【IEO銘柄】FCRコインはオワコン？現状を整理し、将来性を徹底考察

2022年にGMOコインのIEO*で販売された、日本発祥のファントークン「FCRコイン（FC RYUKYU COIN）」。＊資金調達のためのプレセールのこと

IEOでは用意された4億5,000万枚が完売し、2022年当時、投資家界隈で大きな話題を呼びました。

ただ、FCRコインを取り巻く昨今の情報を1つずつ精査していくと、今はあまり思わしくない状況に置かれていることが見えてきます。

本記事ではそんなFCRコインについて、主な特徴や将来性などをわかりやすく解説していきます。

Sai

今のFCRコインに関心がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください！

FCRコインは、IEOを経てGMOコインに上場しました。

またGMOコインは、オリコン顧客満足度でNo.1を獲得*するほど、ユーザーから好評を得ています。＊2023年 オリコン顧客満足度®調査 現物取引部門・証拠金取引部門

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FCRコインとは？

FCRコイン（FC RYUKYU COIN）は、Jリーグに所属するサッカークラブ「FC琉球」を運営する琉球フットボールクラブ株式会社が発行・管理しているファントークンです。

ファントークンは、2021年にヨーロッパのサッカークラブを中心として、仮想通貨業界で大きなブームになりました。

そのブームに追従する形で、2021年8月にFCRコインはローンチされました。

なお2024年10月時点では、

の国内2社が、FCRコインを取り扱っています。

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FCRコインの特徴

さてFCRコインは、次のような特徴を持っています。

FC琉球を金銭的に支援できる

発行元であるFC琉球は、Jリーグに所属するプロサッカークラブです。

ただ、プロチームと言えど一概に儲かっているわけではなく、FC琉球も運営資金に関して課題を抱えていました。

資金調達手段としてもっともポピュラーなのは株式の販売（IPO）ですが、これがサッカークラブの場合だと、「ファン・サポーターはその株式を買えない」といった制約があって難しいとのこと。

そこで、サッカークラブでもファンやサポーターから金銭的支援を受けられる手段として「ファントークン」に白羽の矢が立ち、FCRコインが発行されました。

GMOコインでのIEOで販売された

FCRコインは、GMOコインのIEOにて、市場上場前に先行販売されました。

IEOでは、1枚あたり2.2円で4億5,000万枚（販売総額9億9,000万円）が販売されました。

もちろんGMOコインに対するインセンティブの支払いもあったはずですが、FC琉球はこのIEOをとおして、約10億円の資金調達に成功したことになります。

条件を満たすと特典を得られる

FCRコインの恩恵を受けられるのは、発行元のFC琉球だけではありません。

FCRコインを買ったファンやサポーターは、保有量などの一定の条件を満たすことで「トークンパートナー」になることができ、次のような特典を受けられます。

複数のユーティリティを持つ

FC琉球は、「FC RYUKYU SOCIO」というコミュニティサイトを運営しています。

FC RYUKYU SOCIO

そのサイトにてFCRコインは、次のようなユーティリティを与えられています。

FCRコインの値動き

ここで、FCRコインのこれまでの値動きを確認しておきましょう。

次のチャートは、市場への上場を果たした2022年5月18日から、2024年10月中旬までの値動きを表しています。

FCRコインはIEOを経て、2022年5月18日にGMOコインへと上場しました。

上場時の始値は、IEOでの販売価格（2.2円）に近い1.998円でしたが、上場したその日の内に一時は0.49円まで大暴落。

また上場当日に暴落して以降、2年以上に渡って復調の兆しはなく、0.2～0.4円程度のレンジで横ばいの値動きが続いています。

将来性に関わる注目ポイント

目ぼしい値動きがないことからも想像できると思いますが、FCRコインの将来性は、お世辞にも明るいとは言えません。

具体的には、以下のようなネガティブな要素があります。

チーム成績が低迷し、発行元も赤字

IEOが実施された2022年にFC琉球は、Jリーグの中でJ2に所属し、J1への昇格を目指して活動していました。

ところが、その2022年シーズンで下位に沈み、J1に昇格するどころかJ3に降格してしまいました。

2023年の成績も振るわず、低迷が続いています。

また、クラブの運営元およびFCRコインの発行元である、琉球フットボールクラブ株式会社の業績も芳しくありません。

琉球フットボールクラブは、2024年1月期*における2023年10月31日までの累計の業績を公開していますが、それによると約2億8,000万円の赤字となっているとのこと。＊2023年2月1日～2024年1月31日

ちなみに、ホワイトペーパーに記載されていた、FCRコイン発行当初の事業計画は以下のとおり。

J2優勝どころか、2023年にはJ3でも下位に沈み、当然ながら営業収入の目標値にも全く手が届いていません。

チームの成績が落ちていくばかり、また運営会社も赤字という状況では、チームを応援するファンはともかく、投資家がFCRコインを積極的に買うことはないでしょう。

調達資金を使い果たしてしまった

IEOで調達した約10億円は当初、5年をかけて大事に使われる計画となっていました。

ところが実際には、2023年1月期（2022年2月1日～2023年1月31日）の業績が大幅に赤字だったため、その赤字を埋めるために一括で使われています。

当然そんなものは付け焼刃で、先ほど紹介したように2024年1月期はまた赤字です。

また、FCRコインおよびコミュニティサイトのFC RYUKYU SOCIOは、毎年ランニングコストがかかっています。

FCRコインがまともに取引されなければ、そのランニングコスト分を補うことができず、チーム運営にとってむしろ足かせになっているはずです。

そうした杜撰な状況が容易に透けて見えるので、賢明な投資家は、まずFCRコインには手を出さないでしょう。

ローカルな需要しかない

ファントークンは、2021年にヨーロッパのサッカークラブを中心として、大きなブームになりました。

ヨーロッパの1部リーグに属する人気チームのファントークンは、ヨーロッパのみならず世界中にファンがいるため、ブームが落ち着いても需要をそれなりに維持できているものが多いです。

例えばフランスのサッカークラブ「パリ・サンジェルマン」のファントークンは、日々の取引高が300万ドル（約4.5億円）もあり、時価総額は3,500万ドル（約52億円）を超えています*。＊2024年4月21日時点、CoinMarketCap調べ

一方でFC琉球はというと、所詮は島国のローカルチームで、グローバルな人気は皆無でしょう。

それどころか日本人のファンも、ほぼ沖縄に限られているはずです。

投資需要を期待できないうえに、実需も乏しければ、ただただシステムの維持にコストがかかるばかりです。

Sai

この有様だといずれFCRコインは、存在そのものを維持できなくなるのではないでしょうか…

FCRコインに関するQ＆A

それでは最後に、FCRコインに関してよくある質問を3つ、紹介しておきます。

FCRコインの発行基盤は何ですか？

FCRコインはイーサリアムチェーンを基盤としており、「ERC-20」というトークン規格に準拠しています。

FCRコインのトークノミクスはどのようになっていますか？

FCRコインの総発行数量は10億FCRで、その内の45％（4億5,000万FCR）がIEOで販売されました。

また残りの55％は、プロジェクトおよびその運営チームに割り振られており、以下のとおり少しずつ供給される仕様になっています。

発行元の業績はどこで確認できますか？

発行元である琉球フットボールクラブ株式会社の業績は、FCRコインの公式サイトで、四半期ごとに開示されています。

FCRコイン公式サイト

FCRコインはオワコンかも…

今回はFCRコインについて、その特徴や将来性などを解説しました。

FCRコインは、ファントークンのブームにあやかるべく、2021年にローンチされました。

IEOをとおして短期的には資金調達に成功したが、その資金は赤字補填のために1年で使い切られています。

また、開示情報でお金の流れを見ると、今はむしろシステムの維持コストが経営を圧迫しているように思えます。

正直なところ、FC琉球の長期的な見通しが甘かったと言わざるを得ない状況にあり、今からFCRコインに投資することはあまりおすすめしません。

ただ、FCRコインの上場先であるGMOコインには他にも魅力的な銘柄が揃っているので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。

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