今回取り上げるNippon Idol Token(ニッポンアイドルトークン、NIDT)は、DMM Bitcoinとcoinbookの2社でのIEO*で販売された仮想通貨だ。*仮想通貨取引所の仲介でおこなわれる新規銘柄のプレセール
IEOでは約1/3が売れ残りさらに上場直後に暴落の憂き目に遭ったため、上場当初からNippon Idol Tokenは、多くの投資家から冷ややかな視線を送られていた。
また2023年中頃に一度大きな高騰を見せたが、それ以降は思わしくない値動きが続いている。
そんなNippon Idol Tokenに、果たして未来はあるのだろうか。
本記事ではNippon Idol Tokenについて特徴や値動き、現況を整理したのち、将来性も考察していくので、Nippon Idol Tokenの今後が気になる方はぜひ最後まで読んでみてほしい。
この記事からわかること
- Nippon Idol Tokenの主な特徴
- Nippon Idol Tokenの値動き
- Nippon Idol Tokenの現況と将来性
- Nippon Idol Tokenを買える仮想通貨取引所
Nippon Idol Tokenの取り扱いがあるのは今のところ、IEOが実施されたcoinbookとDMM Bitcoinの2社だけだ。
その2社の内でcoinbookは、現物取引(取引所)を使って、リーズナブルな手数料でNippon Idol Tokenを買える。
Nippon Idol Tokenに興味がある方は、ぜひこの機会にcoinbookのこともチェックしてみてほしい。
coinbookの特長
- Nippon Idol Tokenを低コストで取引可能
- Nippon Idol Tokenの出金が可能
- 高性能チャート「TradingView」を採用
目次
Nippon Idol Token(NIDT)とは?
名称 | Nippon Idol Token (ニッポンアイドルトークン) |
シンボル・通貨単位 | NIDT |
ローンチ時期 | 2023年4月 |
価格* | 9.2円/NIDT |
時価総額 | 不明 |
サイトURL | https://www.nidt.network |
上場先 | coinbook DMM Bitcoin |
Nippon Idol Token(ニッポンアイドルトークン、以下NIDT)は、株式会社オーバースが発行している日本発祥の仮想通貨だ。
その目的は、ブロックチェーン技術とメタバースを活用した新しい女性アイドルグループを結成・運営していくことである。
そしてファンや投資家は、NIDTのエコシステムをとおして、アイドルの活動を応援・支援することができる。
NIDTは、2023年4月にcoinbookとDMM Bitcoinの合同でおこなわれたIEOによって、約11億円もの資金調達に成功している。
またIEOののち、その2社から国内市場への上場を果たしている。
Nippon Idol Tokenの特徴
さてNIDT(Nippon Idol Token)、および株式会社オーバースのアイドルプロジェクトは、次のような特徴を有している。
主な特徴
- アイドルの組成・運営のための資金調達手段
- IEOで約11億円を調達
- IDOL3.0 PROJECTを手がけている
- 投票でアイドルの運営に参加できる
- NFTをとおしたファンへの還元がある
アイドルの組成・運営のための資金調達手段
従来のアイドル関連のプロジェクトは、大手芸能事務所や広告代理店などに金銭的に依存しており、そうした資金提供者の意向を反映させざるを得ない状況にあった。
また、既得権益が優先されて、ファンの思い描くアイドルとの乖離が生じることもしばしばあった。
一方でNIDTのアイドルプロジェクトの場合は、NIDTをとおして不特定多数のファンや投資家から資金調達をおこなう仕組みになっている。
そのため、特定の資金提供者からの影響を受けずに、ファン目線を重視したアイドル活動の展開が可能だ。
IEOで約11億円を調達
NIDTは、DMM BitcoinとcoinbookでのIEOにおいて、1NIDTあたり5円で3億枚(販売総額15億円)が販売された。
なお、実際に売れたのは2億36万9,000枚(10億8,199万2,600円)であり、目標どおりに売り上げることはできなかった。
しかし約2/3の売り上げでも十分な成果であり、得られた資金を元手に、アイドルを結成するためのプロジェクト「IDOL3.0 PROJECT」が進められている。
IDOL3.0 PROJECTを手がけている
NIDTの発行・運営元である株式会社オーバースは、IEOで調達した資金を元に、新しいアイドルを結成するためのプロジェクト「IDOL3.0 PROJECT」を進めている。
同プロジェクトは、AKB48などを手がけてきた秋元康氏を総合プロデューサーに据えて、現実世界だけでなくメタバースなどでも活動する新しいアイドルの結成を目指している。
ちなみに2023年10月には、オーディションを経て、IDOL3.0 PROJECT発の最初のアイドルグループ「WHITE SCORPION(ホワイトスコーピオン)」がデビューを果たしている。
投票でアイドルの運営に参加できる
2023年8月、IDOL3.0 PROJECTにおいてアイドルファンのポータルサイト「NIDTポータル」がリリースされた。
NIDTを保有するファンは、NIDTポータルでアイドルの運営に関わる投票に参加することができる。
票の重みはNIDTの保有量によって変わり、言わずもがなより多く保有すれば、自身の意思を強く運営に反映させることが可能だ。
NFTをとおしたファンへの還元がある
ホワイトペーパーによるとNIDTのエコシステムでは、NIDTに対して資金を投じたファンや投資家に対する還元システムがつくられるとのことだ。
まずファンは、NIDTを購入・保有することで、「推し活NFT」を獲得することができる。
すると集めたNFTに応じて「推し活レベル」が付けられ、そのレベルに応じた特典(グッズやライブへの参加権など)を得られるとのこと。
また、下記のような推し活のサイクルによって、NIDT経済圏の拡大を目指している。
Nippon Idol Tokenの値動き
ここで、NIDTのこれまでの値動きを確認しておこう。
次のチャートは、市場上場を果たした2023年4月26日から、本記事執筆時点(2024年5月24日)までの値動きを示したNIDT/日本円チャートだ。
NIDTは、IEOでの販売価格と同じ1NIDTあたり5円で、DMM Bitcoinとcoinbookへと上場した。
また、IEOで売れ残ったというネガティブなニュースもあったことにより、上場当日に一時1.23円まで暴落することとなった。
その後しばらくは思わしくない動きが続いていたが、IDOL3.0 PROJECTのオーディションが最終局面に入ると、期待感から大きく高騰して125円を付けた。
またこうした高騰から、「アイドルが実際にデビューすれば、もっと値上がりするのでは?」と期待されたが、チャートを見てわかるとおり現実にはそうはならなかった。
2023年10月にWHITE SCORPIONがデビューしたものの、まったく発奮材料にならず、NIDTは2023年末から下落に転じてしまう。
その後もポジティブな材料はなく、2024年5月末時点では1NDTあたり10円を割り込んでしまっている。
余談だが、仮想通貨全体の時価総額の推移は以下のチャートのとおり。
市場全体で見ると、2023年後半から活況となり、時価総額が上がってきている。
一方NIDTは、同時期に下落基調に陥るという真逆の動きをしており、活況な市場の流れにまったく乗れていないことがうかがえる。
Nippon Idol Tokenの現況と将来性
さきほど、NIDTの価格が2023年末から下がり続けていることを紹介した。
今後の復調を期待したいところだが、将来に関わる要素を整理していくと、かなり厳しい状況にあることが推察される。
将来性に関わる注目要素
- WHITE SCORPIONの人気がイマイチ
- 当初計画のあらゆる要素が未実現
- あらゆる需要が乏しい
WHITE SCORPIONの人気がイマイチ
WHITE SCORPIONの楽曲はこれまでのところ、すべてデジタル配信のみで、CDの販売がされていない。
そのため「CDの売上げ」という絶対的な数値によって、人気を測ることができない。
ただ以下の要素をチェックしていけば、現状WHITE SCORPIONにあまり人気がないことが推測できる。
人気を測れる要素
- 公式SNSのフォロワー数
- 所属アイドルのフォロワー数
- SNSのいいね・リツイートの数
- YouTubeチャンネルの登録者数
- YouTube動画の再生数
- 音楽配信サイトのダウンロードランキング
- 運営会社の業績 他
ここで例えば、X(旧Twitter)の状況を乃木坂46と比べてみよう。
乃木坂46の公式Xアカウントのフォロワー数は、2024年5月末時点で200万人を優に超えている。
公式Xアカウント:@nogizaka46
また、告知ツイートなどに対する「いいね」が1万件を超えることもざらにある。
かたやWHITE SCORPIONはというと、活動開始から半年以上が経過した2024年5月末時点でも、公式Xアカウントのフォロワー数が1万人にすら届いていない。
公式Xアカウント:@whsp_official
リアクションの数も、乃木坂46のXアカウントとは比べるべくもない。
活動期間が違うので比較対象としてはフェアではないのかもしれないが、X以外の要素を見比べてみても現状、乃木坂46と比べてWHITE SCORPIONが人気で大幅に劣っていることは明らかだ。
アイドル関連の市場規模に上限があることを考えると、先行するライバルグループと人気競争でまともに戦えていないのは、かなり苦しいように思える。
また一般論で言えば、「モーニング娘。」や「AKB48」などの栄枯盛衰の様子を見てわかるように、エンターテインメントは初動が非常に重要だ。
まずスタートの段階で人気を集めて、徐々に飽きられつつも、あらゆる手を尽くしながら人気を保っていくというというのがよくある流れである。
ところがWHITE SCORPIONは、初動でそもそもあまり盛り上がっておらず、その分だけ今後より厳しい状況に陥っていく可能性が高い。
そして、投資家は初動を含めた状況をよく認識しているので、WHITE SCORPIONがデビューしてもNIDTの値上がりにつながらなかったのだろう。
当初計画のあらゆる要素が未実現
IDOL3.0 PROJECTは当初、
- グローバルなアイドルをつくる
- メタバースでも活動するアイドルをつくる
といったことを謳っていた。
ところが現状、WHITE SCORPIONの活動は今までのアイドルグループとほとんど変わらず、グローバル化やメタバースの気配は一切感じられない。
また、NIDTのエコシステムに関しては、ホワイトペーパーや公式サイトに書かれていた以下のような要素が未だリリースされていない。
未実装の要素*
- ファンに推し活NFTをプレゼント
- NIDTでグッズやチケットを取引
- NIDTを持つと、グッズ購入時に割引
- その他NIDTの保有特典
- NIDTのステーキング機能 など
*2024年5月末時点
いつかは実装されるのかもしれないが、具体的なスケジュールなどが見えなければ、先行きを疑われるのは必然と言える。
あらゆる需要が乏しい
当初の触れ込みだとNIDTは、ライブチケットやグッズ購入時の決済手段に使えるということだった。
ところが現状、グッズやチケットは日本円で販売されている。
今のところのNIDTの使い道は、NIDTポータルでの投票への参加権のみで、実需が乏しい状態にある。
また、2024年5月末時点での上場先はcoinbookとDMM Bitcoinの国内2社だけで、投資需要も乏しい。
実需・投資需要ともに少なければ、価格が上がらないのは当然だ。
以上3つの要素から、NIDTの置かれている状況は、今のところかなり厳しいことがうかがえる。
また今後も状況が様変わりしなければ、NIDTが下落トレンドを脱することは難しいだろう。
2024年5月末追記
2024年5月24日に株式会社オーバース他関連2社は、今後の「IDOL3.0 PROJECT」にかかるWeb3.0領域に関連する施策スケジュールを公開した。
それによると、今後NIDTによる決済サービスがリリースされる他、WHITE SCORPIONのメタバースでの活動も試験的にスタートするとのこと。
そうした活動によって需要を生み出すことができれば、NIDTは下落トレンドから脱することができるかもしれない。
Nippon Idol Tokenを買える仮想通貨取引所
本記事執筆時点(2024年5月)でNIDTの取り扱いがある仮想通貨取引所は、同銘柄のIEOを実施した「coinbook」と「DMM Bitcoin」の2社のみだ。
またこれらの内で、NIDTを取引する上でおすすめなのはcoinbookだ。
取引の種類 | 現物取引(取引所・販売所) |
取扱銘柄* | NIDT、ADA、BTC*、ETH* 【全4種類】 *OTC取引のみ |
取引コスト (NIDT/JPYの場合) | Maker 0.05% Taker 0.20% |
仮想通貨の入金手数料 | 無料、ガス代は自己負担 |
仮想通貨の出金手数料 | 銘柄ごとで異なる |
その他サービス | ステーキング OTC取引 IEO |
coinbookの特長
- Nippon Idol Tokenを低コストで取引可能
- Nippon Idol Tokenの出金が可能
- 高性能チャート「TradingView」を採用
coinbookなら、現物取引(取引所)を使って、リーズナブルな手数料でNIDTを買える。
またDMM Bitcoinは買ったNIDTを持ち出せないが、coinbookなら外部のウォレットに送り、NIDTポータルなどで使用することができる。
無料で口座をつくれるので、NIDTに興味がある方はぜひ、coinbookの利用を検討してみてほしい。
Nippon Idol Tokenに関するQ&A
それでは最後に、NIDTに関してよくある質問を3つ紹介しておく。
よくある質問
- NIDTにはどのような使い道がありますか?
- IEOで集めた資金はどのように使われていますか?
- NIDTの総発行枚数はいくらですか?
NIDTにはどのような使い道がありますか?
本記事執筆時点(2024年5月)では、投資家やアイドルのファンはNIDTを保有することにより、「NIDTポータル」にてアイドル運営に関わる投票に参加することができる。
またホワイトペーパーや公式サイトの情報によると、将来的には次のような用途も追加される可能性があるようだ。
追加予定のユーティリティ
- NFTなどのデジタルグッズの購入手段
- コンサートなどのチケットの購入手段
- 好きなアイドルへの投げ銭
- ステーキング
IEOで集めた資金はどのように使われていますか?
IEOで調達した資金は、以下の用途に使用されている。
調達資金の使い道
- プロジェクトの運営資金
- オーバース社の運営資金
- 予備費として保管
NIDTの総発行枚数はいくらですか?
NIDTの総発行枚数は10億枚であり、IEOではその内の30%分に当たる3億枚が売りに出された。
また、全体の初期分布は以下のとおりだ。
Nippon Idol Tokenとは?まとめ
今回はNippon Idol Token(NIDT)について、その特徴や値動き、将来性などを解説した。
この記事のまとめ
- Nippon Idol Tokenは日本発祥の仮想通貨
- coinbookとDMM BitcoinでのIEOで販売された
- ファンはNIDTをとおしてアイドルの活動を支援できる
- 2023年10月にプロジェクトから「WHITE SCORPION」がデビュー
- 2023年末以降、NIDTは下落基調に陥っている
- 2024年5月末に、Web3.0関連の施策内容を公表
Nippon Idol Token(NIDT)は、購入・保有することがアイドルの支援につながる仮想通貨だ。
今のNIDTはかなり厳しい状態に置かれているが、これから実施されるWeb3.0関連の施策によって集客に成功すれば、状況は様変わりするかもしれない。
また「アイドル×Web3.0」という領域は今のところ競合が皆無なので、上手く人気を集められると、先行者利益によって強固な地位を築けるはずだ。
そんなNIDTの将来に期待する方は、ぜひcoinbookを使い、今の内にNippon Idol Tokenへの投資にトライしてみてほしい。