Metamask (メタマスク)で約5,000ETH(日本円で約12億円)が不正流出するなど、昨今のブロックチェーン業界は、ウェブウォレットでの不正流出が何かと話題を呼んでいる。
そのため仮想通貨を保有している方の中には、より安全に自身の仮想通貨を管理しようと、ハードウェアウォレットの利用を考えている方もいることだろう。
今回はそうした方に向けて、ハードウェアウォレットの特徴やおすすめの機種、利用時の注意点などを紹介していく。
この記事からわかること
- 仮想通貨ウォレットの基礎知識
- ハードウェアウォレットの特徴
- おすすめのハードウェアウォレット5選
- ハードウェアウォレットの使い方の基礎
- ハードウェアウォレットを利用する上での注意点
ハードウェアウォレットはさまざまメーカーが販売しているが、エントリーモデルとしてはLedger社の「Ledger Nono S Plus」がうってつけだ。
Ledger Nono S Plusは、5,500種類以上の仮想通貨に対応している他、NFTの管理もできる。
詳細はぜひ、Ledger Nano S Plusの商品ページで確認してみてほしい。
目次
仮想通貨のウォレットとは?
仮想通貨のウォレットとは、仮想通貨(正確には公開鍵と秘密鍵)を保管・管理するための電子財布のようなものだ。
ウォレットは、公開鍵と秘密鍵という2つの鍵を使い、仮想通貨を守る。
公開鍵は、仮想通貨を受け取るためのアドレスであり、誰でも知ることができる。
それに対して秘密鍵は、仮想通貨を送るためのパスワードのようなものだ。
したがって秘密鍵の情報が第三者に漏れると、ウォレットに保管されている仮想通貨も奪われる可能性があり、厳密な管理が求められる。
仮想通貨のウォレットの種類
ウォレットにはさまざまな種類があるが、大きく分けると、ネットにつながっている「ホットウォレット」と、オフラインで保管される「コールドウォレット」の2種類に分けられる。
ホットウォレットは、取引や決済などに使えて便利だが、ハッキングや不正アクセスのリスクを相応に伴う。
一方でコールドウォレットは、利便性では劣るものの、ネットにつながっていないためにハッキングなどのリスクは極めて低い。
例えば長期投資をしていて、普段使うことがない仮想通貨を保有している場合、その仮想通貨はコールドウォレットで保管した方がより安心だ。
ハードウェアウォレットとは?
さて、今回取り上げるハードウェアウォレットは、コールドウォレットの1種である。
”ハードウェア”と名についていることからわかるかもしれないがハードウェアウォレットは、専用のデバイスで、オフラインの状態で秘密鍵を保存する。
また、保管している仮想通貨(秘密鍵)を使いたい場合、USB接続やBluetooth接続でパソコンやスマホと連携すれば、つまりオンラインの状態にすれば送金や受金が可能な状態となる。
ハードウェアウォレットのメリットは、セキュリティ性能が高く、ハッキングや盗難のリスクを低減できることだ。
また、複数の仮想通貨を1つのデバイスでまとめて管理できる点も、メリットの1つと言える。
おすすめのハードウェアウォレット5選
それではここで、おすすめのハードウェアウォレットを5つ、紹介していく。
おすすめウォレット5選
- Ledger Nano S Plus
- Ledger Nano X
- Trezor Model One
- CoolWallet S
- SecuX W20
Ledger Nono S Plus
Ledger Nono S Plusの概要
- 5,500種類以上の仮想通貨を管理可能
- 最大で100個のアプリを同時にインストール可能
- NFTの管理にも対応
- USBタイプCでPCなどに接続
- 公式サイトでの販売価格は1万2,499円(税込)
Ledger Nano S Plusは、仏Ledger社による代表的なハードウェアウォレットだ。
“Plus”と付けられていることからわかるように、「Ledger Nano S」というシリーズの新モデルであり、旧モデルと比べて容量が大幅にアップしている。
対応通貨は5,500種類を超え、NFTを管理することも可能だ。
また保管された仮想通貨は、「Ledger Live」という専用アプリを使って一元管理することができる。
Ledger Nano X
Ledger Nano Xの概要
- 5,500種類以上の仮想通貨を管理可能
- 最大で100個のアプリを同時にインストール可能
- NFTの管理にも対応
- USBタイプCでPCなどに接続
- S Plusと違い、Bluetooth接続もできる
- 公式サイトでの販売価格は2万3,999円(税込)
Ledger Nano Xは、先ほどのLedger Nano S Plusと同じく、フランスのLedger社が手がけているハードウェアウォレットである。
S Plusとそれほど大きな性能の差はないのだが、こちらはUSB接続だけでなく、Bluetooth接続にも対応したモバイルファーストなモデルとなっている。
ただ、利便性が上がる分だけお値段は、Ledger Nano Xの方が高めに設定されている。
Trezor Model One
Trezor Model Oneの概要
- 1,000種類以上の仮想通貨を管理可能
- マイクロUSB(PC側はUSB-A)でPCなどに接続
- 公式サイトでの販売価格は69ドル(約9,250円)
Trezor社の「Trezor Model One」は、ハードウェアウォレットの中では比較的安価で、コストパフォーマンスに優れている。
ビットコインやイーサリアムなどの主要な仮想通貨を含めて1,000種類以上の仮想通貨に対応しており、PCやスマホとUSBケーブルで接続して使用する。
本体は2つのボタンと小さなディスプレイによるシンプルなデザインで、PINコードやトランザクションの確認などをディスプレイ内でおこなうことができる。
CoolWallet S
CoolWallet Sの概要
- カード型のハードウェアウォレット
- 防水性能がある
- 生体認証が可能
- 12 種類のL1チェーン、1万種類以上の仮想通貨に対応
- Bluetooth接続が可能
- 公式サイトでの販売価格は99ドル(約1万3,300円)
CoolWallet Sは、台湾のCoolBitX社が開発した、世界初のカード型ハードウェアウォレットだ。
クレジットカードと同じサイズで持ち運びに優れ、防水性能も備えているため、万が一濡らしてしまっても安心だ。
ビットコインやリップル、ERC20トークンなど複数の仮想通貨をサポートしており、Bluetoothでスマホなどに接続し、仮想通貨の管理や送受信ができる。
SecuX W20
SecuX W20の概要
- 1万種類以上の仮想通貨を管理可能
- 大型のタッチスクリーンを採用
- マイクロUSB(PC側はUSB-A)でPCなどに接続
- Bluetoothでの接続も可能
- NFTにも対応
- 公式サイトでの販売価格は1万5,975円
SecuX W20は、SecuX Technology Inc.が開発したハードウェアウォレットだ。
本体サイズは89mm×59mm(厚さ13mm)で、2.8インチの大きめのタッチスクリーンを採用しているため、視認性と操作性に優れている。
またデュアル接続が可能で、USB接続だけでなく、Bluetoothにも対応している。
対応通貨は1万種類以上、NFTの保管も可能であり、今回紹介した中で価格はもっともお高めだが、その価格相応に機能面はかなり充実している。
以上、おすすめのハードウェアウォレットを5種類紹介した。
なおこの中でもイチオシは、Ledger 社の「Ledger Nono S Plus」である。
Ledger Nano Xと比べると、機能面はほぼ変わらずに価格が割安であり、エントリーモデルとしてうってつけだ。
興味がある方はぜひ、Ledger 社公式サイトでLedger Nano S Plusの商品ページをチェックしてみてほしい。
ハードウェアウォレットの使い方
続いて、ハードウェアウォレットの基本的な使い方を確認しておこう。
ハードウェアウォレットの使い方
- ハードウェアウォレットを購入する
- 公式サイトから管理用アプリをダウンロードする
- リカバリーフレーズを保管する
ハードウェアウォレットを購入する
まずは、メーカーの公式サイトなどでハードウェアウォレットを購入しよう。
また、購入後に製品が届いたら内容物を確認したのち、USBやBluetoothでPCなどと接続しよう。
公式サイトから管理用アプリをダウンロードする
一般的にハードウェアウォレットは、メーカーごとの管理用アプリとペアリングすることで、利用可能な状態になる仕様になっている。
例えばLedger 社のハードウェアウォレットとなら、専用のアプリとして「Ledger Live」が用意されている。
ハードウェアウォレットを入手したら、各メーカーの公式サイトから、管理用アプリをダウンロードしよう。
また、PCなどにハードウェアウォレットを接続した状態で管理用アプリを起動すると、ハードウェアウォレットの初期設定をおこなうことができる。
画面に表示される指示に従って、初期設定を進めていこう。
リカバリーフレーズを保管する
初期設定の際、ウォレットの「リカバリーフレーズ」が表示される。
リカバリーフレーズとは、ウォレットを復元する際に必要となる、12~24個の英単語で構成されたフレーズのことだ。
例えば、万が一ハードウェアウォレットが壊れてしまったとしても、新しいウォレットの作成時にリカバリーフレーズを入力すれば、以前と同じ状態でウォレットを復元することができる。
このリカバリーフレーズは、紛失や流出することのない形で、記録・保管する必要がある。
なお、リカバリーフレーズの保管を含む初期設定が完了すれば、管理アプリをとおしてハードウェアウォレットを使えるようになる。
ハードウェアウォレットの注意点
それでは最後に、ハードウェアウォレットを利用する際の注意点を3つ、紹介しておく。
ハードウェアウォレットの注意点
- リカバリーフレーズは別途管理しなければならない
- 必ずメーカー直営店もしくは正規代理店で購入すること
- すべての仮想通貨に対応しているわけではない
リカバリーフレーズは別途管理しなければならない
前述のとおりハードウェアウォレットを利用する際は、初期設定の段階で表示されるリカバリーフレーズを、他人に見えない形で保管しなければならない。
安全性を鑑みれば、パソコン上で保存するのではなく、紙に書き留めてアナログな状態で保管すべきだろう。
また当然のことながら、ハードウェアウォレット本体とリカバリーフレーズを記録した紙は、それぞれ別の場所で保管した方がよい。
必ずメーカー直営店もしくは正規代理店で購入すること
ハードウェアウォレットは、正規店以外で購入すると、次のようなリスクが発生し得る。
正規店以外で購入する場合のリスク
- デバイスに不正なプログラムが仕込まれる恐れがある
- リカバリーフレーズが設定済みで、第三者に漏洩しているケースがある
正規店以外で購入すると、これらのリスクによって、自身の仮想通貨を盗まれたり操作を妨害されたりする可能性がある。
そのため、ハードウェアウォレットの購入時は、必ずメーカーの直営店もしくは正規代理店を利用するようにしよう。
すべての仮想通貨に対応しているわけではない
ハードウェアウォレットはどのメーカーの製品でも、非常に多くの仮想通貨をサポートしているが、だからといってすべての仮想通貨を網羅できているわけではない。
例えばビットコインやイーサリアムなど、メジャーな仮想通貨の保存のために使用するなら、事前の確認はまず必要ないだろう。
しかし、マイナーな仮想通貨の保存を目的とする場合は、事前に各商品の公式サイトなどで、自身が保存しようとしているマイナー通貨のサポートがなされているかよく確認した方がよい。
ハードウェアウォレットとは?まとめ
今回は仮想通貨のハードウェアウォレットについて、その特徴やおすすめの機種、利用時の注意点などを紹介した。
この記事のまとめ
- ハードウェアウォレットは、仮想通貨をオフラインの状態で保管できるデバイス
- 複数の仮想通貨を1つのデバイスで一元管理することができる
- 機種によっては、NFTの保管も可能
- 購入の際は、必ずメーカー直営店もしくは正規代理店を利用すること
ハードウェアウォレットを使えば、自身が保有する仮想通貨をネットから切り離し、より安全に保管することができる。
デバイスの購入費用はかかるが、長期投資がメインの方や保有資産が多い方は、使ってみて損はないだろう。
なお、ハードウェアウォレットの中でLedger Nano S Plusなら、仮想通貨だけでなくNFTの保管もできる。
気になる方はぜひ、Ledger Nano S Plusの商品ページをチェックしてみてほしい。