イーサリアムチェーン、およびイーサリアムチェーンのL2チェーンやEVMチェーンに対応したウォレット「MetaMask(メタマスク)」。
2023年9月に「MetaMask Snaps(メタマスク・スナップ)」という機能が追加実装されたことで、MetaMaskはこれまで非対応だったSolanaチェーンでも使えるようになった。
そこで今回は、MetaMask Snapsを用いて、MetaMaskをSolanaチェーンでも使える状態にする方法を解説していく。
この記事からわかること
- そもそもMetaMaskとは?
- MetaMask Snapsとは?
- MetaMaskをSolanaチェーンで使う方法
目次
MetaMaskとは?
名称 | MetaMask |
ローンチ時 | 2016年9月 |
開発元 | ConsenSys |
主な機能 | 仮想通貨やNFTの保管・管理 仮想通貨の購入 仮想通貨やNFTの送受信 仮想通貨のスワップ 仮想通貨のブリッジ ステーキング MetaMask Snaps |
PCの対応ブラウザ | Google Chrome Firefox Brave Microsoft Edge Opera |
スマホの対応OS | iOS Android |
サイトURL | https://metamask.io |
MetaMask(メタマスク)は、イーサリアムチェーン、およびイーサリアムチェーンのL2チェーンやEVMチェーンに対応したウェブウォレットだ。
単に仮想通貨やNFTを管理できるだけでなく、仮想通貨のスワップ機能や、DApps(分散型アプリ)にアクセスするためのゲートウェイとしての機能なども備えている。
PC版はウェブブラウザの拡張機能、スマホ版はアプリとして提供されており、PC版・スマホ版ともにだれでも無料で使える。
MetaMask - Blockchain Wallet
MetaMask無料posted withアプリーチ
またMetaMaskは、2023年9月に新プロトコル「MetaMask Snaps」をリリースした。
MetaMask Snapsとは?
MetaMask Snapsは、MetaMaskにサードパーティの開発者が作成した拡張機能を追加できるプロトコル、およびそのプラットフォームだ。
MetaMask Snapsが登場したことで、ユーザーが自分の好みや目的に合わせてMetaMaskをカスタマイズできるようになった。
ちなみに、本記事執筆時点(2024年6月)でのMetaMask Snapsはまだオープンβテスト版であり、使える拡張機能(Snapという)は70種類ほどとなっている。
また今用意されているSnapは、いずれもMetaMaskの開発企業であるConsenSysの監査を受けてから公開されている。
しかし、将来的に正規版がリリースされれば、Snapの公開がパーミッションレス(管理者の許可が不要な状態のこと)になり、バリエーションが大幅に増える見込みだ。
MetaMaskをSolanaチェーンで使う方法
MetaMask SnapsによってMetaMaskは、これまでは対応していなかったSolanaチェーンでも使えるようになった。
ここでは、MetaMaskをSolanaチェーンで使える状態にする具体的な方法を解説していく。
Solanaで使える状態にする方法
- MetaMask Snapsにアクセス
- MetaMaskに「Solana Wallet」を追加
MetaMask Snapsにアクセス
まずは自身が使用しているMetaMaskを起動し、メニューにある「Snaps」を選択しよう。
Snapsの画面で「Discover Snaps」をクリックすると、MetaMask公式サイトのMetaMask Snapsのページに飛ぶことができる。
MetaMaskに「Solana Wallet」を追加
MetaMaskのサイトに飛んだら、再び「Discover Snaps」をクリックする。
すると、さまざまなSnapが表示されるので、その中から「Solana Wallet」を選択しよう。
Solana Walletは、Solanaチェーンでウェブウォレットを提供しているSolfrareが開発したSnapであり、取り込むことでMetaMaskにSolanaチェーンとの相互運用性を付加してくれる。
Solana Walletの詳細画面が表示されたら、「Add to MetaMask」のボタンをクリックする。
そうすると自身のMetaMaskが起動し、インストールの許可を求められる。
またその要求に応じれば、Solana WalletがMetaMaskへ追加される。
インストールが完了すれば、自身のMetaMaskのSnaps一覧に、Solana Walletがラインナップされる。
手続きは以上で、あとはイーサリアムチェーン上のDAppsと同じように接続の操作をおこなえば、Solanaチェーン上のさまざまなDAppsでMetaMaskを使用することができる。
MetaMask Snapsに関するQ&A
それでは最後に、MetaMask Snapsに関してよくある質問を3つ、紹介しておく。
よくある質問
- MetaMask Snapsはモバイルアプリでも使えますか?
- MetaMask Snapsは安全ですか?
- MetaMask Snapsを利用する際、利用料はかかりますか?
MetaMask Snapsはモバイルアプリでも使えますか?
2024年6月時点では、MetaMask Snapsはアプリ版に実装されておらず、Webブラウザ版(v11.0以降)でしか使用することができない。
MetaMask Snapsは安全ですか?
2024年6月時点のMetaMask Snapsはオープンβテスト版であり、すべてのSnapがMetaMaskの開発元であるConsenSys、および第三者機関での監査を受けてから公開されている。
つまり今のところは、すべてのSnapに対して一定の安全性の担保がなされていることになる。
ただ正規版では、事前の監査なしで各Snapのリリースがなされる見込みだ。
つまり正規版になると、ユーザーは各々で安全性を判断し、自己責任の元で必要なSnapを選択・利用しなければならないということだ。
MetaMask Snapsを利用する際、利用料はかかりますか?
MetaMask Snapsのプラットフォームは、無料で使用することができる。
ただしインストールした各Snapにおいて、利用料の支払いや、有料サブスクリプションの支払いが課されるケースはある。
SolanaチェーンでMetaMaskを使う方法まとめ
今回は、2023年9月に実装された「MetaMask Snaps」を用いて、MetaMaskをSolanaチェーンで使える状態にする方法を解説した。
この記事のまとめ
- これまでMetaMaskはSolanaに非対応だった
- MetaMask Snapsを使うと、拡張機能(Snap)をMetaMaskに追加できる
- Snapの1つ「Solana Wallet」をインストールすると、MetaMaskをSolanaで使える
今回は、事例の1つとしてSolanaチェーン対応のSnap「Solana Wallet」を挙げた。
しかしMetaMask Snapsの恩恵でMetaMaskは、他にもPolkadotチェーンやFilecoinチェーンなど、これまで非対応だった様々な主要ブロックチェーンで使用可能になっている。
またそうした相互運用をもたらすSnap以外に、セキュリティを強化するSnapや、コミュニケーション機能を付加するSnapなども存在する。
興味がある方はぜひ、MetaMask Snapsのページを覗いて、自分の目的に合ったSnapを探してみてほしい。