海外取引所のKuCoin(クーコイン)には、国内取引所にはない多彩なサービスがラインナップされています。
しかし、日本人にとってあまり馴染みがないサービスも多いので、特徴や使い方がわからないという方もいるでしょう。
そこで今回はKuCoinの数あるサービスの中から「ボット取引」にフォーカスし、特徴やバリエーション、基本的な使い方などを解説していきます。
この記事からわかること
- KuCoinのボット取引の概要
- ボット取引を利用するメリット
- ボット取引のバリエーション (全6種類)
- ボット取引のやり方 (現物グリッドの場合)
KuCoinは、世界で3,000万人以上の投資家に選ばれている人気の海外取引所です。
無料で口座をつくれるので、まだKuCoinを使ったことがない方は、ボット取引を始める前に口座開設を済ませておきましょう。
KuCoinの特長
- 取扱通貨が700種類以上
- 日本語表記に完全対応
- 低コストで豊富な銘柄を売買可能
- サービスのバリエーションが豊富
- セキュリティ、資産保護の体制が万全
目次
KuCoinのボット取引とは?

KuCoinのボット取引は、あらかじめ設定したパラメータに従い、ボットが自動的に売買を繰り返してくれるサービスです。
ボット取引には、以下のような多くのメリットがあります。
ボット取引を利用するメリット
- 運用の手間がかからない
- 専門的な知識や技術がいらない
- 取引の内容がメンタルに左右されない
- 24時間365日稼働してくれる
- いくつかの選択肢から投資戦略を選べる
- 設定次第で、利確・損切りまでしてくれる
- 利用手数料が発生しない*
*取引ごとに取引手数料の支払いは必要
ボット取引のバリエーション
さてKuCoinのボット取引には、以下の6種類のバリエーションがあります。
それぞれにどういった違いや特徴があるのか、確認していきましょう。
ボット取引のバリエーション
- 現物グリッド
- 先物グリッド
- 現物マーチンゲール
- スマートリバランス
- インフィニティ・グリッド
- ドルコスト平均法(≒自動積立)
現物グリッド
現物グリッドは、「安く買って高く売る」という取引を自動的に繰り返してくれる、シンプルかつ有効なボットです。
仕組みとしては、FXにおける「ループイフダン注文」とほぼ同じです。
さて現物グリッドでは、あらかじめ以下のパラメータを決めておきます。
設定するパラメータ
- 売買をおこなう価格の範囲
- 指定した価格範囲内でおこなう買い注文と売り注文の合計数
すると以下のチャートのように、指定した価格の範囲内で、決めた注文回数分のグリッドを引いてくれます。

そして対象銘柄の価格が下がるごと(グリッドにかかるごと)に、自動的に買い注文が入ります。

できるだけ安い価格で、自動で買い増しをしてくれるということです。
また、購入後に対象銘柄が値上がりすれば、1グリッド分の利益が出たところで、ポジションごとに利確も自動でしてくれます。

先物グリッド
先物グリッドは、その名のとおり先物取引で自動売買を繰り返してくれるボットです。
基本的な仕組みは、現物グリッドとほぼ同じです。
しかし先物グリッドの場合は、「安く買って高く売る」という形だけでなく、空売りで仕掛けて「高く売って安く買い戻す」という戦略を取ることも可能です。
また、最大で10倍までレバレッジをかけることができます。
現物マーチンゲール
現物マーチンゲールの投資戦略の肝は、平均取得単価を下げることにあります。
このボットでは、対象銘柄の価格が下がると、購入数量を増やしながら買い増しをしていきます。
そうすることで、平均取得単価を下げ、価格変動による損失リスクを抑えることができます。
また利確は、現物グリッドのようにポジションごとにおこなうのではなく、狙った利率に届いた段階で一括でおこなう仕様になっています。

なお、事前に設定しておく項目は以下のとおりです。
事前に設定する項目
- ポジションを買い増しするタイミング
- 買い増ししていく際の最大ポジション数
- 買い増しの際の各ポジションのサイズ
- 利確のタイミング
スマートリバランス
スマートリバランスは、ポートフォリオの資産比率をあらかじめ定めた状態で自動的にキープしてくれるボットです。
例えばビットコインとイーサリアムの2銘柄でポートフォリオを組み、両者が1:1の価値になるようにしたいとしましょう。
最初にそれぞれ100USDT分を購入したとしても、本来はそのまま放置していれば、価格変動によって両者の価値は乖離していきます。
しかしスマートリバランスを使えば、必要に応じてポジション調整がなされ、2つの通貨の価値が一貫して1:1の比率で維持されます。

なお、ここでは例としてビットコインとイーサリアムを挙げましたが、ポートフォリオの構成銘柄とその比率は自由に設定できます。
また、KuCoinが用意したポートフォリオのパターンの中から、好きなものを選んで使うことも可能です。

インフィニティ・グリッド
インフィニティ・グリッドは、現物グリッドに似たボットです。
ただ、少しだけ仕様に違いがあります。
まず現物グリッドですが、こちらはあらかじめ買い注文を入れる価格範囲が決まっています。

その価格範囲を外れると、新規注文は入らなくなります。

一方でインフィニティ・グリッドには、買い注文を仕掛ける価格範囲というものが存在しません。
また、現状の価格から一定の割合(自由に設定可能)ほど値下がりすると、買い注文を仕掛ける仕様になっています。

価格の絶対値ではなく、下落率で「現状が安いかどうか」を判断しているということです。

なお下落トレンドの中で無限に買い増しを続けるのは、高いリスクを伴います。
そのため、買い注文をストップする最低価格は、あらかじめ設定しておくことができます。

ドルコスト平均法(≒自動積立)
ドルコスト平均方法は、あらかじめ設定した期間ごとに、一定額分の仮想通貨の買い増しを自動的にやってくれるボットです。
時間的な分散をおこなうことによって、平均取得単価を調整し、価格変動による損失リスクを抑えることができます。
仕組みとしては、国内取引所が提供する「自動積立」のサービスとほとんど変わりません。
ただKuCoinのドルコスト平均法のボットは、「取引所」形式で買い付けをおこないます。
そのため利用コストは、「販売所」形式で積み立てていく国内取引所の自動積立よりもはるかに低コストです。

また国内取引所の自動積立は決済をしてくれませんが、KuCoinのドルコスト平均法のボットなら、任意で利確決済の設定をしておくことも可能です。

ボット取引の設定方法【現物グリッド】
ここで、6種類のバリエーションの中から「現物グリッド」を取り上げ、その設定方法を紹介しておきましょう。
現物グリッドの設定方法
- 投資する銘柄を決める
- パラメータを設定する
- 投資する金額を決める
投資する銘柄を決める
まずは、投資する銘柄(通貨ペア)を決めましょう。
投資する銘柄は、トークン一覧から選ぶことができる他、直近で実績を残している銘柄や人気のある銘柄から選ぶこともできます。

ちなみにKuCoinでは、基本的にUSDTやUSDCなどのステーブルコインで現物取引をおこないます。
そのため例えば、BTC/USDTのペアで現物グリッドを稼働させたい場合は、買い付けの元手としてUSDTを口座に用意しておく必要があります。
パラメータを設定する
投資する銘柄を決めたら、次はグリッドのパラメータを決めていきます。
先ほども紹介しましたが、設定するパラメータは以下の2つです。
設定するパラメータ
- 売買をおこなう価格の範囲
- 指定した価格範囲内でおこなう買い注文と売り注文の合計数
価格の範囲を狭く、そしてその範囲内での合計注文数を多めにすると、より短期的にリターンを狙う設定になります。
その逆に、価格の範囲を広げて合計注文数も少なくすると、リスクを抑えつつより長期的にリターンを狙う設定になります。

なお、パラメータ設定は自分で決めずに、KuCoinが提示するものをそのまま使うこともできます。

投資する金額を決める
最後に、現物グリッドへの投資金額を決めましょう。
投資する金額は、自分で任意の額にすることができる他、口座残高*を元に割合で決める(50%分を投資するなど)ことも可能です。*USDTで投資する場合は、USDTの口座残高

あとは「作成」ボタンをクリックすれば、自動的にボットが稼働し始めます。

ボット取引に関するQ&A
それでは最後に、ボット取引に関してよくある質問を3つ紹介します。
よくある質問
- ボット取引で本当に稼ぐことはできますか?
- ボット取引でおすすめの通貨ペアはありますか?
- ボット取引の手数料体系はどのようになっていますか?
ボット取引で本当に稼ぐことはできますか?
ボット取引は、投資利益を確約してくれるサービスではありません。
稼げるかどうかは、その時の市場の状況と、ボットの設定によって決まります。
ただ、KuCoinのサイト内にあるボット取引のユーザーランキングを見れば、ボット取引で稼げている人が一定数、確実に存在しているとわかります。

ボット取引でおすすめの通貨ペアはありますか?
初心者の方には、ビットコインやイーサリアムなど、メジャーかつ流動性の高い銘柄への投資からトライしてみることをすすめます。
また使い慣れてきたら、実績のある銘柄や、自身が将来性を感じる銘柄などへの投資にチャレンジしてみるといいでしょう。
ボット取引の手数料体系はどのようになっていますか?
現物を扱うボット取引は、KuCoinの通常の現物取引と同じ手数料ルールに基づいて、取引手数料が徴収されます。
現物を扱うボット取引
- 現物グリッド
- 現物マーチンゲール
- インフィニティ・グリッド
- スマートリバランス
- ドルコスト平均法
また先物グリッドでは、取引手数料が0.06%に固定されています。
ちなみにいずれのボット取引も、利用料が別途発生することはありません。
KuCoinのボット取引とは?まとめ
今回はKuCoinのボット取引について、そのバリエーションや使い方などを解説しました。
この記事のまとめ
- ボット取引は、ボットが自動売買をしてくれるサービス
- ボット取引なら、専門的な知識がなくても稼げる見込みがある
- KuCoinのボット取引は6種類のバリエーションがある
- 現物を扱うボット取引は、通常の現物取引と同じ取引手数料で使える
国内取引所の自動取引のサービス(主に自動積立)は、販売所形式の取引による割高なコストがネックになっています。
一方でKuCoinなら、通常の現物取引(取引所形式)と同じ割安な手数料で、ボット取引が使えます。
また、選べる戦略のバリエーションは、国内取引所のサービスの比ではありません。

興味がある方はぜひKuCoinで口座を持ち、実際にボット取引にトライしてみてはいかがでしょうか。