEARトークンについて、主な特徴や過去の値動き、将来性などを解説した。
この記事のまとめ
- NEAR Protocolは、Dappsなどの開発基盤となっているL1チェーン
- シャーディングによって、処理性能とコスト面に優れている
- 用途は限定されておらず、多種多様なDAppsが稼働している
- DeFiプロトコルなどでNEARトークンのステーキングができる
NEAR Protocolは、イーサリアムキラーの1つとして、投資家から高い関心を寄せられている。
また、現状は2021年につけた史上最高値と比べて、かなり割安な水準で推移している。
将来性に期待するのであれば、割安な状態の今の内に、NEARトークンに投資してみるのも面白いだろう。
実際にNEARトークンへの投資にチャレンジするなら、今回紹介したBinance Japanの利用をぜひ検討してみてほしい。