国内取引所とは比べ物にならないほど、多彩なサービスが揃う海外取引所「KuCoin(クーコイン)」。
本記事ではそのKuCoinの各種サービスがどういったものなのか、投資初心者にもわかるように解説していく。
KuCoinを使ってみたいと考えている方は、ぜひ最後まで目を通して、参考にしてもらいたい。
この記事からわかること
- KuCoinの基本情報
- 現物取引/信用取引の各種サービス概要
- 先物取引の各種サービス概要
- KuCoin Earnの各種サービス概要
- Web3関連のサービス概要
KuCoinの特長
- 取扱通貨が700種類以上
- 日本語表記に完全対応
- 低コストで豊富な銘柄を売買可能
- サービスのバリエーションが豊富
- セキュリティ、資産保護の体制が万全
目次
KuCoin(クーコイン)とは?
取扱銘柄数* | 700種類以上 |
取引手数料 | 現物取引*: ⇒ Maker 0.10%、Taker0.10% 先物取引*: ⇒ Maker 0.02%、Taker0.06% *「トップ仮想通貨」、「VIPレベル0」の場合 |
主なサービス | 現物取引(取引所) 現物取引(クイック取引) P2P取引 レバレッジ取引(信用取引、先物取引) ボット取引 ステーキング レンディング NFTマーケットプレイス |
日本語表記 | 〇 |
公式サイト | KuCoin公式サイト |
KuCoin(クーコイン)は、700種類以上の仮想通貨と多彩なサービスを取り揃えている海外取引所だ。
世界の200以上の国と地域にサービスを展開しており、そのユーザー数は3,000万人を超える。
サービスを提供する200以上の国と地域には、もちろん日本も含まれている。
また単に日本人を受け入れるだけでなく、日本語表記に対応したり日本人向けのSNSアカウントを用意したりするなど、日本人投資家にとって使いやすい環境を提供してくれている。
なお、より詳しい特徴や口座開設の方法などは、以下の記事で別途解説している。
まだKuCoinの口座をお持ちでないなら、先にそちらをチェックしてみてほしい。
KuCoinのサービス【現物/信用取引】
それでは早速、KuCoinの主要なサービスを1つ1つ見ていこう。
まず、現物取引および信用取引の主なサービスは以下のとおり。
現物/信用取引の主なサービス
- 現物取引
- クイック取引
- P2P取引
- サードパーティ取引
- 信用取引
- レバレッジトークン
- ボット取引
- Pre-Market
現物取引
現物取引ではその名のとおり、仮想通貨の現物を売買することができる。
また取引形式は、ユーザー同士で取引をおこなう「取引所」が採用されている。
取引所形式の現物取引は、ユーザー数が取引の安定性に直結するのだが、3,000万人以上のユーザーを抱えるKuCoinでは、高い流動性の元で安定した取引ができるようになっている。
基本の取引手数料はMaker・Takerともに0.1%だ。
それでも十分にリーズナブルだが、独自トークンの「KCS」で手数料を支払ったり、VIPランクを上げたりすると、さらに割安な手数料で取引を楽しめる。
VIPランクについて
VIPランクは、
- 取引所トークン「KCS」の保有量
- 過去30日間の"現物取引"の取引高
- 過去30日間の”先物取引”の取引高
に基づいて決まる。
VIPランクが上がるほど、取引手数料の割引率がアップする。
クイック取引
クイック取引は、クレジットカードやデビットカードを使い、円建てでも仮想通貨を買えるサービスだ。
ただ、便利な一方で、取引コストが割高なところが難点となっている。
具体的にどれくらいの取引コストがかかるのか、概算してみよう。
本記事執筆時点(2024年1月上旬)で、クイック取引でステーブルコインのUSDTを日本円で買おうとした場合、その換金レートは「1USDT=152.14円」となっている。
一方で同日・同時刻での市場レートは、1USDT=144.85円だった。
つまりクイック取引を使い、円建てでUSDTを買うと、実質で約5%もの手数料が発生するということだ。
- 差額:152.14-144.85=7.29
- 実質のコスト:7.29÷144.85×100=5.03%
ちなみに、後述する「サードパーティ取引」でも、円建てで仮想通貨を買える。
だが、そちらも共通して実質の取引コストが割高になるので、留意しておいてほしい。
P2P取引
P2P取引は、KuCoinの運営側を介さずに、ユーザー同士で仮想通貨を取引できるサービスだ。
現物取引所(取引所)と違って取引板(オーダーブック)は存在せず、ユーザー同士の言い値で取引をおこなう。
言い値で取引するので、当然ながら市場レートからはいくらか乖離しており、またユーザーごとで提示価格のバラツキがある。
そのため利用する際には、自分にとって過度に不利なレートでの取引にならないように、注意する必要がある。
サードパーティ取引
サードパーティ取引では、KuCoinを経由し、外部の決済サービスを用いて仮想通貨を購入できる。
手続き自体はKuCoinの中でおこなうが、入力内容がサードパーティの決済プロバイダーへとリダイレクトされ、実際の決済はそのサードパーティの決済サービスでおこなわれる。
細かな計算は割愛するが、先ほども述べたとおりサードパーティ取引はクイック取引同様、基本的には割高な取引コストがかかる。
日本円でスピーディーに仮想通貨を買えて便利なのは確かだが、利用の際は場面に応じて、利便性とコストのどちらを重視するのかを考える必要があるだろう。
信用取引
信用取引は、手持ちの仮想通貨を担保にし、最大で10倍のレバレッジをかけた投資ができる金融商品だ。
また信用取引では、買い(ロング)からだけでなく、売り(ショート)から仕掛けることもできる。
レバレッジトークン
レバレッジトークンは、あらかじめ原資産とレバレッジ倍率、ベットする方向(ロングまたはショート)が決められた商品だ。
ステーブルコインのUSDTで取引されている。
例えば「BTC3L(3倍、ロング)」というレバレッジトークンを買っておくと、ビットコインの価格が1%高騰した際には、その3倍となる3%の含み益が発生する。
一方で「BTC3S(3倍、ショート)」というレバレッジトークンでは、ビットコインの価格が1%下落したときに、その3倍となる3%の含み益が生まれる。
ボット取引
ボット取引は、あらかじめ設定したとおりに、アルゴリズムが自動で取引してくれるサービスだ。
マーケットの動向に合った設定をしておけば、手間いらずで資産を増やしていくことができる。
またボット取引には、現物グリッドや現物マーチンゲールなど、6種類の戦略バリエーションがある。
詳しくは以下の記事で解説しているので、興味がある方はぜひチェックしてみてほしい。
Pre-Market
Pre-Marketは、正式公開前の新しい銘柄を取引できる、OTC取引のプラットフォームだ。
有望な銘柄をPre-Marketをとおして買っておくと、その銘柄が市場へ上場した後に、大きなリターンを得られる可能性がある。
OTC取引とは?
OTC取引とは、売り手と買い手が1対1で直接取引する「相対取引」のこと。
KuCoinのサービス【先物取引】
続いて、先物取引の各種サービスを確認していこう。
先物取引の主なサービス
- USDT先物/USDC先物
- インバース型先物
USDT先物/USDC先物
USDT先物は、ステーブルコインの「USDT」を担保および決済通貨とした先物取引だ。
一方でUSDC先物は、ステーブルコインの「USDC」が担保および決済通貨に用いられている。
レバレッジの最大倍率は通貨ペアごとで異なり、例えばBTC/USDT(無期限)なら、最大で125倍までレバレッジをかけることができる。
インバース型先物
インバース型先物は、原資産とは逆(マイナス)の値動きを目指す金融商品だ。
市場の下落局面で大きなリターンを得られる商品で、リスクヘッジとして使える。
なおインバース型先物は、USDT先物/USDC先物と違い、担保資産に各通貨ペアで用いられている銘柄を必要とする。
例えばBTC/USDのインバース型先物では、担保および決済通貨として、ビットコインを用意しなければならない。
KuCoinのサービス【KuCoin Earn】
「KuCoin Earn」は、ステーキングやレンディングなどができる資産管理サービスプラットフォームだ。
主なサービスは以下のとおり。
KuCoin Earnの主なサービス
- 貯蓄
- ステーキング
- KCSステーキング
- レンディング
- Shark Fin
- Snowball
- Spotlight
貯蓄
「貯蓄」は、銀行預金のように手持ちの仮想通貨をKuCoinに預け入れることで、利息を得られるサービスだ。
発生する利息は、自動的に貯蓄資産に反映され、複利で運用していくことができる。
利回り(年利)は、銘柄ごとでまちまちだ。
例えば、ビットコインの利回りはわずか0.04%*ほどだが、USDTを預けておくと年利5%*の利息を得られる。*記事執筆時点の参考年利
ステーキング
ステーキングは、仮想通貨の基盤であるブロックチェーンの安全性を保つための仕組みだ。
コンセンサスアルゴリズムにPoS(プルーフ・オブ・ステーク)、もしくはその派生形を用いたブロックチェーンで採用されている。
またステーキングに参加すると、対象銘柄の保有者は、ネットワーク保全に貢献した見返りの報酬を得ることができる。
さてKuCoinのステーキングサービスは、複数の銘柄のステーキングをワンストップで仲介してくれるプラットフォームとなっている。
利回りは銘柄次第だが、中には年利10%を超えるリターンを得られるものもある。
KCSステーキング
KCSは、KuCoinが発行している取引所トークンだ。
そのKCSをステーキングすると、年利10%を超えるリターン*を得ることができる。*記事執筆時点の推定年利
またステーキングしたKCSは、KuCoinでの取引手数料の支払いに回すことも可能だ。
レンディング
レンディングでは、手持ちの仮想通貨をKuCoin経由で他のユーザーに貸し付けることによって、利息収入を得ることができる。
他のユーザーへ1対1の関係で貸し出すのではなく、資産プールをとおして貸し出しをおこなうため、基本的に資産の償還はいつでも可能だ。
Shark Fin
Shark Fin(シャークフィン)は元本保証型の仕組投資商品であり、投資した段階で、得られる利回りの幅(最小利回りと最大利回り)も決まっている。
またShark Finには、「強気Shark Fin」と「弱気Shark Fin」の2パターンがある。
実際のShark Finを取り上げて、その仕様を解説しよう。
次の画像は、強気Shark Finの1つ「Shark Fin-強気BTC」の注文画面だ。
この銘柄に100USDTをベットした場合、最低でも約100.11USDT(年利6%)が返ってくる。
また、最大で約100.37USDT(年利19.45%)が償還される。
この利回りの違いは、満期決済時のビットコインの価格によって生じる。
Shark Finでは以下の図のように、あらかじめ利回りの変化につながる価格幅が設定されている。
強気Shark Finの場合は、満期決済時の価格がその価格幅に収まり、かつその金額が大きいほど、より多くのリターンを得られる。
なお弱気Shark Finの場合は、満期決済時の価格があらかじめ設定された価格幅に収まり、なおかつその金額が小さいほど、より多くのリターンを得らえる仕様になっている。
Snowball
Snowball(スノウボール)は、高い収益をより安全に得られるように設計された仕組投資商品だ。
あらかじめ満期が設定されている他、「ノックイン(保護ラインでの損切り)」と「ノックアウト(利食いラインでの利確)」によって、満期前に決済される可能性もある商品となっている。
ノックイン(損切り)のおかげで、もしも思惑通りに市場が動かなかったとしても、大きな損失を被らずに済む。
またノックインされた場合も、投資期間中の利息は受け取ることができる。
Spotlight
Spotlight(スポットライト)は、新しく生まれた仮想通貨を買える「ローンチパッド」だ。
販売のルール(抽選販売の参加方法や、買える数量など)は、銘柄ごとで個別に設定される。
ローンチパッドで新規銘柄をいち早く買っておくと、市場上場後に大きなリターンを得られることもあるだろう。
KuCoinのサービス【Web3】
KuCoinには、以下のようなオンチェーン(Web3)のサービスも用意されている。
Web3の主なサービス
- Halo Wallet
- フラクショナルNFT
- KuCoin Community Chain(KCC)
Halo Wallet
Halo Walletは、複数のブロックチェーンに対応したウェブウォレットだ。
単に仮想通貨やNFTを保管できるだけでなく、DAppsへのゲートウェイ機能も有している。
また、PC版・スマホ版ともに、無料でダウンロードできる。
Halo: Web3 Social Wallet
Halo Global Technology Limited無料posted withアプリーチ
フラクショナルNFT
フラクショナルNFT(FFT)は、各種プルーチップNFT(優良なNFTの総称)の所有権を複数の代替性トークンに分割したものだ。
ブルーチップNFTは、あまりに高額過ぎて、一般の人では手が届かないものが多い。
しかしブルーチップNFTの所有権を分割したフラクショナルNFTなら、分割によって価格がリーズナブルになるため、多くの人が気軽に買うことができる。
また言わずもがな、ブルーチップNFTの価格が高騰すれば、相応のリターンを得ることができる。
KuCoin Community Chain
KuCoin Community Chain(KCC)は、KuCoinが運営するパブリックブロックチェーンだ。
ネイティブトークンには、KuCoinの取引所トークンでもある「KCS」が用いられている。
また本記事執筆時点(2024年1月中旬)では、約80種類のDAppsが稼働している。
KuCoinのサービスに関するよくある質問
それでは最後に、KuCoinのサービスに関してよくある質問を3つ、紹介する。
よくある質問
- 日本人では使えないサービスはありますか?
- KuCoinは未成年でも使えますか?
- おすすめのサービスはありますか?
日本人では使えないサービスはありますか?
KuCoinのサービスの大半は、日本人でも海外ユーザーと同じものを使えるようになっている。
だが、わずかながら日本人には使えないものもある。
例えばKuCoinには法定通貨の入金機能があるのだが、それは残念ながら今のところ、日本円の入金に対応しておらず使えない。
KuCoinは未成年でも使えますか?
KuCoinには国内取引所と同じように年齢制限が設けられており、18歳以上*でないと利用することができない。*正確には18歳以上、または独立して民事責任を負える者
おすすめのサービスはありますか?
あくまで筆者の主観的意見だが、手間いらずで運用できる「ボット取引」は、非常に便利なサービスだと感じる。
また、「Shark Fin」や「Snowball」といった独自の仕組商品も、KuCoinを使うならぜひ触れてみてほしいと思う。
KuCoinのサービスまとめ
今回は、KuCoinが提供する主なサービスの要点を解説した。
この記事のまとめ
- 現物取引(取引所)では、0.1%以下の手数料で豊富な銘柄を売買できる
- ボット取引を使った自動売買が可能
- ステーキングなどからインカムゲインを得られる
- Shark FinやSnowballといったユニークな仕組投資商品もある
KuCoinの現物取引(取引所)では、0.1%以下のリーズナブルな手数料で、700種類を超える仮想通貨を取引することができる。
また、購入した仮想通貨は、貯蓄やステーキング、レンディングなどで運用することができる。
さらに、Shark FinやSnowballなど、競合他社にはない商品にトライしてみるのも面白いだろう。
本記事をとおして興味を持った方は、ぜひこの機会にKuCoinの利用を検討してみてほしい。