仮想通貨は、手持ちの銘柄を貸し付けて利息を得る「レンディング」で運用することもできる。
また、一概にレンディングといってもさまざまなサービスがある。
その中でも今回取り上げるのは、国内企業の株式会社HashHubが手がけるレンディングサービス「HashHubレンディング」だ。
本記事ではHashHubレンディングについて、主な特徴や国内取引所のレンディングサービスとの違い、ユーザーからの口コミや始め方などを紹介していく。
レンディングに興味を持っている方は、ぜひ最後まで読んで、今後の参考にしてもらいたい。
この記事からわかること
- HashHubレンディングの基本情報、特徴
- HashHubレンディングと国内取引所のレンディングサービスの違い
- HashHubレンディングへの評判・口コミ
- HashHubレンディングの始め方
- 利用時の注意点
HashHubレンディングは仮想通貨取引所ではないため、レンディングを始める際には、先にいずれかの仮想通貨取引所で貸出用の仮想通貨を調達してくる必要がある。
選択肢は豊富にあるが中でもGMOコインなら、HashHubレンディングが扱う4種類の銘柄の内、3種類(ビットコイン・イーサリアム・DAI)の調達が可能だ。
HashHubレンディングとの相性がバッチリなので、ぜひこの機会にGMOコインのこともチェックしてみてほしい。
目次
HashHubレンディングとは?
名称 | HashHubレンディング |
サービス内容 | 仮想通貨のレンディング |
取扱銘柄 | ビットコイン(BTC) イーサリアム(ETH) USDコイン(USDC) DAI(DAI) |
貸借料率 | 年率1~3%程度 (2023年7月時点、貸借料率は毎月変動) |
複利運用 | 可能 |
貸付上限 | なし |
サイトURL | https://www.hashhub-lending.com |
HashHubレンディング(ハッシュハブレンディング)は、仮想通貨のレンディングサービスだ。
ユーザーは手持ちの仮想通貨をHashHubに貸し付けることによって、利息収入を得ることができる。
運営元は株式会社HashHubで、2021年12月に正規版のサービスが開始された。
なお、HashHubレンディングは、その名のとおりレンディングのみを提供している。
したがって、貸出用の仮想通貨は別途、GMOコインなどの仮想通貨取引所で用意する必要がある。
HashHubレンディングの特徴
HashHubレンディングは、次のような特徴を有している。
主な特徴
- 4つの銘柄を貸し出せる
- 貸出期間と貸し出しの上限値がない
- 複利運用が可能
- リスク管理が徹底されている
- 返還時には手数料がかかるので注意
4つの銘柄を貸し出せる
HashHubレンディングでは、ビットコイン・イーサリアム・DAI・USDCの4種類の仮想通貨を貸し出すことができる。
これらの内でDAIとUSDCは、米ドルに連動したステーブルコインだ。
ステーブルコインは一般的な仮想通貨よりも日々の価格変動が小さく、長期間貸し出しをおこなっても、貸出中の価格変動による損失リスクをより小さく抑えることができる。
また、貸借料率(年率)は銘柄ごとで異なっており、月ごとに更新される仕様になっている。
参考までに本記事執筆時点(2023年7月)での貸借料率は、以下のとおり。
御覧のとおり現状では、ステーブルコインの方が高い貸借料率が設定されている。
貸出期間と貸し出しの上限値がない
一般的に国内の仮想通貨取引所が提供するレンディングサービスは、募集がかけられた時点で、あらかじめ貸出期間が定められている。
また、借り手である仮想通貨取引所側の借りたい数量に上限があり、その上限値に達してしまうと、募集が締め切られてしまう。
さらに、望んだ銘柄で常時募集があるわけではない。
参考として、BitTradeのレンディングサービスを見てみよう。
BitTradeは、仮想通貨取引で扱う銘柄の一部で、定期的に貸し出しの募集がかかるようになっている。
また、募集がかかる段階で貸出期間と貸し出しの上限値が明示されており、応募によって上限値に達すると、以降は貸し出しの申し込みができなくなる。
一方でHashHubレンディングの場合は、どの銘柄もいつでも貸し出しができる。
また、貸出期間は設定されておらず、やめるタイミングは自分で選べる。
さらに貸し出しの上限値がないので、望んだ数量での貸し出しが可能*だ。*下限値は設定されている
複利運用が可能
前述のとおり国内の仮想通貨取引所のレンディングサービスでは、一般的に貸出期間が設定されており、その期間が満了すれば、貸し出した仮想通貨と利息が自動的に返還される。
それに対してHashHubレンディングの場合は、貸出期間が無制限である上に、毎月生じる貸借料は自動的に貸出資産へと組み入れられる。
つまり、自らストップをかけない限り、自動的に複利運用がなされていくということだ。
リスク管理が徹底されている
レンディングサービスは、資産を長期間貸し付けるため、安全性の確保が最優先事項の1つだと言える。
HashHubレンディングは、以下のような施策をおこなうことにより、安全かつ安定した利用環境を構築している。
安全・安定のための施策
- 返還先アドレスを「ホワイトリスト」として管理
- DeFi / 金融の専門家によるリスク管理
- 重要な操作には「二段階認証」が必須
- 社内基準によるDeFiプロトコル監査
- ウォレットシステムに「BitGo」を採用
- 「複数名承認」を必要とする資金取扱フローを採用
- 「資産取扱方針」の策定と準拠
- 市場環境にあわせた貸借料率の見直し
ホワイトリストとは?
ホワイトリストとは、対象を選別して受け入れたり拒絶したりする仕組みのことだ。
HashHubレンディングの場合、あらかじめユーザーが登録した返還先アドレスがホワイトリストとなる。
事前登録したアドレス以外(=ホワイトリスト以外)から資産の返還申し込みがあった場合には、その申し込みは拒否される。
BitGoとは?
BitGoは、アメリカ・カリフォルニア州に本拠地を置く企業で、仮想通貨ウォレットのサービスやカストディ(保管)サービスを手がけている。
カストディ業界の大手の一角であり、世界50カ国以上に多くの顧客を抱えている。
仮想通貨取引所のサービスとの比較
ここで、国内取引所のレンディングサービスとHashHubレンディング、それぞれのメリット・デメリットを整理・比較してみた。
国内取引所のサービスのメリット・デメリット
まずは、国内取引所のレンディングサービスのメリット・デメリットを整理した。
メリット
- 貸し出せる仮想通貨の種類が豊富
- 利回りが年利10%を超えるケースもある
- 貸し出す仮想通貨の用意が簡単
デメリット
- 定められた期間を満了するまで、途中でやめられない
- 常に募集があるわけでない⇒情報収集が欠かせない
- 自動での複利運用はできない
国内取引所のレンディングサービスは、利用するプラットフォームや貸し出す銘柄、期間などによっては、年率10%を超えるリターンを得られるケースもある点がメリットとして大きい。
また、貸し出す仮想通貨は、レンディングサービスを提供している仮想通貨取引所で直接調達できるので、下準備の手間がかからない。
一方で、貸し手側の都合で貸し出す銘柄や貸出期間を自由に決めることができない点が、デメリットとなっている。
HashHubレンディングのメリット・デメリット
次に、HashHubレンディングのメリット・デメリットも確認していこう。
メリット
- 貸し手の望んだタイミング、数量で貸し出せる
- 貸出期間が無制限
- 自動で複利運用してくれる
- ステーブルコインを貸し出せる ⇒ 貸出中の価格変動による損失リスクが小さい
デメリット
- 貸し出す銘柄を仮想通貨取引所などから送らなければならない
- やめて出金するときに手数料を取られる
- 貸し出せる銘柄の種類が少ない
HashHubレンディングは、取り扱う銘柄は限られているものの、タイミングや貸出数量などを貸し手側の都合で自由に決められる点が魅力だ。
また、レンディングを自らやめない限り、自動的に複利運用をしてくれるのもありがたい。
ただし、貸し出す仮想通貨を送ったり、レンディングを止めて仮想通貨を引き出したりする際に、手間とコストがかかるという難点もある。
以上、国内取引所のレンディングサービスとHashHubレンディングのメリット・デメリットをそれぞれ紹介した。
御覧のとおり両者には一長一短があり、一概に優劣を決めることはできない。
レンディングに興味がある方は、それぞれの違いをよく理解した上で、自分に合った方を選ぶようにしよう。
ちなみにレンディングサービスは、他にも海外取引所が手がけているものや、DeFi(分散型金融)プロトコルもある。
それらのメリット・デメリットなどは、別途以下の記事で解説しているので、興味がある方はぜひ参考にしてもらいたい。
HashHubレンディングの評判・口コミ
続いて、HashHubレンディングを実際に使っている先輩ユーザーからの口コミを、SNSからピックアップして紹介する。
これまで紹介してきたようにHashHubレンディングは、一度始めてしまえば、手間いらずで利息収入を得られる。
また、貸し出した状態で長期間放置するとなると気になるのはセキュリティ面だが、これまでのところハッキングなどのトラブルはない。
そういった状況からHashHubレンディングは、長期投資メインで取り組んでいる多くの投資家から、好評を得ている。
HashHubレンディングの始め方
それでは、HashHubレンディングでのレンディングの始め方を紹介しておこう。
HashHubレンディングの始め方
- 仮想通貨取引所で貸出用の仮想通貨を用意する
- MetaMaskなどのウォレットに仮想通貨を送る
- メールアドレスを登録
- 二段階認証を設定
- 本人確認情報を提示
- 指定のアドレスへ仮想通貨を送る
仮想通貨取引所で貸出用の仮想通貨を用意する
まずはいずれかの仮想通貨取引所で、HashHubレンディングに貸し出すための仮想通貨を調達しよう。
選択肢は豊富にあるが、国内取引所の中でHashHubレンディングと相性が良いのは「GMOコイン」だろう。
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所) 現物取引(取引所) レバレッジ取引(販売所) レバレッジ取引(取引所) |
取り扱う仮想通貨 | BTC、ETH、BCH、LTC、XRP、 XEM、XLM、BAT、XTZ、 QTUM、ENJ、DOT、ATOM、XYM、 MONA、ADA、MKR、DAI、LINK、 FCR、ASTR、DOGE、SOL、FIL、SAND、CHZ 【全26種類】 |
取引手数料 (BTC/JPYの場合) | 現物取引(販売所):無料、スプレッドあり 現物取引(取引所):Maker -0.01%、Taker 0.05% レバレッジ取引(販売所):無料、スプレッドあり レバレッジ取引(取引所):無料 |
裁量取引以外のサービス | 貸暗号資産ベーシック 貸暗号資産プレミアム つみたて暗号資産(自動積立) ステーキング IEO |
関連記事 | GMOコインの評判・口コミ |
公式サイト | GMOコイン公式サイト |
GMOコインの特長
- 取り扱い銘柄の数が国内最多クラス
- 取引の形式を「販売所」と「取引所」から選べる
- 裁量取引以外のサービスも豊富
- 仮想通貨の出金手数料がかからない
- 取引ツールが高性能
GMOコインならHashHubレンディングが扱う4種類の銘柄の内、3種類(ビットコイン・イーサリアム・DAI)の調達が可能だ。
またGMOコインでは、仮想通貨を外部へと送金する際に、送金手数料がかからない。
なお、USDCを扱う仮想通貨取引所は国内にはない。
そのためUSDCのレンディングをおこないたい場合は、海外取引所もしくはDEX(分散型取引所)を使って、USDCを用意する必要がある。
MetaMaskなどのウォレットに仮想通貨を送る
HashHubレンディングは、個人が利用しているウォレットからの貸し出しを推奨している。
仮想通貨取引所からの送金も原則的には可能だが、仮想通貨取引所とHashHubレンディングの仕様の不整合によって不測のトラブルが発生する場合もあり、そのトラブルに対して誰も補償をできないからだ。
そこで、仮想通貨取引所で貸出用の銘柄を用意したら、一旦その銘柄をウォレットへと送っておこう。
メールアドレスを登録
貸出用の仮想通貨を用意できたら、次はHashHubレンディングのサイトにアクセスし、会員登録をしよう。
メールアドレスを登録し、ログインパスワードを設定すると、HashHubレンディングの会員になることができる。
二段階認証を設定
アカウントが作成されたら、次は二段階認証の設定をしよう。
設定のためには、Google Authenticatorなどの二段階認証用のワンタイムパスワードを生成してくれるアプリが必須だ。
本人確認情報を提示
続いて、本人情報の入力と身分証の提出(アップロード)をおこなう。
利用できる身分証は以下のとおり。
利用可能な身分証
- 運転免許証
- 健康保険証(国保・社保)
- マイナンバーカード(表面のみ)
- 住民基本台帳カード(写真付きカードのみ)
- 在留カード
- 運転経歴証明書
- 特別永住者証明
- パスポート*
*居住地が海外の場合
指定のアドレスへ仮想通貨を送る
ひと通りの準備が整ったら、あとはHashHubレンディングへ用意した仮想通貨を送るだけだ。
自身のアカウントにログインし、貸し出したい銘柄のアドレスへの送金が完了すると、レンディングがスタートする。
以上、HashHubレンディングでのレンディングの始め方を紹介した。
HashHubレンディングは、貸出用の仮想通貨の送金にやや手間を要するが、仕組みは非常にシンプルで、始めてしまえばあとは手間いらずで運用できる。
興味がある方は、GMOコインで貸出用の仮想通貨を用意するところから始めてみるとよいだろう。
HashHubレンディング利用時の注意点
さて、実際にHashHubレンディングを利用する際には、以下の3つの点に注意してほしい。
利用時の注意点
- 送金時にネットワーク設定を間違えないこと
- 最低貸借数量が設定されている
- 返還時に手数料を取られる
送金時にネットワーク設定を間違えないこと
例えばUSDCは、イーサリアムチェーンやSolanaチェーンなど、複数のブロックチェーン上で発行されている。
しかしHashHubレンディングで貸し出せるUSDCは、イーサリアムチェーン上のものだけだ。
その他の銘柄も、対応ネットワークはそれぞれ以下の1種類のみとなっている。
対応ネットワーク
- ビットコイン:ビットコインチェーン
- イーサリアム:イーサリアムチェーン
- DAI:イーサリアムチェーン
- USDC:イーサリアムチェーン
これら以外のネットワークから送金しても、HashHubレンディング側は送られた仮想通貨を受け取れないので、ネットワークの選択を間違えないように注意しよう。
最低貸借数量が設定されている
HashHubレンディングにおいて、貸し出しの上限値はないが、下限値は設定されている。
それぞれの銘柄の最低貸借数量は、以下のとおりだ。
最低貸借数量
- ビットコイン:0.001 BTC~
- イーサリアム:1.0 ETH~
- DAI:5,000 DAI~
- USDC :5,000 USDC~
最低貸借数量を下回る数量を送った場合、レンディングは開始されないので注意しておこう。
返還時に手数料を取られる
HashHubレンディングでは、レンディングをやめて貸し出していた仮想通貨を返還してもらう際に、手数料がかかる。
返還手数料は、銘柄ごとで以下のように定められている。
銘柄ごとの返還手数料
- ビットコイン:0.0005BTC
- イーサリアム:0.005ETH
- DAI:15DAI
- USDC:15USDC
預け入れる数量と期間によっては、手数料負けしてしまうケースもあるため、十分に戦略を練ってからレンディングにトライするようにしよう。
HashHubレンディングに関するよくある質問
最後に、HashHubレンディングに関してよくある質問を3つ紹介しておく。
よくある質問
- トラベルルールは適用されますか?
- 返還先に仮想通貨取引所のウォレットを指定することは可能ですか?
- 誤って対応していない銘柄を送ったらどうなりますか?
トラベルルールは適用されますか?
トラベルルールとは、仮想通貨取引所における顧客情報の共有に関するルールで、マネーロンダリングなどの不正行為を防ぐためにある。
ただ、HashHubレンディングは仮想通貨取引所ではないため、トラベルルールは適用されていない。
返還先に仮想通貨取引所のウォレットを指定することは可能ですか?
HashHubレンディングからの返還先として仮想通貨取引所のウォレットを指定することは、仕組み上は可能だ。
しかしその場合、仮想通貨取引所とHashHubレンディングの仕様の不整合によって、不測のトラブルが発生することもある。
そのためHashHubレンディングは、仮想通貨取引所のウォレットを返還先にすることを推奨していない。
誤って対応していない銘柄を送ったらどうなりますか?
HashHubレンディングが用意している貸出用のアドレスへ、貸し出しに対応していない銘柄を誤って送金してしまった場合、その銘柄が失われてしまう可能性がある。
また、もしも誤送金によって資産が失われたとしても、HashHubレンディングがその損失を補償してくれることはない。
したがって、送金や返還時の受取の際には、細心の注意を払う必要がある。
HashHubレンディングとは?まとめ
今回は、株式会社HashHubが手がけるレンディングサービス「HashHubレンディング」について、その魅力やユーザーからの口コミ、始め方などを紹介した。
この記事のまとめ
- HashHubレンディングは、ビットコインなどを貸し出して利息収入を得られるサービス
- 貸し出せる仮想通貨は4種類で、いずれも貸し出せる数量の上限値はない
- いつでも始められて、貸出期間は無制限
- 貸借料は毎月支払われ、自動的に貸出資産へ組み入れられていく
- 本記事執筆時点(2023年7月)での利回りは年利1~3%程度
HashHubレンディングは、貸出期間と数量に制限がないレンディングサービスだ。
また、自動的に複利運用をしてくれる点も魅力で、長期投資家との相性が良い。
本記事をとおして興味を持った方は、GMOコインなどで元手となる仮想通貨を用意し、実際にHashHubレンディングに触れてみてはいかがだろうか。