今回取り上げる「EOS Network」は、プラットフォーム型のブロックチェーンであり、同チェーンを基盤としてさまざまなDApps(分散型アプリ)が稼働している。
またネイティブトークンの「EOSトークン」は、2023年9月に国内市場への上場を果たしている。
今回はそんなEOS NetworkとEOSトークンについて、主な特徴や将来性などをわかりやすく解説していく。
この記事からわかること
- EOS Network/EOSトークンの基本情報
- EOS Network/EOSトークンの4つの特徴
- EOSトークンの値動き
- EOS Network/EOSトークンの現状と将来性
EOSトークンは、2023年にBitTradeをとおして、国内市場に上場した。
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EOSトークンに限らず、さまざまな銘柄への投資にトライしてみたい方は、ぜひBitTradeを使ってみてほしい。
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目次
EOS Network/EOSトークンとは?
名称 | EOSトークン |
シンボル・通貨単位 | EOS |
ローンチ時期 | 2017年 |
サイトURL | https://eosnetwork.com/ |
主な上場先 | BitTrade Binance Japan |
EOS Networkは、DAppsやNFTの開発基盤となっている、プラットフォーム型のブロックチェーンだ。
ケイマン諸島に拠点を置くブロックチェーン開発企業「Block.one」によって、2017年に開発・ローンチされた。
ネイティブトークンは「EOSトークン」といい、ガス代(ネットワーク手数料)の支払いやステーキングなどに用いられている。
EOSトークンは2023年9月にBitTradeから、国内市場への初上場を果たした。
また2024年4月時点では、BitTradeとBinance Japanの国内2社で取り扱われている。
EOS Network/EOSトークンの特徴
さてEOS NetworkおよびEOSトークンは、次のような特徴を有している。
主な特徴
- DAppsを開発できるL1チェーン
- イーサリアムチェーンとの互換性を持つ
- コンセンサスアルゴリズムはDPoS
- 高速・低コストで利用できる
DAppsを開発できるL1チェーン
繰り返しになるがEOS Networkは、プラットフォーム型のレイヤー1(L1)ブロックチェーンであり、DApps(分散型アプリ)やNFTの開発基盤として機能している。
またパブリックチェーンなので、だれでも開発への参入が可能だ。
ジャンルは絞られておらず、NFTゲームやDeFi(分散型金融)プロトコルなど、さまざまなDAppsが稼働している。
イーサリアムチェーンとの互換性を持つ
EOS Networkには、「ネイティブチェーン」と「EVMチェーン」という2種類のネットワークが存在する。
EVMチェーンは、ネイティブチェーンと同等の性能を持ちつつ、イーサリアムチェーンとの互換性も有している。
EVMとは?
EVM(イーサリアム仮想マシン)とは、イーサリアムチェーンでつくられたスマートコントラクトを実行するための仮想環境のこと。
EVMチェーン(=EVM互換のブロックチェーン)は、イーサリアムチェーンで開発されたプロダクト(スマートコントラクト)を、書き換えなしで実行できる能力を持つ。
コンセンサスアルゴリズムはDPoS
EOS Networkは、コンセンサスアルゴリズム(取引を検証し、記録するための仕組み)に、「DPoS(デリゲート・プルーフ・オブ・ステーク)」を採用している。
DPoSでは、ネットワークの参加者が投票(ステーキング/デリゲート)によって、信用できるブロック生成者(バリデーターという)を選出する。
投票でバリデーターの数が絞られるため、他のコンセンサスアルゴリズムと比べてDPoSは、トランザクションの処理効率が優れている。
高速・低コストで利用できる
EOS Networkは、コンセンサスアルゴリズムを含めたその構造上、トランザクション(取引)を高速で処理できるようになっている。
公式の表記によると、1秒ごとに1万件以上のトランザクションを処理できるとのこと。
また、処理にかかる負荷が軽いため、ガス代(ネットワーク手数料)も最小限に抑えられている。
EOSトークンの値動き
ここで、EOSトークンの値動きをチェックしておこう。
リアルタイムの値動き
まず、リアルタイムの値動きは以下のとおりだ。
2023年末までの値動き
次にEOS/USDチャートで、2017年10月から2023年末までの値動きを振り返っていこう。
EOSトークンは、2017年末から2018年初頭にかけてのいわゆる「ビットコインバブル」で、一度大きく高騰している。
また、2021年に起きた「コロナバブル」でも高騰しているが、その際には2018年に付けた高値に遠く及ばなかった。
さらにコロナバブルが崩壊して以降は、長らく目ぼしい値動きがない。
このようにEOSトークンは、ピークが2018年のビットコインバブルの頃であり、年を経るごとに勢いを失ってきている。
将来性に関わる注目ポイント
先ほど紹介したEOSトークンの価格推移からも想像できるだろうが、EOS NetworkとEOSトークンの将来性は、お世辞にも明るいとは言えない。
具体的には、以下のようなネガティブな要素がある。
将来性に関わる注目要素
- 知名度や性能で競合に押されている
- 何かとトラブルが絶えない
- 市場の波に乗れなくなってきた
知名度や性能で競合に押されている
2017年のローンチ当初、EOS Networkは、イーサリアムチェーンに対抗し得る「イーサリアムキラー」の1つとして期待されていた。
しかし現状を見ると、結局イーサリアムチェーンの地位は不動であり、また一時は「イーサリアムキラー」として一括りでみられていたSolanaチェーンやポルカドットチェーンなどにも、今や大きく差を付けられてしまっている。
さらに、プラットフォーム型のブロックチェーンは次々と高性能なものが新しくつくられており、当然そうした新興チェーンには性能でまったく及ばない。
このようにEOS Networkは、時を経るごとに多方面で、競合への対抗力を失ってきている。
何かとトラブルが絶えない
実はEOS Networkの周囲では、今までに幾度もトラブルが発生している。
具体的に上げると以下のとおり。
EOSを取り巻く主なトラブル
2019年3月:
⇒ ハッキングによって、韓国の大手仮想通貨取引所からEOSトークンが流出
2019年6月:
⇒ アメリカの格付け機関Weiss Ratingsが、技術面のスコアにおいて、仮想通貨EOSを格下げ
2019年10月:
⇒ アメリカの証券取引委員会(SEC)が、EOSトークンのICO(資金調達のためのプレセール)が未登録だったと、開発元のBlock.oneに罰金を科した
2020年5月:
⇒ 未登録ICO問題に起因して、投資家がBlock.oneを集団提訴
2021年9月:
⇒ 2017年におこなわれたICOにて、人為的な価格吊り上げがあったのではないかという疑惑が浮上
2021年12月:
⇒ コミュニティの決定で、開発元であるBlock.oneへの資金配分を停止
2022年10月:
⇒ EOS財団が、2017年のICOに関して開発元のBlock.oneを提訴
EOSでは、ICOがらみのトラブルが長らく続いている。
また財団とコミュニティが、開発元であるBlock.oneと対立しており、当然ながらそんな状況では競合とまともに戦えるはずもない。
さらに、そうした状況を投資家も認識しているので、投資需要が失われていくのは自明の理だと言える。
市場の波に乗れなくなってきた
EOSトークンと他の銘柄の値動きを見比べてみると、市場での位置付けの変化が如実にわかる。
以下に示すのは、EOSトークンとイーサリアムを並べたチャートだ。
これを見るとイーサリアムは、
- 2021年のコロナバブル時に史上最高値を大幅に更新
- 2023年中頃から、コロナバブル時に迫る勢いで高騰
といったように、非常に堅調に推移していることがわかる。
一方でEOSトークンは、
- 2021年のコロナバブルで、2018年に付けた高値にまったく届かず
- コロナバブルの崩壊以降、目ぼしい値動きなし
と散々な状況だ。
また、EOS Networkの開発側が起死回生の手を打たない限り、状況は今後さらに悪化していくことだろう。
ちなみに海外取引所のOKXは、顧客ニーズの低下を理由に、2024年4月に先物取引の取扱銘柄からEOSを取り除くことを発表した。
一方で国内取引所のBitTradeは、2023年9月になってEOSトークンの取り扱いを始めている。
筆者の意見を包み隠さず言うと、
BitTradeはなぜ、EOSトークンのような淘汰されつつある銘柄を今さら取り扱うようになったのか?
と、非常に疑問に思う。
EOS Network/EOSトークンに関するQ&A
それでは最後に、EOS NetworkおよびEOSトークンに関してよくある質問を3つ、紹介しておく。
よくある質問
- EOS Networkは安全ですか?
- EOS NetworkにはどんなDAppsがありますか?
- EOSトークンの最大供給量は決まっていますか?
EOS Networkは安全ですか?
EOS Networkは2018年6月以降、ダウンタイムが発生していない。
ビットコインチェーンやイーサリアムチェーンなどと並んで、長らく正常稼働し続けているブロックチェーンの1つとなっている。
ダウンタイムとは?
常時使用できることが期待されるシステムが、停止・中断している時間のこと。
また、複数の第三者機関からの監査を受けており、一定の安全性が担保されている。
EOS NetworkにはどんなDAppsがありますか?
EOS NetworkではDeFi(分散型金融)プロトコルやNFTゲームなど、ジャンルを問わずさまざまなDAppsが稼働している。
またその数は、ネイティブトークンとEVMチェーンを合わせると100種類を超えている*。*2024年4月時点
以下のリンクから一覧で確認できるので、興味がある方はぜひ覗いてみてほしい。
EOS Network:エコシステム
EOSトークンを管理できるウォレットを教えてください。
EOSトークンは、MetaMaskやLedgerなどのウォレットで管理することができる。
MetaMaskについては別途解説しているので、まだお持ちでなければ、参考にしてもらいたい。
EOS Network/EOSトークンとは?まとめ
今回はEOS NetworkおよびEOSトークンについて、その特徴や将来性などを解説した。
この記事のまとめ
- EOS Networkは、プラットフォーム型のブロックチェーン
- トランザクションを高速・低コストで処理できる
- 開発元とコミュニティの間で、長らく対立がある
- 時を経るごとに、競合チェーンへの対抗力が失われてきている
今回紹介したようにEOS NetworkおよびEOSトークンは、仮想通貨市場において、存在感が年々薄れてきている。
2003年9月にBitTradeから国内市場への初上場を果たしたのだが、正直なところ今更感が否めない。
筆者の主観的な意見を言わせてもらえば、もしもBitTradeで投資にトライするとしたら、EOSトークンよりも上位互換の「イーサリアム(ETH)」や「ポルカドット(DOT)」に投資した方がいいように思う。