海外の競合と比べても、ユニークなサービスが多く用意されている「KuCoin(クーコイン)」。
そんなKuCoinを使ってみたいと思いつつも、そもそも日本人がKucoinを使えるのかわからないという人もいるでしょう。
結論から言うと現状Kucoinは、日本人でも何ら問題なく利用することができます。
ところがネット上では、一部で「日本人はKuCoinを使えない」といった誤った情報も流れています。
本記事ではそんなKuCoinについて、誤情報が流れる経緯も含めた日本人利用に関する情報や、日本人が利用したときに得られるメリットなどを解説していきます。
この記事からわかること
- 日本人利用に関するKuCoinの現況
- 日本人利用に関する今後の見通し
- 日本人がKuCoinを利用するメリット
- KuCoinを利用する際の注意点
KuCoinの特長
- 取扱通貨が700種類以上
- 日本語表記に完全対応
- 低コストで豊富な銘柄を売買可能
- サービスのバリエーションが豊富
- セキュリティ、資産保護の体制が万全
目次
KuCoinは日本人でも使える?
冒頭にも述べたように本記事執筆時点(2024年12月)において、KuCoinは日本人でも何ら問題なく利用することができます。
実際に口座を開設してしまえば、利用できることを簡単に明らかにできますが、ここでは利用可能である根拠として、KuCoinの利用規約をチェックしておきましょう。
Chapter 3 Registered Users
Article 17 Each User shall hereby make the following undertakings:
(中略)
(5) the User (whether as an individual or legal entity) is not a resident of or registered in, any of the Restricted Locations.
For the purpose of this Agreement, “Restricted Locations” shall include the United States(including US territories, such as Puerto Rico, Guam, the Northern Mariana Islands, American Samoa, and etc.), Singapore, the mainland of China and Hong Kong, Thailand, Malaysia, Ontario Canada (the list of “Restricted Locations” may be updated from time to time at the Platform’s sole and absolute discretion) ;
KuCoin-Terms of Use
和訳
第3章 登録ユーザー
第17条 ユーザーは以下の事項を遵守するものとする。
(中略)
(5) ユーザー (個人・法人とも) は、
「制限された場所」のいずれにも居住していないか、または「制限された場所」に登録されていない
こと。
本契約の目的上「制限された場所」には、
- アメリカ合衆国(プエルトリコ、グアム、北マリアナ諸島、米領サモアなどの米国領土を含む)
- シンガポール
- 中国本土および香港
- タイ
- マレーシア
- カナダのオンタリオ州
が含まれることとする。
(「制限された場所」のリストは、プラットフォームの単独かつ絶対的な裁量により、随時更新される場合がある。)
このようにKuCoinの利用規約では、サービスを提供しない場所(規約上の表記は「制限された場所」)が定められています。
しかし、そのリストの中に日本は含まれておらず、つまりは「日本人はKuCoinを利用できる」ということになっています。
日本人へのサービス提供は違法?
繰り返しになりますがKuCoinは現在、日本人投資家に対してサービスを提供しています。
一方でその行為は、実は日本の法律だと違法状態にあることを知っておくべきでしょう。
日本の法律(資金決済法)だと以下のように、「すべての仮想通貨取引所は、事業者登録をしてからでないとそのサービスを日本人向けに提供してはならない」と定められています。
資金決済法63条の2
〔暗号資産交換業者の登録〕
暗号資産交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない。
ところがKuCoinは、日本での事業者登録をおこなわない状態(上記の条文を無視した状態)で、日本人に対するサービスを展開しています。
なおKuCoin自体は日本の法律上で違法状態にありますが、そのKuCoinを使う日本人ユーザーに対し、法的な罰が下されることはないので、その点については安心です。
しかしKuCoinを利用するなら、今のところ自身に直接的な影響がなくとも、KuCoinが日本で違法状態にあることは”潜在的なリスクの1つ”として把握しておくべきでしょう。
日本から撤退する可能性はある?
KuCoinなど日本人にサービスを提供している海外取引所は、資金決済法に反しているので、当然ながら大半が金融庁から警告を受けています。
その結果、過去には日本市場から撤退していったところもいくつかあります。
そこでここでは、将来KuCoinが日本から撤退する可能性があるかどうかを考察してみましょう。
実はKuCoinは、2018年に一時、日本人の受け入れを止めるような動きを見せていました。
具体的に言うと、2018年6月に公式サイトおよびSNS上で日本人の受入停止を発表し、「日本語表記対応の廃止」と「本人確認(KYC)の受付規制」をおこないました。
ところが、具体的なアナウンスがないままいつの間にか日本語表記が復活し、日本人の本人確認も受け付ける状態に戻りました。
またその後は2024年1月現在まで、資金決済法を無視して、日本人を受け入れる状態が続いています。
このようにKuCoinには、一旦は日本の法律に従うようなそぶりを見せながら、結局元の状態に戻した過去を持ちます。
金融庁に対して現状「聞く耳を持たず」といったスタンスであり、あくまで推測に過ぎませんが、日本の規制当局が強権的なアプローチに打って出るなど、よほど状況が様変わりしない限り、日本人を受け入れるKuCoinの体制は今後も保たれるでしょう。
KuCoinを利用するメリット
さてここまでの解説で、KuCoinは現状、日本人でも問題なく使える海外取引所の1つだということを理解してもらえたでしょう。
そこで続いては、KuCoinを使うとどういったメリットを享受できるのかを紹介します。
さまざまなメリットがあるが、日本人投資家にとって特に大きなメリットは以下の3つです。
KuCoin利用の主なメリット
- さまざまな銘柄に触れられる
- リーズナブルな手数料で取引できる
- 国内取引所にはないサービスを使える
さまざまな銘柄に触れられる
国内取引所の場合、もっとも豊富な銘柄を扱う「Binance Japan」でも、その取扱銘柄数は50種類ほどです*。*2024年12月時点
一方でKuCoinなら、国内取引所とはケタ違いとなる、700種類以上もの仮想通貨に触れることができます。
また、そうした国内取引所にはない銘柄に投資できることが、一部の日本人投資家が海外取引所を愛用する最大の要因となっています。
リーズナブルな手数料で取引できる
KuCoinの現物取引における取引形式は、ユーザー同士で取引できる「取引所」がメインとなっています。
また「取引所」は手数料がリーズナブルであることが魅力の1つであり、KuCoinの場合は0.1%以下*の手数料で取引を楽しめます。*「トップ仮想通貨」の場合
なお、KuCoinと国内各社の現物取引(取引所)のサービスと比べたときに、手数料だけを見ると両者に大差はありません。
ただ先ほど述べたように、KuCoinなら国内取引所と違って、700種類を超えるさまざまな仮想通貨を割安な手数料で取引することができます。
国内取引所にはないサービスを使える
国内取引所は、サービスのバリエーションが乏しいところが多いです。
かたやKuCoinは、ステーキングやレンディングなどのポピュラーなサービスがあるのはもちろんのこと、先物取引や自動売買(ボット取引)など国内取引所にはないサービスが揃っています。
また、海外取引所の中でも珍しい「仕組投資商品」があるのも魅力です。
なおKuCoinのサービスについては、以下の記事でより詳しく解説しています。
KuCoinの利用を考えている方はぜひ、参考にしてみてください。
KuCoinを利用する際の注意点
それでは最後に、KuCoinを利用する際に注意すべきポイントを3つ紹介します。
利用時の注意点
- 日本円の入金は不可
- 日本語翻訳がなされていない部分もある
- 商品ごとのリスクリターンに対する理解が必須
日本円の入金は不可
KuCoinには法定通貨を入金する機能がありますが、残念ながらその機能は、今のところ日本円に対応していません。
つまり国内取引所のように、直接日本円を元手にして取引することはできないということです。
そのためKuCoinを利用する際には、以下のように国内取引所との併用が基本となります。
利用時の基本の流れ
- 国内取引所で元手となるBTCなどを購入
- 国内取引所からKuCoinへBTCなどを送金
- KuCoinでBTCなどをステーブルコインに換金
- KuCoinでステーブルコインを使って取引
併用すると当然、送金の手間とコストが余分にかかります。
日本語翻訳がなされていない部分もある
KuCoinの大半のサービスは、日本語表記に対応していて直感的に操作できます。
しかし例えば、WonderLand(KuCoinが手がけるNFTローンチプラットフォーム)の各種NFTの説明文など、部分的に和訳がなされていないところもあります。
サービス以外では、先ほど一部を紹介した利用規約(Terms of Use)も、日本語版がありません。
もしも英語が不得手なら、こうしたKuCoin側で和訳されていない部分は、Goolge翻訳などを使って自ら和訳する必要があります。
商品のリスクリターンに対する理解が必須
前述のとおりKuCoinでは、国内取引所にはないサービスが数多く用意されています。
そうしたサービスに触れられることは醍醐味の1つですが、中には高いリスクを伴うものもあるため、注意が必要です。
これまで使ったことがないサービスに触れるときは、必ず事前に、そのサービスの仕組みや想定のリスクリターンを正しく把握するように心がけましょう。
まとめ:KuCoinは日本人でも使える!
今回はKuCoinの日本人利用に関する情報や、KuCoinを利用するメリットなどを解説ししました。
この記事のまとめ
- KuCoinは現状、日本人でも問題なく使える
- 2018年に一時、KuCoinは日本市場から撤退するそぶりを見せたが取りやめた
- よほどの環境の変化がなければ、今後撤退する可能性は低いと見られている
- KuCoinを使えば、リーズナブルな手数料で700種類以上の銘柄を取引可能
2018年に撤退騒動がありましたが、それ以降数年に渡って、KuCoinは何ら変わりなく日本人投資家へのサービス提供を続けています。
そのため、罰則の強化などよほどの環境の変化がない限りは、今後も日本人への扱いは変わらないと見られています。
まだ口座をお持ちでない方は、ぜひ安心して、この機会にKuCoinの利用を検討してみてはいかがでしょうか。